Essay 46

Windows10のセキュリティ設定

2015年9月30日(修正2016年8月23日)
社運を賭けたマイクロソフトのWindows10

マイクロソフトは、2015年7月に、Windows10の無償配布を開始した。無償なのは1年間という期間限定だったが、 ウインドウズOSの初めての無償配布には、マイクロソフトの危機感と決意が込められていた。

スマホで圧倒的なシェアを誇る、グーグルのOSアンドロイド。グーグルが急速に開発を進めている自動走行車には、Google AutoがOSとして搭載されている。
さらに、 グーグルは、デスクトップパソコン向けのGoogle Chrome OSを、開発している。Chrome OSはオープンソースで、ノートパソコンから60インチのディスプレイまで対応できるようだ。 Chrome OSがアンドロイドのような成功を収めれば、マイクロソフトの牙城が切り崩され、マイクロソフトは完全な敗者になる。

そこで、 マイクロソフトは、Windows10で、デスクトップの垣根を越えることを意図した。スマホなどの小さいディスプレイ市場へ切り込み、グーグルへの反撃を企てた。モバイルに特化したWindows10が、Windows10 Mobileに搭載された。けれども、既に圧倒的なシェアを握っているアンドロイドには、抗しきれていないようだ。

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無償配布の1年間は、各種バグの発見と、プログラム修正のための期間になった。8月に配布が開始されたアップデートに、その努力の結果が見える。

ユーザーインターフェースが使いやすくなったことに加えて、ブラウザMicrosoft Edgeの機能が強化された。スマホとの連携も強化された。マイクロソフトが、パーソナルアシスタントと呼ぶ音声機能付きのCortanaが、機能強化の背景に存在する。このプログラムは広範な情報を収集するので、セキュリティとの関連で注意が必要だ。

私は、セキュリティを高めるためのアドオンを、ブラウザにはかならずインストールする。Microsoft Edgeにはまだアドオンがない。

高機能化は脆弱性の増大を意味する

これから示す画像には、私自身の各種設定が現れる。これらは、私のリスク許容度と必要性に応じた設定なので、皆さんは皆さんの判断で設定をやっていただきたい。

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私たちの社会はIT技術によって支えられ、今まで人類が経験したことがないほど、急速に変貌しつつある。社会全体がとても便利になると同時に、社会の脆弱性が幾何級数的に増している。

個人、企業、政府機関の情報が、社会の隅々にまで張り巡らされたデバイスによって収集される。情報は極端に複雑なネット内を流れ、要所要所に設置されたサーバーに蓄えられ、解析される。
ネットのいたる所に、無数に存在する情報の出入り口が、悪意のある攻撃者(クラッカー)の格好の潜入口になる。情報が盗まれるだけではなく、改ざんされたり、消去されたりしてしまう。社会を機能させている種々の機器が、停止させられたり、暴発させられたりする。社会インフラへの攻撃の成功例が、いくつも報告されている。このあたりのことを、拙著 「サイバー世界戦争の深い闇」 に書いた。

サイバー空間に完ぺきなセキュリティはあり得ない。ネットの網の目の中には、鍵がかかっていないドアがどこかにある。鍵がかかっていても、簡単に開けられてしまう脆弱な鍵だったりする。強固と思われる鍵でも、侵入を執拗に試みる攻撃者が、最後には解錠してしまう。

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Windows10は、デスクトップだけではなく、スマホ、タブレットなど、すべてのデバイスのプラットホームになることを目的に、開発された。ネット社会の中核インフラになるということは、悪意のあるより多くの攻撃者の標的になることを、意味する。

マイクロソフトは、データの処理には細心の注意を払い、データセンターを高度なセキュリティで守っている、と述べている。 米Lifehacker社の質問に対するマイクロソフトの回答によると、「集めたデータにはマルチパススクラビングが施され、機密事項や個人を特定可能なフィールドを収集しないように、注意が払われている。データは非常に小さな断片に分割され、シーケンスデータが削除されているので、データの復元や特定は不可能」、とされている。

