Essay 7

経済危機下でも年7%の利益を上げる投信

2009年1月29日
直線状の右肩上がり

細かいことを書く前に、まずは論よりも証拠を示したい。このエッセイのタイトルで述べているファンドのパフォーマンスが、いかにすぐれているかが、一目で解るチャートがある。

このファンドの10年間のパフォーマンス・チャートを、下に示す。

cash fund

パフォーマンスは、10年間に渡って、驚くほどきれいな直線状の右肩上がりになっている。

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ファンドの名前は、Colonial First State Cash Fund だ。英語名だからと言って、恐れることはない。気軽に読み進んでいただきたい。

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昨年から今年にかけて、金融・経済危機のために、世界中のほとんど全てのファンドのパフォーマンスが、劇的に悪化した。1年も経たないうちに、多くのファンドの価値が半分になってしまった。それ以下になったものも多い。

ところがこの期間においても、Cash Fundは、確実に利益を上げていた。

この時期のパフォーマンスがよく解る、2年のチャートを下に示す。投資経験が豊かなひとほど、このファンドの何事にも動じない、安定したパフォーマンスに、驚くはずだ。

2 year chart
パフォーマンスとは

このエッセイでは、ここまでパフォーマンスという言葉を使ってきた。

投信のチャートは、普通は基準価額を単位として描かれる。基準価額とは、投信一口当りの価格だ。株で言えば株価に相当する。基準価額が1万円のときに買って、1万5000円になったときに売れば、一口当り5000円の利益が出たことになる。 投信では、この基準価額がどんどん上がることが歓迎される。手持ちの投信が、高い値段で売れるようになるからだ。

ところが、Cash Fundにおいては、ファンド設定時から、基準価額はほとんど変わっていないのだ。
基準価額はほとんど変動しないが、分配金が毎月支払われる。この分配金が、ファンド購入時の基準価額に、上乗せされていく。 パフォーマンス・チャートは、分配金が上乗せされたファンドの価値の上昇(基準価額+分配金)を示している。

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2年チャートで、具体的に確認をする。

2年前に、このファンドに10万ドルを投資していれば、現在の価値は11万4500ドルになっている。この値段で、ファンドを今売却する。
2年で、14.5%の利益を上げられたことになる。

このファンドの投資先は、主に短期の有価証券だ。ここまでパフォーマンスが安定しているのだから、ファンド・マネージャーは間違いなくとても優秀だ。

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なお、年7%のリターンは、経済危機の真っ只中にある現在では、驚くべきものだ。だが、2003年以降の世界的な景気上昇期には、年50%を越えるリターンを示すファンドが、かなりあった。Cash Fundは、その当時は、むしろパフォーマンスが低いと、判断されたことになる。

オーストラリアのColonial First State

ファンドの名前が英語で、チャートも英語で書かれている。単位はドルであるから、このファンドは、当然海外のものということになる。

だが、このファンドは国内にいても購入できるのだ。次に、そのあたりの事情を書いておこう。

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オーストラリア最大の証券会社は、Colonial First Stateだ。Cash Fundはこの会社のファンドだ。

この会社は世界中へ進出をしている。日本の証券会社も、この会社の投信を販売している。 ただし、ここで述べているCash Fundは、オーストラリアでしか購入できない。

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オーストラリアでは、社会保障が充実している。それもあって、ギャンブル好きのオーストラリア人は、日本人のように、余裕資金はまず預金しようなどとは、考えない。ギャンブルに使おう、あるいは投資に使おうと、考える。

オーストラリアで、日本の定額給付金に相当する一時給付金が、昨年の12月に配られた。年金受給者や低所得家庭を対象に、一人当りの給付額は1000~1400ドル(当時のレートで10万円以上)に上がり、景気刺激効果が期待された。

この給付の効果が、最もはっきりと現れたのは、カジノをはじめとするギャンブル産業だった。記録的な額の金が、ギャンブルに使われたのだ。ギャンブル産業には、景気刺激効果があったことになる。

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一番簡単な投資は、投信を買うことだ。国の規模と比較をすると、Colonialはとても大きな証券会社と言える。ギャンブル好きな国民性のおかげで、証券会社が育っているのだ。

日本にいても口座を開ける投資先進国オーストラリア

日本国内のほとんど全ての証券会社は、国内に住所を持つ者にしか、口座を持つことを認めていない。日本人を含む海外に住む個人が、日本へ直接に投資をしようと考えた場合、まずこのことが、大きな壁として目の前に立ちはだかる。

Colonialは、海外居住者が口座を開くことを、認めているのだろうか?

