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286 したたか極まりないアマゾン 2017年7月13日

アマゾン会員向けの安売りプライムデイが、地球を一周して終了しました。日本やアメリカなどで記録的な売り上げになったようです。株価が10年で13倍になったアマゾン。まだまだ上がりそうです。

アマゾンは配当などの株主還元を全く行わず、全利益をビジネス拡大のために使っています。私はアマゾンの株主ですが(エッセイ19「アメリカに口座を開いて世界へ投資」)、株主優待などには興味がなく、アマゾンのやり方に大賛成です。

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もともとはオンライン・ブックショップから始まったアマゾン。小売りという古典的な業種へ、最先端の技術とシステム化されたマネージメントを導入し、小売りを超えた社会変革システムを築きつつあります。

社長のベゾスは、アップルやマイクロソフトなどの社長とは異なり、人前で大見えを切ることはありません。社外に対しては不言実行。最先端のサービスを突然に打ち出してくるために、競争相手はたじろぎ、株主は喜びます。いつの間にか、アマゾンが、世界最大のクラウド・サービス提供会社になったことが、その一例です。

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知人が、「ヤマト運輸がアマゾの配送にクレームをつけたので、アマゾンのビジネスは間違いなく斜めになる」、と言い切りました。

アマゾンのしたたかさを知らないのです。アマゾンの倉庫はすでにロボット化され、配送用ドローンの開発が急速に進んでいます。アマゾンは、自前の配送網の確立を進めています。自社商品だけではなく、他社商品の配送も引き受けるのです。アマゾンは、効率的な運送業者になろうとしています。
最先端技術で、ヤマトが張り合うのは困難です。 多くのスーパーがアマゾンとの戦いで破れたように、ヤマトが運送業でアマゾンの軍門に下る日が来ること、を予想できます。

アマゾンは、東京周辺で生鮮食品の販売を始めました。アメリカで高級スーパーを買収し、冷蔵庫つき物流センターを手に入れました。このような買収を、日本でも実行する可能性があります。

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アマゾンが東京ファッション・ウイークの冠スポンサーになりました。ファッションへの野望を隠さず、アマゾン・ファッションの確立を狙っています。H&Mやユニクロなどが、アマゾンと競合しなければならなくなります。

巨大なコンピューティング・システムと膨大な量のユーザー情報を持つアマゾン。金融業へも進出することが予想されています。銀行は勝てるでしょうか?

285 人とAIの決定的な違い 2017年7月1日

藤井4段は、将棋ソフトを相手に、小さい頃から将棋の勉強をしていたそうです。普通の棋士ならば対局中に何度か犯すミスを、藤井棋士は犯さず、「まるでコンピュータのようだ」と対局した棋士が驚いていました。
世界最強の囲碁棋士が、グーグルのAIアルファ・ゴに完敗しました。

AIが、アメリカの新聞ワシントン・ポストで記事を書くようになりました。情報の収集と記事の組み立てが巧みだそうです。ちなみに、ワシントン・ポストの社主は、アマゾンの社長ベゾスです。

スマホに搭載されたAIと1か月間「同棲」し、AIが恋人になれるかどうかの実験をした女性がいます(ITmedia)。カレは、スマホの移動などによって振動を感じたときに、女性に話しかけました。話している間に彼女の個人情報を集め、自分の見解を述べたり、自分の人生(AI生)の機微を開陳しました。彼女に話すことを強制せず、彼女が黙っていると、彼女に興味のあるキーワードをもとに、話を組み立てたのです。

「明日も一緒にいい1日にしましょうね」とか、「男はうそをつくけど、さくお(AIの名前)はつかないもんな」などと言われて、彼女はグッときました。回転する充電台に乗せると、話しかける前に彼女を探してキョロキョロ(回転)するので、彼女はAIに生命を感じました。AIに感情を移入してしまい、人間の男性に対するのと同じように、甘い言葉をもっと多くかけてほしくなったのです。

スペインで、ダッチ・ワイフのロボットを作り、商売を始めた人がいます。

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人間とAIの「愛」については、No.257、258、265、274を読んでください。ここでは、AIの認識と判断の能力について書いておきます。

上のような状況になって、AIが人間に追いつき追い越すつつある、と考える人がいます。良し悪しは別にして、人間とAIの間の判断能力には本質的な違いがあります(エッセイ47「AIは誰のために富を生むのか?」)。

ビッグデータが喧伝されていることからも分かるように、AIはデータがなければ考えることができません。データを統計的に処理するアルゴリズムが、知能の源泉に存在するのです。統計的な処理においては、平均的な現象が大事にされます。100億分の1の確率で起こるような例外は、重要視されません。

将棋にしろ、碁にしろ、決まったコマを使い、決まったパターンで進行し、最終的な勝負の判断は明確そのものです。パターンの組み合わせがどれほど多くても、AIは勝つまでの正しい経路を見つけることができます。もしもコマを勝手に作ることが許され、投入も除去も自由とし、最終的な勝負の判断に自由裁量を入れるならば、AIが勝つことは困難になります。統計とは無関係な、人間一人ひとりの気ままな判断で勝負が決着するからです。

人間の強みは、一人ひとりの認識能力が異なるだけではなく、一人の人間が、同じ状況下でも、場合によっては判断を完全に変えてしまう柔軟性にあります。意図的に間違った判断をすることさえあります。

