Essay 12

Windows7と格闘した10日間

2009年11月5日
和戸川 純
Windows7は本当に好評なのか?

10月22日にWindows7が発売された。『「期待から確信に変わった」、マイクロソフト・樋口泰行社長の長くて短い一日』 と題するメルマガを、日経BPが送ってきた。日本マイクロソフト社社長の樋口が、発売前後に秋葉原を訪れ、Windows7の人気に確信を持った、という内容になっている。発売時に7人気で街が盛り上がり、量販店の店員は手応えを感じているそうだ。

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私は、2年前にVista搭載パソコンを購入した。Vistaの発売後、1年が経過してからだった。その前に使っていた、WindowsXP搭載パソコンは古くなっていた。しかし、新しいOSの欠陥が修正されて、サービスパックが出るまで待つという、無難な選択をしたのだ。発売後に1年もあれば、アプリケーションソフトの多くが、Vista互換性になるだろうという期待もあった。

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ところがWindows7では、Vistaから7へのアップグレード版の予約を、7の発売前にした。 サービスパックを待たずに、発売後すぐに7を入手する手配をした理由は、7がより高機能になったからではない。 7は、Vistaにはない、驚くような機能を持っているわけではない。そんなことは、私にも分かっていた。

誰もが指摘するように、 Vistaは起動も動作も重過ぎる。OSの起動に時間がかかるばかりではない。私が使っている、ウイルスソフトのウイルスバスターが、データのアップデードをしていると、ブラウザを容易に開くことができなくなる。

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電源スイッチをオンにしてから数分も経てば、OSを初めとする、バックグラウンドで動くソフトは、完全に立ち上がったはずだと、普通ならば考える。そこで、ブラウザを開こうとする。ところが、これが、悲惨な結果をもたらすことがとても多かった。 ブラウザが開かないばかりではなく、コンピュータが、ほとんど停止の状態になってしまった。ブラウザ以外の他のアプリケーションソフトも、開けなくなった。

こうなると、電源のオフ、オンを繰り返さなければならない。次にオンにした時には、ブラウザを開く前に、忍耐力を駆使して10分以上も待った。それで、やっとブラウザが開けるようになった。ウイルスソフトは、バックグラウンドでしばしばデータのアップデートをする。この負荷が、日常的に以上の困難をもたらす、原因のひとつになったのだ。

私は、コンピュータの動作速度とセキュリティには、細心の注意を払っている。雑誌に載っている、Vistaの動作を速くする方法などは、全て試みた。それでも、上のような状態だった。

Windows7は、Vistaよりも起動や動作が遥かに速くなったばかりではなく、アプリケーションソフトへの互換性も高まったという。 それならば、ウイルスバスターは、7上では軽快に動作する可能性があると、期待をかけた。

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私は、機能に比べれば値段が安い、デルやHPコンピュータを使っているので、マイクロソフトオフィスはプレインストールされていない。別途購入することになる。

今持っているのはオフィスXPだ。同じ会社の主要ソフトなのに、オフィスXPはVista上では極めて不安定だ。ワードで入力した文章が突然に消えたり、ワードそれ自体が勝手に停止したりする。そこで現在は、 OSのバージョンアップの度に、値段の高い別バージョンのオフィスを購入するよりも、無料のOpen Officeを使っている。 ただし、Open Officeには、マイクロソフトオフィスと、100%の互換性があるわけではない。

各種アプリケーションソフトに対して、Windows7の互換性が高いならば、7でオフィスXPを使えるかもしれないという、淡い期待もあった。

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厳しい言い方をすれば、VistaはOSとしては欠陥商品に近い。そこで、OSとして正常に機能するらしい7に乗り換えるために、発売と同時に購入する決断をしたのだ。

Vistaの評価が低いことを考慮すれば、私と同じような理由で、7に乗り換えるひとはとても多いと推測できる。樋口社長が、この辺りの事情を正確に把握していなければ、ユーザーからあとで厳しいしっぺ返しをくらうことになる。

Windowsと同程度に汎用性のあるOSが他にあれば、私を含めて、多くのWindowsユーザーが、間違いなくそのOSに乗り換える。私は、パソコンで、日常生活に必要なあらゆる作業を行っている。多種多様なアプリケーションソフトを使え、各種ウエッブサイトにアクセスもできることが、私が使うOSの必須条件になる。その点では、残念ながらMacでも不安が残る。