Colonialのウエッブ・サイト で、 口座開設の申込書 をダウンロードできる。

この申込書に、「Your main country of residence, if not Australia」と、「If a foreign resident for tax purposes, specify country of residence」という記入欄がある。外国人も、口座を開くことができるのだ。さすがは、世界的にビジネスをやっている証券会社だ。

ちなみに、日本最大の証券会社・野村證券は、海外に居住する個人が口座を持つことを、認めていない。

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世界的な格付け機関は、オーストラリアの金融を、開放性・合理性・公正の点から、高く評価している。日本は、オーストラリアの後塵を拝しているのだ。しかも、その差はとても大きい。

日本国内の金融グローバル化は、世界の中で日本が生き延びるために、今すぐに取り組まなければならない課題だ。

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話をもとに戻そう。

普通口座(FirstChoice Investments)における最低投資額は、5000ドルだ。ホール・セール(大口)口座(FirstChoice Wholesale Investments)では、10万ドルになる。ホール・セール口座の場合は、各種手数料が極めて安くなる。申込用紙は普通口座とは異なる。

販売されているファンドは、普通口座向けよりも、ホール・セール口座向けのほうがはるかに多い。投資額の大きい個人が多いことを、示唆している。

資金の移動法

海外から投資をする場合には、口座を開くこと以外に、乗り越えなければならない、もう一つの問題がある。資金の移動法だ。

Colonial口座の資金の出し入れは、オーストラリアにある銀行口座を通すことになる。オーストラリアの CitiBank HSBC ならば、日本からインターネットを使って、口座を開くことが可能だ。 Colonialの口座と銀行口座間の資金の移動も、インターネットを通してできる。

オーストラリアに銀行口座を持たない場合は、資金の出し入れには、小切手を使うことになる。

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なお、オーストラリアに銀行口座があれば、オーストラリアに定期預金を持つことができる。定期預金の利子は、昨年は6%前後だったが、現在は1年定期で3%前後に下がっている。景気刺激のために、政府は利子をさらに下げようとしている。

今Cash Fundへ投資をすることの意味

私は別にColonialの回し者ではないが、このCash Fundに、今投資をすることのプラスの意味を、書いておこう。

世界は、金融収縮の状況に陥っている。資金を今すぐに必要とする企業が、資金を入手するのが困難になっている。Cash Fundは、有価証券を介してキャッシュを企業などに提供し、利益を上げているファンドだ。

キャッシュを供給できることは、金融収縮下では、このファンドの強みになる。文字通り、危機こそチャンスになっているのだ。

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景気や株価は、落ちるのは速いが、もとのレベルに戻るまでには、長い時間がかかる。

現在、不況はさらに深刻化しつつある。景気が底を打つまで、まだ1~2年はかかるだろう。そのあとで、やっとゆっくりとした上昇局面へ入る。再び好景気を実感するようになるまでには、7~8年もかかる可能性がある。

その間、資金を預けておくには、パフォ-マンスがとても安定したこのようなファンドが、理想的と言える。普通のファンドが、年20~30%のリターンを上げるようにったときに、資金をCash Fundからそちらへ移せばいいのだ。

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今、オーストラリアへ投資を始めるのがいい理由として、もう一つ上げられる。

下の図は、豪ドルと円の交換レートの5年チャートだ。

exchange rate

現在、1ドルは60円前後で推移している。これは歴史的に、豪ドルの最も安い水準になる。さらに利下げがあれば、豪ドルはまだ安くなるかもしれない。しかし、ここから劇的な落下をすることは考えにくい。もう少し安い底が来るとしても、現在は底に近いレートになっていると、考えてもいいだろう。

特に、豪ドルの低下(円の上昇)が劇的に大きく、かつ急激だったので、やがて揺り戻しが来ると考えるのが、妥当だ。

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取らぬタヌキの皮算用をやってみたくなる。1ドルが去年のレベル・105円にまで戻れば・・・・。

ただし、夢は夢として、投資は自己責任でお願いしたい。


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