そうはいっても、 サイバー空間に完ぺきなセキュリティは存在しない。データが暗号化されると、解読されなければ使えないので、解読するシステムが必ず存在する。人為的に作られた防御システムは、人為的に破られる。 大量の個人情報が流出する危険が、高機能化したWindows10でとても大きくなった、と考えざるを得ない。それは、私たち一人ひとりのユーザーが、執拗なサイバー攻撃の標的になって、個人情報が今まで以上に窃取される可能性が高まったことを、意味する。
日本だけで、年間100億回を超えるサイバー攻撃が加えられている。Windows10のセキュリティを学ぶことが、自分の身を少しでも守るための最初のステップになる。

「ファイアウォール」の設定

最も基本的なセキュリティ設定が、今までのOSでも行っていた「ファイアウォール」だ。 Windows10の基本的なアーキテクチャが、今までのウインドウズOSとは異なるので、「ファイアウォール」の設定へたどり着くのに、初めての方は手間取るかもしれない。

control

firewall

上の画像で、ディスプレイの最下位に「ツールバー」がある。左端の小さい窓のような「ウインドウズアイコン」を右クリックすると、Windows7までなじみ深かった「スタートメニュー」が現れる。

この中から「コントロールパネル」を選択。「システムとセキュリティ」>「Windowsファイアウォール」>「Windowsファイアウォールの有効化または無効化」と進んで、ファイアウォールのオン、オフ設定をできる(下の画像)。 ファイアウォールが防御の第1段階になるので、「有効にする」を選択する。

Windows10の全体的なセキュリティ設定

Windows10は、デフォルトのままにしておくと、ユーザーが知らない間に、マイクロソフトと大量の情報をやり取りしてしまう。このような機能は今までのOSにもあったが、 Windows10は、各種デバイスに対するプラットホームOSと想定されているので、マイクロソフトへ送られる情報の種類も量も、格段に増している。デフォルトのままならば、「位置情報」、「入力情報」、「連絡先」、「カレンダーの予定」、「画像」、「音声認識」、「手書きパターン」、「表示広告」などの情報が、送付対象になる。

多機能化は便利さを追求している。例えば、「Winodwsストア」にアクセスするアプリが組み込まれているので、音楽、映画、テレビ番組、ゲームアプリなどの購入が、容易にできる。「モバイルコンパニオン」で、デスクトップとアンドロイドやiPhoneなどのスマホを、同期化できる。各デバイス間で、写真やドキュメントの共有が可能になる。この機能は、マイクロソフトによる、アンドロイドやiPhoneに対する、切り崩しの一環と考えられる。

便利さを優先するユーザー、セキュリティを優先するユーザー、その中間のユーザー。いろいろなユーザーがいるので、ユーザーの必要性に応じて設定が自由にできることは、OSの長所になる。Windows10は、そのような多様化をかなり考慮したOSだ。

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start

左下の「ウインドウズアイコン」を左クリックすると、タイルがたくさん並んだ派手な「スタート」画面が現れる。 大きなタイルの数が多いので、「スタート」画面がディスプレイの広範囲を占める。邪魔と思うユーザーは、この画面の設定を変える。

上の画像では、山形アイコンの「フォト」が選択されている。このアイコンを右クリックすると、タイルの操作ができる黒い画面が現れる。その中の「サイズ変更」にポインターを乗せれば、タイルサイズを「小」、「中」、「横長」、「大」のどれかに設定できる。
「スタート画面からピン止めをはずす」を選択すると、タイルを消すことができる。タイルをドラッグすれば、並び方を変えられる。タイル数を減らしたり、タイルサイズを小さくすると、「スタート」画面に空白ができる。画面の端をドラッグして、画面全体を小さくする。

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setting

「スタート」画面の左のサイドバーから、歯車のような「設定」アイコンを選択する。次に、「設定」画面の中から「アカウント」を選択。

「アカウント」画面で「サインインオプション」を選択。「ピクチャパスワード」を設定する。 パソコンにカメラが搭載されている必要があるが、Windows Helloによる顔認証で、パソコンにサインインできるようになる。顔認証を望まないユーザーはオフにする。