アップグレード版を購入した理由

私は、パソコンを使い始めてから10数年になる。経験はかなり豊富なはずだが、OSのバージョンアップの度に苦労をする。 OS移行の経験が何度もある私でさえも、手を焼くのだ。最近パソコン使い始めたひとならば、OSの乗り換えに完全に成功するまでに、私以上の苦労をすることは、想像に難くない。それでも、作業が完結できれば幸いだ。途中でトラブルを解決できなくなったり、7への移行をあきらめてしまうひとが、かなりいるのではないだろうか?

Windows7の導入で苦労をしているひとのために、この10日間の私の苦闘を書いておく。

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Windows VistaからWindows7への移行で、 私が最初に試みたことは、今まで使っていたアプリケーションソフトやデータには手を付けないで、OSだけを変えるアップグレードだった。 今までにインストールしたアプリケーションソフトの数は、目に見えるものだけでも60本を越えている。私が知らない間にインスト-ルされ、プログラムファイルからは隠されているソフトも、かなりあると思う。そんなソフトやデータに手を触れないで済むならば、OS移行時の労力を最小限に抑えられる。

そこで、Vistaから7へのアップグレード版を購入した。

移行の前に、周到を期して、Windows Upgrade Adviserで、それまでに使っていたソフトや周辺機器の7との互換性を調べた。特に大きな問題はないという結果が出た。

それでも、 最初から問題が発生した。Windows7のインストールソフトが、アップグレードをできないという、恐怖のメッセージを送ってきたのだ。

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フルインストール版を、別途購入しなければならないのだろうか?フルインストール版は、アップグレード版よりも値段が高い。何よりも、同じOSを2本買う気にはならない。

マイクロソフト社の開発者は、このような問題が頻繁に起こることを、予想していたらしい。アップグレード版からも、新規のフルインストールができるようになっているのだ。

ただし、 フルインストールをするためには、Vistaがインストールされている、Cハードディスクドライブをフォーマットし、全てのデータを消さなければならない。 今までに溜め込んだ他のソフトやデータを、全て事前にバックアップすることが必要になる。この作業には時間がかかる。アップグレード版を使うことによって、こんなやっかいな作業は避けられるはずだった。・・・・・やれやれ。

過去に、コンピュータのクラッシュでひどい目にあったので、必要に応じて外付けハードディスクや、CD、DVDにバックアップを取ってきた。ただしOSのクリーンインストールとなれば、バックアップのやり方は今までとは異なる。 外付けハードディスクとDVDに、ソフトやデータの完全なバックアップを試みた。

ここまでは、時間はかかったが比較的スムースに進行した。

相性が悪いウイルスバスター

Windows7の新規フルインストール後に、ややこしいトラブルが発生した。覚悟ができていたとはいえ、この種のトラブルにはいささかうんざりする。

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まずウイルスソフトのウイルスバスターだ。

トレンドマイクロ社は、Windows7の発売直前に、ウイルスバスター2010をラウンチした。7に互換性があり、起動時間が34%短縮され、動作も軽いといううたい文句だった。バスター2009から2010へのアップグレードは無料。

上に書いたように、Vistaとウイルスバスター2009の相性は悪く、バスターが活動を始めると、Vistaの動作はとても重くなる。OSの移行前にウイルスバスター2010へアップグレードすることに、ちゅうちょは全くなかった。ところが期待に反して、バスター2010もVistaとの相性が悪かった。

Windows7へ移行すれば、バスターが活動をしていても、コンピュータの動作は軽くなるのかもしれない、という「夢」に望みを託した。そこで7の新規インストール後に、バスター2010をインストールした。

最初の結果は、失望以外の何物でもなかった。コンピュータの起動にも、ブラウザや他のソフトの立ち上がりにも、気が遠くなるほどの時間がかかった。しかも、バスターはなぜか数分置きにアップデートを繰り返し、「今すぐ再起動してもよろしいですか?」というメッセージを、送り出したのだ。 再起動をすれば、それまでにやっていた作業は、再び最初からやり直さなければならなくなる。それでも、ウイルスバスターが要求する通りに、一々再起動を繰り返した。

