誰も知らないオーストラリア

内部からのレポート
著者:和戸川 純
誰も知らないオーストラリア

著者はオーストラリアに16年間滞在した。メルボルンに2年、「世界で一番美しい街」パースに14年住んだ。家族は、ヨーロッパ系オーストラリア人の妻と2人の子供達。生活のあらゆるところで、否も応もなく人種錯綜の場面に遭遇した。日本人に対する好悪の感情の表出を見た。その日常生活を克明に述べ、言動の裏側に潜む人々の思いに論評を付け加えた。

オーストラリアがヨーロッパから注目されるようになったのは、19世紀に金が発見されてからだ。金採掘のために、安価な労働力として多数の中国人が移住させられた。ヨーロッパ系と中国系の住民の間で激しい紛争が勃発。アジア人を排斥する白豪主義が導入された。太平洋戦争で日本がオーストラリアを爆撃した。

日本が、高度成長期に鉄鉱石などの鉱物資源を爆買い。敵だった日本が、高度福祉国家オーストラリアの基盤確立に貢献した。2000年代に入ってから、中国共産党が秘密会議でオーストラリアを属国化することを決めた。中国が、オーストラリアの鉱物資源を爆買いするようになったが、同時に凄まじい浸透工作を展開した。中国の拡大政策に危機感を覚えたオーストラリア政府が、クアッドなどで日本と相互防衛体制を築くようになった。

アジアの2大国との関係が、依存と敵対の両方向へ振れた。オーストラリア人の心理が複雑になった。嫉妬心の裏返しとして、マスコミに苛烈な日本批判が表れる。極端な人種差別主義を唱える女性政治家が、政治の台風の眼になる。短期滞在者にはこの錯綜した深層心理を見抜くのは困難だ。

アジアの2大国によって助けられた経済成長によって、オーストラリアの賃金水準が日本の約2倍になった。オーストラリアへ出稼ぎに行く日本人が増えている。

第1部 オーストラリアを繫栄させた日本
第1章 アジアとの微妙な依存関係
敵国だった日本がもたらした繁栄、など
第2章 日本人はどう思われているか?
偏見に満ちた「日本からのレポート」など
第2部 大学での愉快な人間関係
第1章 交友活動で忙殺されたメルボルン生活
第2章 成果に結びついた挑戦
トップの研究者になった教え子、など
第3部 光と花の地で展開される人間模様
第1章 日本と異なる自然と人間
アワビなんてイヌの餌、など
第2章 異郷を楽しむ日本人
ナンパされる理由、など
第4部 非日常的な日常生活
第1章 負債大国の生活ビジネス
ギャンブル大国の現実、など
第2章 家計の切り盛りで遭遇する問題
家周りの仕事をする業者の使い方、など
第3章 単民族日本人の多民族生活
多民族が参加するパーティ、など
第4章 オーストラリア人の意識にある日本人
日本人モデルをほしい、など

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