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synchronize

「アカウント」画面で、「設定の同期」を選択する。

Windows10が搭載されているパソコンは、すべてがマイクロソフトのサーバーに接続される(すなわちクラウドコンピューティング)。
「設定の同期」をオンにすると、マイクロソフトアカウントを使って、そのアカウントに登録されている、すべてのパソコンの設定を同一にできる。個人設定や基本設定が、一つのドライブに保存されるので、アカウントにサインインする、すべてのユーザーのパソコンが同期化されるのだ。
「スタート画面」のレイアウト、「言語の設定」、「ブラウザの履歴」、「お気に入り」、「ウインドウズストア」のアプリの設定などが、同期の対象になる。FacebookなどのSNSに各自がサインインしなくても、保存されている写真、ドキュメント、その他のファイルにアクセスできるようになる。

職場のように、何人かで共通の情報にアクセスする場合は、とても便利だ。けれども、私は他の人と情報を共有する必要がないばかりか、作業上高度のセキュリティを維持しなければならない。「設定の同期」の全項目をオフにした。

同期の設定は個別にできる。「テーマ」、「Webブラウザ」、「パスワード」、「言語」、「操作」、「その他のWindowsの設定」など。 「その他のWindowsの設定」という表現は余りにもあいまいな上に、具体的な説明がない。「同期の設定」をオンにしたいユーザーでも、この項目はオフにすることをお勧めする。設定の意味するところが不明な場合、オフにすることが基本だ。

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privacy
(アップデート版)

「設定」画面から「プライバシー」を選択する。「プライバシー」画面の左のサイドバーから、「全般」を選ぶ。

「アプリ間のエクスペリエンスのために、.....」をオンにすると、ユーザーに合わせた広告をアプリ内で表示するために、個人情報がマイクロソフトへ送信される。位置情報や入力情報などが含まれると思われるが、具体的なことが不明なのでオフにする。 グーグルに同じような機能がある。

「SmartScreenフィルターをオンにして.....」をオンにすると、「Windowsストアアプリ」内で訪問したURLが、マイクロソフトへ送信される。このURLは、有害と思われるサイトのURLと照合される。 SmartScreenフィルターは、フィッシング攻撃やマルウェア攻撃からユーザーを保護するフィルター。「Windowsストアアプリ」利用者はオンにしたほうがいい。
ただし、ここでの保護の対象は、「Windowsストアアプリ」だけだ。SmartScreenフィルターによる、もっと広範な保護設定は、後述するMicrosoft Edgeの「詳細設定」で行う。

「入力に関する情報をMicrosoftに送信して、.....」をオンにすると、タイプや音声などで入力された情報がマイクロソフトへ送られ、変換予測の精度向上に使われる。入力の履歴から、ユーザーが入力しようとしている文字を割り出し、すべての文字を入力しなくてもいいようになる。タイプや音声で入力される個人情報は、多岐にわたるので、不便を忍ぶことができるユーザーは、オフにしたい。

「Webサイトが言語リストにアクセスできるようにして、.....」をオンにすると、自分が好む言語に合った地域のコンテンツが、表示される。日本語と英語しか使わない場合は、オフにしても問題はない。

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location

位置情報をマイクロソフトへ知らせることによって、ユーザー居住地の天気予報が自動的に表示されたり、地図アプリで居住地が正確に表示される。あるいは、居住地周辺のレストランが表示されるなどの、便利さがある。下のアプリリストから、位置情報を知らせたいアプリだけを選択することができる。アプリを選ぶためには、上の「位置情報」をオンにしなければならない。

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camera

Skypeを使う場合は、「カメラ」、「マイク」をオンにする。ただし、 カメラやマイクを、ユーザーが知らない間に操作してしまうサイバー攻撃があるので、必要がないならばオフにする。

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voice
(アップデート版)

左のサイドバーでは「音声認識、手書き入力、入力の設定」になっているが、アップデート前は「音声認識、手書き入力、タイピング」だった。 項目のタイトル「あなたに合ったWindowsにするために」は、アップデート前は「あなたに関する情報の収集」で、プライバシーを尊重する人には、とても攻撃的に聞こえた。そこで、響きがやわらかくなるタイトルに変更したと思われる。表現が変わっても内実は変わらないので、ここの設定には特に注意が必要だ。

デフォルトの設定では、音声、手書き、タイピングで入力されたメールアドレス、パスワード、スケジュール、音声や手書きの個人パターン、入力した履歴、現在地など、大量の情報がマイクロソフトへ送られる。