いくらなんでも、これでは、全ての作業を終わらせるために、時間がかかりすぎる。そこで、再起動をキャンセルすることにした。これで、再起動を要求するメッセージに悩まされることはなくなった。

ウイルスバスターの影響を少しでも小さくするために、バスターのファイアウオールをインストールしない設定で、バスター2010のインストールを試みたりもした。それでも結果に変化はなかった。

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ところが、なぜか理由は分からないが、この問題は5~6日後までには解決されたのだ。ウイルスバスターの起動時間が短かくなったばかりではなく、Windows7や他のソフトの動作に対するバスターの影響が、無視できるようになった。 バスターが何をやっていようとも、他の全てのソフトが軽快に動作するようになった。

ウイルスバスターが軽くなるような設定を、気が付かないうちにどこかでやっていたのかもしれない。あるいは、バスターが新しいOSの環境に慣れたのだろうか?

常に手こずるRoxio Creator

次のトラブルも予想の範囲内と言えた。ムービーなどの編集ができる、メディアソフトのRoxio Creatorがトラブルの源だった。このソフトは、メモリーを大食いするだけではなく、動作が不安定なことで知られている。インストールで手こずることでも有名だ。そんなアプリケーションソフトだが、以前のWindows搭載機にプレインストールされていたので、ユーザーの数がとても多くなった。

私は、Nero、TMPGEnc、Windowsムービーメーカーなどの、いろいろなムービー編集ソフトを試した。最終的には、手こずりながらもRoxio Creatorを使うことにした。理由は、このソフトを使えば、文字を、画面のどこにでも自由に配置できるところにある。しかも、この文字をフレキシブルに動かすこともできる。ムービー編集では、ひとや場所の名前を、画面の任意の場所に配置したくなる。こんな基本的な操作が、他の多くの一般的なムービー編集ソフトではできないのだ。

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Vista上で動いていた、Roxio Creatorの前のバージョンは2009。Creator2009のサービスパックを適用することによって、CreatorはWindows7上でも動くはずだった。ところが、 2009のインストールを始めようとすると、「Creator2010のインストールの前に、Creator2009をアンインストールしなければなりません」というメッセージが現れて、インストールは拒否されてしまった。インストールソフトは、明らかに、Roxio Creator2009を2010と誤解していた。

まだインストールされていない2009を、アンインストールはできない。 この種の訳の分からないRoxio Creatorのトラブルは、何度も経験をしてうんざりしていた。問題を解決しようとする意欲は湧かなかった。そのため、2年前に購入したCreator2009を使うことはあきらめ、Creatorの新しいバージョン2010を新規購入した。

OSは新規フルインストール。Roxio Creator2009はインストールを拒否されたので、このソフトのデータは、コンピュータには何も残っていないはずだ。Creator2010のインストールは初回と同じになるので、何も支障は起こらないと期待できる。

Creator2009とは違って、Windows7に互換性があるとうたわれている、Creator2010のインストールは確かにできた。Creator2010を開こうとすると、「Roxio」という、ソフトの立ち上がりを示す最初の赤いアイコンが表示された。ところが、そのアイコンが消えると、その後はウンともスンとも言わない。エラーメッセージも現れなかった。

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このトラブルを解決しようと、トライアンドエラーを繰り返したが、成功はしなかった。そこで、Roxio社に質問のメールを送った。質問を送るまでの手続きの煩雑さに比べて、回答は素っ気なかった。

いくつか挙げられていた解決法の中に、ウイルスソフトをアンインストールし、Roxio Creatorの全てのデータを削除してから、再インストールすることを勧めるものがあった。このようなことは前にやったことがある。他のアプリケーションソフトは、ウイルスソフトの存在を気にしないが、複雑で不安定なRoxio Creatorでは、ウイルスソフトがトラブルの原因になるのだ。

ウイルスソフトの機能を停止させるので、安全のために、まずインターネットの接続を切った。ウイルスソフト、スパイウエア、ファイアウオールの機能を有する、ウイルスバスター、Spyware Dotor、Windowsファイアウォールは、アンインストールをしなかった。再インストールがやっかいなので、画面上で、これらソフトの機能をオフにする道を選んだ。

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前にインストールした、Roxio Creator関連のソフトやレジストリがひとつでも残っていれば、再インストールをしても、Roxio Creatorは機能しない。そこで、コンピュータの各所に埋め込まれた、Roxio Creatorと関係のある、全てのデータの削除が必要になる。

これは、注意深くやらならなければ、コンピュータそのものを機能不全にしてしまう。そこで、Roxioのウエッブサイトで、アンインストール法を調べた。だが、Windows Vista上でのアンインストール法はあっても、Windows7上でのアンインストール法はまだ述べられていなかった。危険を承知の上で、Vista上でのアンインストール法を参考にしながら、完全アンインストールを試みた。

このアンインストールは、最近コンピュータを使い始めたばかりのひとには、無理だ。Vistaと7ではいろいろな表示が異なるので、正しく推測するためには経験が必要になる。

データ復元を学ぶことになった理由

最終的に、Roxio Creator2010のインストールには成功したが、その前にひとつのトラブルが別のトラブルを生んでしまった。

バックアップ用のDVDをEドライブに挿入すると、Roxio Creatorのコントローラーアイコンが右下に現れる。バックアップしたいデータをそこへドラッグして落とせば、データはDVDに書き込まれるはずだ。
私は、 Roxio Creatorのインストールが不完全で、Roxio Creatorが機能不全に陥っていることを知る前に、そこへデータを落としてしまった。すると、新しいデータのバックアップができなかったばかりではない。DVDにあった、それまでのバックアップデータが全て消えてしまったのだ。

以前に、データの復元をやったことはなかった。しかし、 重要なデータが消失してしまったので、初めて復元を試みることにした。いろいろな復元ソフトを試したが、DVDデータの復元には、ファイナルデータ8.0と、File Scavengerしか使えないことが分かった。しかもソフトには得手不得手があり、両方のソフトを使うことによって、なんとか、ほぼ全てのデータを復元できることが分かった。

これは大事な勉強になった。いろいろなトラブルの引き金を引いてくれる、WindowsOSのおかげで、ここまで勉強ができたことになる。マイクロソフト社に感謝(?)。

Thunderbirdに乗り換えたメールソフト

Windows 7にはメールソフトが付いていない。それはそれで歓迎すべきことだ。互換性などのトラブルを避けるために、安全を期して、同じマイクロソフト社のWindows Liveを、メールソフトとして使うことにした。

ここでも、余計な努力をすることになった。Windows Liveに含まれる、メールソフトだけを選択してインストールすれば問題は少なかった。けれども、余り考えずにWindows Liveのフルインストールをしてしまったのだ。

私は、メールソフトしか必要としない。ところが、Windows Liveは、Call、Messenger、Writer、フォトギャラリー、ムービーメーカーなど、データ共有やブログ、その他訳の分からない作業のためのソフトを、数多くインストールしてしまう。ついでにhotmailのアカウントまで作ることになった。

Windows Liveによって、ネット接続を介し、使用者を、マイクロソフト社へ囲い込むことが、意図されているように思われる。マイクロソフト社は、今話題になっているクラウドコンピューティングの中核に、Windows Liveを据えようとしているのではないか?そう考えれば、メールソフトしか必要としていないユーザーにまで、あらゆるネットサービスを強制的に押し付けようとする意図を、理解できる。

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Windows Liveのインストール後に、ソフトを開いて驚いた。マイクロソフト社サイトへ、自動的に接続したことを示すウインドウを含めて、画面がにぎやか過ぎるのだ。何が何だか訳が分からない。メールは、どこでどう書いてどう送ればいいのかも、すぐにはピンと来ない。 しかもこのソフトは、メモリーを大食いするのだ。

あちらこちらを眺めて分かった。Windowsメールだけを残して、他のソフトをアンインストールすることはできないのだ。メールソフトだけが必要ならば、Windows Liveを完全アンインストールし、再度Windows Liveのインストールソフトを使って、メールソフトだけを選択的にインスト-ルしなければならない。

この時点で、Windows Liveの完全アンインストール、再インストールをやる気力は消えていた。Windowsメールを使う気力も消えていた。Windowsメールは、残っていても無視することにした。フォトギャラリーとムビーメーカーは使うことがあるので、残すことにしたが、その他のアンインストールできるソフトを、全て削除した。