個人情報を広範に集める、Cortanaがこの作業を行う。これによって、ユーザーのデバイスが認識されやすくなるので、手書きや音声などで入力された内容が、より正確に把握される。検索結果の予測や、ユーザー辞書の効率化に貢献する便利な機能だ。
マイクロソフトは、個人の特定が不可能なようにデータ処理がされる、と述べている。けれども 送られる情報がとても多岐にわたるので、完璧なセキュリティが存在しないネットでは、設定には特に注意が必要。便利さよりもセキュリティを重んじるならば、Cortanaを停止させる。

注意をしないと設定が反対になる。上の画像で、赤枠で囲まれたウインドウの表示は、「自分を知ってもらう」になっている。Cortanaがオンになっているように錯覚しやすい。ところが、これでCortanaはオフなのだ。このウインドウを左クリックすると、「音声認識と手書き入力のパターン、....。「オンにする」」というメッセージが、ウインドウの上に表示されるので、今はオフになっていることが分かる。このメッセージの「オンにする」をクリックすると、「自分を知ってもらう」が「自分の情報を知らせない」になる。この状態でCortanaがオンだ。

上の設定でCortanaの機能が停止するはずだが、そうはならない。Cortanaをオフにしたはずの私のパソコンで、Cortanaが活動している。ユーザーに疑いを持たせるのは、マイクロソフトにはマイナスだ。ユーザーは、ネットで自分を完璧に守るのは不可能なことを、知っていたい。

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サイドバーから「アカウント情報」、「連絡先」、「カレンダー」を選択。これらをオンにすると、自分の名前や画像などのアカウント情報、連絡先、カレンダーに、アプリがアクセスできるようになる。 アプリによっては、これらの情報が必要な場合がある。アプリを余り使わないユーザーはオフでいい。
「通話履歴」をオンにすると、アプリが通話履歴にアクセスする。 特別な場合を除いて、オフのほうがいい。

サイドバーをさらに下へスクロールすると、「メール」、「メッセージング」、「無線」、「他のデバイス」とリストが続く。これらをオンにすれば、アプリがユーザーにアクセスして、メールやSMSを読み、送信し、無線を制御し、必要のないワイヤレスデバイスと情報のやり取りをする。 これらが意味するところを完全に理解し、必要と判断する場合にのみオンにする。通常はオフ。
リストの最後に「バックグラウンドアプリ」がある。ここに挙げられている多くのアプリと、知らない間に情報のやり取りをする。必要がない限りすべてをオフにする。

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マイクロソフトは、「プライバシー」関連の情報をユーザーから無制限に取得することを、明らかに望んでいる。ユーザーの情報は、マイクロソフトだけではなく、悪意のあるクラッカーにも流れる可能性がある。 私たちユーザーは、自分の情報が誰にでも知られることを前提にして、ネットを使う必要がある。

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devices

「他のデバイス」を選択して、「デバイスとの同期」の項目をオンにすると、PC、タブレット、電話と、明示的にペアリングする必要のないワイヤレスデバイスとの間で、アプリが自動的に情報の共有や同期を行うようになる。 「明示的にペアリングする必要のないワイヤレスデバイス」という説明が、余りにもあいまいなので、接続されるデバイスを知ることができない。オフにしたほうがいい。

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background

「アプリのバックグラウンド実行を許可する」画面で、許可したいアプリをオンにできる。オンにすると、使用していないときも情報の送受信が行われ、アプリが常に最新の状態に保たれる。ユーザーの必要に応じてオンにする。

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defender
(アップデート版)

「Windows Defender」は、スパイウエアがコンピューターに侵入したり、実行されそうになったときに警告する。また、マルウエアの自動削除機能が付いている。

私は「制限付きの定期的なスキャン」をオンにした。「リアルタイム保護」は、他社セキュリティソフトがインストールされていると、自動的にオフになる。 「クラウドベースの保護」は、「リアルタイム保護」がオンでなければ機能しない。ここをオンにしたが、マイクロソフトへの情報の送信だけが実行されると思われる。

Microsoft Edgeのセキュリティ設定

Windows10から、Microsoft Edgeが、Internet Explorerの後継ブラウザとしてインストールされる。ただし、Internet Explorerも継続して使える。Internet Explorerに慣れたユーザーは、新しいブラウザに慣れるのに、時間がかかるかもしれない。けれども、マイクロソフトの方針がはっきりしているので、面倒でも、Microsoft Edgeに乗り換えることをお勧めしたい。

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private

Edgeを開き、上のバーの右端にある「...(他の操作)」をクリックする。開かれた画面の上部で、「新しいウインドウ」か「新しいInPrivateウインドウ」を選択できる。 InPrivateウインドウを選ぶと、Microsoft Edgeでネット閲覧をしたときに、「クッキー」、「履歴」、「一時ファイル」などの閲覧情報が、コンピューターに残らなくなる。

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windows edge
(アップデート版)

次に、画面の下部にある「設定」を選択する。「設定」画面が現れるので、画面の下のほうの「詳細設定を表示」を選択。「詳細設定」画面は上下に長くなっている。上の画像では、この画面を3つに分けてある。

ポップアップウインドウには、偽装される脆弱性がある。ポップアップウインドウの内容が、攻撃者が用意したものに差し替えられるのだ。 「ポップアップをブロックする」をオンにする。サイトによっては、ポップアップウインドウの機能が必要なので、個別に対応する。私はFlashアニメを創作しているので、「Adobe Flash Playerを使う」をオンにした。 知らない間に、不法ダウンロードが行われるのを防ぐために、「ダウンロード時の動作を毎回確認する」をオン。

パスワードやフォームへ入力した情報をブラウザに残すのは、セキュリティを考えると危険。 「パスワードを保存する」も「フォームへの入力を保存する」も、オフにする。 「トラッキング拒否要求を送信する」と、逆探知されかねないのでオフ。上に書いたような理由で、「Microsoft EdgeでCortanaを有効にする」もオフ。

上述したように、 「SmartScreenフィルターを使って悪意のあるサイトやダウンロードから保護する」は、ぜひオンにしたい。


追記1:Windows10 Creatorsアップデートの設定

2017年4月8日

基本設定

Windows10のアップデート版で、ゲーム、グラフィック、アプリ、操作性などに関して、多くの修正、削除、追加がなされた。ここでは基本設定とセキュリティを中心にして、今までのWindows10との違いを述べたい。

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まず目につくのが、デフォルトのままでは、ディスプレイのフォントが小さすぎることだ。「設定」>「システム」>「ディスプレイ」>「拡大縮小とレイアウト」で、フォントサイズをデフォルトの「100%」から、「125%」、「150%」と大きくできる。けれども、100%ではフォントが小さすぎるのに対して、125%以上では大きすぎる。 今までは、「ディスプレイ」の下の方に「ディスプレイの詳細設定」があり、そこから「タイトルバー」、「メニュー」、「アイコン」、「ヒント」、「メッセージボックス」などのフォントのサイズを、自由に変更できた。アップグレードでは、この役に立つ機能が消えている。

好みのフォントサイズに変えるには、 「Meiryo UIも大っきらい!!」 (名前は変だがまじめなソフト)をインストールしなければならない。このソフトを使えば、これまでの詳細設定と同じことをできる。フォントタイプの変更も可能だ。私は、フォントを「Yu Gothic UI」にし、サイズを「11」にした。

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アイコンの大きさを変えるには、キーボードの「Ctrl」キーを押したまま、マウスの中央前方にあるホイールを、前方や後方へ回せばよい。

アイコンの間隔が不適当ならば、レジストリーエディターで間隔を変えられる。 左側最下段のスタートをクリックすると、「何でも聞いてください」と書かれたウインドウが現れる。そこへ「regedit」と入力。現れたウインドウの上方にある、「regeditコマンドの実行」をクリックする。
レジストリーエディターが起動する。 「HKEY_CURRENT_USER」>「Control Panel」>「Desk Top」>「WindowMetrics」とクリック。右側のリストから「IconSpacing」選んでダブルクリックすると、アイコンの横の間隔を変更できる。「IconVerticalSpacing」で縦の間隔を変更。 私の場合は、「IconSpacing」を-1400にし、「IconVerticalSpacing」を-1200にした。 レジストリーエディターの操作を間違えると厄介なことが起こるので、注意してやっていただきたい。