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Windowsメールに代わって、Mozilla Thunderbirdをメールソフトとして使うことにした。こちらは、メールに特化した使いやすいソフトだ。

ただし、マイクロソフト社から見れば、他社ソフトへの乗り換えになるので、再び困難を経験することになった。 バックアップしていた、Vista当時のWindowsメールのアドレスとメールを、全てThunderbirdに移すのは、単純な作業ではなかった。 インポート、エクスポートの形態が異なるばかりではない。両メールソフトのファイル形式が異なるので、文字化けが起きてしまうのだ。Windowsメールからインポートした、Thunderbirdのアドレス帳にある、日本語のアドレスが文字化けした。そこで日本語の名前と住所を、手で書き直すことになった。

ただし、Thunderbirdだから全ていいというわけではない。GoogleのgmailからThunderbirdへメールを転送する場合は、設定がやや難しい。

完全な互換性確保をなぜできないのか?

その他多くのアプリケーションソフトで、微妙な調整を時間をかけてやらなければならなかった。単純なアプリケーションソフトならば、外付けハードディスクにバックアップしたデータを、使えば済む。ソフトの開始アイコン(.exe)を、デスクトップへショートカットコピーするだけでいい。しかし、レジストリまで変えるような複雑なソフトは、フルインストールが必要になる。Roxio Creatorと似た問題を発生させるので、再インストールの際には手こずることになる。

以前に購入したデフラグソフトのDiskeeperは、Windows7には互換性がないのであきらめた。まだ、全てのアプリケーションソフトを動かしたわけではない。他にも7に互換性がないソフトが見つかるかもしれない。なお最初に書いたオフィスXPの互換性は、Vistaと同じように7に対しても低い。

私は、ブラウザはMozilla Firefoxを使っている。Internet Explorerよりも起動が速く、かつ安全性が高い。何よりも、マイクロソフト社製品ではないところがいい。 不完全なOSを何年置きかにバージョンアップし、次々と高価なOSをユーザーに購入させる。その度に、アプリケーションソフトまでも、買い換えなければならなくなる。 マイクロソフト社のこんなやり方には、納得がいかないのだ。

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世界でもトップのプログラマーを、大勢そろえたマイクロソフト社だ。前のバージョンのOSで使えた全てのアプリケーションソフトと、周辺機器を新OSでも使えるようにすることくらいは、プログラミングでできないはずがない。現に、7の互換性はVistaよりも遥かに高くしたと、マイクロソフト社自身が言っている。 やれることをやらない。何か裏があると考えざるを得ない。

それまでのアプリケーションソフトや、周辺機器が使えなくなるようなOSならば、無料にしてもおかしくはない。無料でも、アップグレードをちゅうちょする場合があるだろう。私は、7と互換性のないソフトを買い換えることは、最小限に留めた。それでも、Vistaから7への移行には、合計で4万円ほどかかったのだ。

最後の問題はプリンタなどの周辺機器だ。前回は、Vistaで使えるとうたわれていたエプソンカラリオを購入した。今回は、そのプリンタを7でも使えるようにする努力をした。

まず、予想通り、 カラリオはWindows7では認識されなかった。この問題の解決には時間がかかった。エプソンの会員になって、最新の専用ドライバを手動でダウンロード、インストールすることによって、最後に問題を解決できた。

デジカメやビデオカメラの使用には、問題はないようだ。

うれしくもない乗り換え成功

新規フルインストール時に、Vistaのデータを入れたWindows.oldというフォルダが作られる。ここから以前のデータを引き出す必要がなければ、このフォルダは削除してもいい。何しろ26GBもディスク領域を使っていた。私は削除することにちゅうちょをしなかった。

アプリケーションソフトは、可能な限り、1TBの容量を持つ、外付けのLogitecハードディスクドライブにインストールした。OSがインストールされているCハードディスクドライブの空き領域は、以前と比べて10GB増えた。

私のパソコンは、最終的にWindows 7搭載コンピュータになった。コンピュータ自体の起動や動作も、各種アプリケーションソフトの立ち上がりも、Vista当時に比べれば格段に速くなっている。

だからと言って、とても幸せという訳ではない。また2~3年後に、OSのアップグレードが必要になったならば、最悪だ。 それにデータが溜まれば、パソコンの動作は間違いなく今よりも遅くなる。


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