セキュリティ設定

「設定」画面に新しく「アプリ」が加えられた。「アプリと機能」>「アプリのインストール」で、アプリの取得先を任意の場所やストアなどに設定できる。

「設定」>「アカウント」>「サインインオプション」で、Windowsやアプリのサインインに、「パスワード」、「PIN」、「ピクチャ」などを使えるようにできる。

「ゲーム」が、「設定」画面に新しく加えられたが、種々の個人情報を外部とやり取りするので、パソコンをゲームに使わないユーザーは、以下の項目の全てを「オフ」にしたい。「ゲームバー」。「ゲームDVR」>「バックグラウンド録音」と「録音されたオーディオ」。「ブロードキャスト」>「オーディオのブロードキャスト」と「カメラ」。「ゲームモード」。

「設定」>「プライバシー」>「全般」画面の設定項目が、前とやや異なる。必要に応じて「オン」にする。「プライバシー」>「音声認識、手描き入力、入力の設定」で、項目名が、オリジナル版と同じ「あなたに関する情報の収集」になった。ここのウインドウの表示が、 「音声認識サービスと入力候補をオンにします」となっていれば、情報収集は「オフ」。このウインドウを左クリックすれば、「オン」にするためのウインドウが現れる。

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このアップグレードで、セキュリティと安定性の強化が計られた。「設定」>「更新とセキュリティ」>「Windows Defender」で、「Windows Defenderウイルス対策を有効にします」をクリックすると、デバイスの保護状態が表示される。「ウイルスと脅威の防止」、「デバイスのパフォーマンスと正常性」、「ファイアウォールとネットワーク保護」、「アプリとブラウザコントロール」、「ファミリのオプション」などと、保護が一括管理されていることが分かる。 各項目をクリックすれば、保護の詳細を知ることができる。

「更新とセキュリティ」に「トラブルシューティング」が新しく加えられ、項目の一覧から、種々のトラブルへの対応法を探すのが容易になった。

Microsoft Edgeの設定には大きな変更がない。


追記2:サイバー攻撃実体験

2017年10月7日

私が口座を持っている、アメリカの証券会社FirsTrade(FT)にアクセスしようとしたところ、FTのホームページが現れず、下のような警告画面が表示された。ブラウザはGoogle Chromeで、セキュリティを高めたシークレットモードにしている。

voice

FTの正規サイトが改ざんされ、偽サイトへ誘導されることをセキュリティが検知し、このような警告を発したのだ。Webサイトの改ざんは、サイト情報が保存されている、サーバーの脆弱箇所を狙って行なわれる。改ざんサイトが正規サイトに酷似していれば、ユーザーは偽であることに気づかない。

今回は、FTのセキュリティ証明書と、偽サイトの証明書がマッチしなかったために、セキュリティが偽サイトへのアクセスをブロックした。「セキュリティで保護されたページに戻る」をクリックすると、グーグルのトップページが現れる。

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「www2.firstrade.comにアクセスする(安全ではありません)」をクリックしなかったので、ここをクリックすると何が起こるのかは分からない。www.chinanetcenter.comへ跳び、本物そっくりの偽サイトが現れるか、そこから私のパソコンへウイルスが送り込まれる可能性がある。

検索した結果、chinanetcenterという名のネット企業が、中国にあることを知った。ただし、今回の攻撃者とこの企業との関係は分からない。中国企業のURLはen.chinanetcenter.comで、攻撃者のURLと微妙に異なるからだ。

対策

GoogleでFirsTradeを検索した。検索結果から、URLがhttps://www.firstrade.com/(httpsはhttpが暗号化され、安全性が高いことを示す)のFirsTradeサイトへ跳ぶことができる。
慎重を期して、サイトの安全性を評価した。無料で安全性を評価する5つのサイトへURLを入力。https://www.firstrade.com/は、5つの評価サイトで合格。https://www2.firstrade.com/については、 Trend Micro Site SafetyNorton Safe WebVirusTotalが安全とした。けれども、SecURLが不正サイトであることを指摘し、gredがこのサイトは存在しないと結論した。ネットで何か怪しい気配を感じた場合は、最大限の注意が必要なことが分かる。以上の所見から、https://www.firstrade.com/を安全なURLと判断した。

<和戸川 純>

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