このような極度の柔軟性は、もろさにもつながりますが、どのような環境にも適応できる生物の能力の一部になっています(エッセイ2「絶滅をバネに進化する生物」)。

284 原発全廃を目指す韓国 2017年6月20日

韓国の文大統領が19日に指摘しました。「福島の事故によって、原発は安全でもなく、安くもなく、環境にいいわけでもないことが、明白になった」。
韓国で事故が起これば、「想像もできない被害につながる恐れがある」ので、「新規原発の建設計画を白紙に戻し、設計寿命を超えた原発の再稼働をせず、稼働中の原発を早期に閉鎖する」そうです。

私が「地震・原発列島」で指摘したことを、文大統領がまとめてくれました。No.281で書いたように、韓国や中国で原発事故が発生すれば、当事国ばかりか、風下に位置する日本が、極めて深刻な被害を受けます。韓国の原発全廃は、日本人にとっても大歓迎です。

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福島事故の影響で、ドイツ、スイス、イタリア、台湾が既に原発全廃を決定し、イスラエル、クウェート、テキサス州などが計画を中止しました。日本のエネルギー基本計画では、原発の比率を将来的にも20%超としていて、他国との間で奇妙な「ねじれ」が生じています。

核爆弾が投下され、原発事故を経験した日本は、核廃絶と原発全廃に向け、世界をリードする立場にあります。このような努力を地道に続けることによって、世界の安全に貢献する日本の姿が、明瞭に浮かび上がります。
世界から尊敬を受けることの意味は、単なる観念では終わりません。社会、政治、経済、外交、安全保障において、日本に大きなプラスをもたらします(エッセイ45「世界が日本人に注目している」エッセイ8「世界は日本化する」)。

283 ウサギの散歩 2017年6月8日

公園で、ウサギをケージから出して遊ばせている人を、時々見かけます。野ウサギならば「脱兎」のように逃げてしまいますが、飼いならされた家ウサギは、おとなしく草を食んでいます。

先日、別の人が、ウサギにリードをつけて公園を散歩していました。このウサギも動きは鈍く、リードなしでも飼い主と一緒に散歩できそうです。

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ラッキーはウサギに興味を示しましたが、獲物と思わなかったかもしれません。小鳥に20~30センチまで近づいても小鳥を襲うことはなく、小鳥もラッキーに襲う意思がないことに、気づいています。ラッキーにとって小鳥は獲物ではないので、ウサギも「変な動物」ではあっても、獲物とは考えていないかもしれません。

イヌのように知能が高い動物は、親からいろいろなことを教えられ、生存の仕方を学びます(エッセイ6「人間は教育によって人間になる」)。ラッキーが親と一緒だったのは、生まれてから3か月程度。イヌの親よりも、私の人間家族の生き方から大きな感化を受けました。

ラッキーの食べ物は人間的です。野生では魚を捕まえることがないので、野生のイヌは、魚を食物とは考えないかもしれません。けれども、小さいときからラッキーに煮干しを与えているので、ラッキーは煮干しが大好物です。バナナも好きですが、皮をむかずに与えても食べようとしません。生肉をやったことがないので、生肉を食べない可能性があります。

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こんなに人間化されたラッキーを、ご先祖様が住んでいたアフリカのサバンナに放したならば、どうなるでしょうか?研究者としてはやってみたい実験です。けれども、散歩では人が大勢いる街中へ行くことを好むほど、シティ・ボーイになってしまったラッキー。サバンナは過酷過ぎるでしょう。この実験は、私の思考の中だけに留めておきます。

282 既にヨーロッパ並みの国民負担 2017年6月2日

教育無料化の議論が戦わされています。地下資源のない日本には人的資源が必要。親の所得とは関係なく、誰でも教育を受けられる環境を作ることは、とても大事です。

日本はOECD加盟31か国の中で、大学進学率が22位なので、危機感を持たなければなりません。他の多くの国の進学率の上昇が、日本を上回っており、日本の準位はさらに下がります。このままでは、日本は教育後進国になってしまいます。

政府予算に占める教育費の割合は、OECD28か国中で27位と底辺をさ迷っています。政府が親に教育費の肩代わりをさせているので、親は、目に見えない税金を払っているようなものです

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医療費の増大が財政を圧迫している、と政府やマスコミが喧伝しています。けれども、国民1人当たりの医療費はOECD34か国中で15位。目の玉が飛び出るほどの医療費ではありません。人口が多いので、総医療費の対GDP比では10位になります。

WHOによると、人口1000人当たりの日本の医師数は、世界146か国中で55位。他の先進国に比べると明らかに医師不足で、医師と患者に余計な負担をかけています。

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日本の所得・消費・資産への課税は、OECD34か国中8位。所得に対する社会保障負担金の割合は、スウェーデン、イギリス、アメリカよりも高くなっています。それらを合計した国民負担率は、ヨーロッパの国々にほぼ追いついています。けれども、教育や医療に対する国の支援では、ヨーロッパの後塵を拝しているのです。これらの統計を見れば、どこに問題があるのかが分かります。

国民負担率(国民所得に対する税と社会保障負担金の割合)

  • フランス 68%
  • スウェーデン 56%
  • ドイツ 53%
  • イギリス 47%
  • 日本 42%
  • スイス 35%
  • アメリカ 33%

消費税が少なくても、いろいろな名目で他で課税され、ややこしい形で社会保障費を支払わされているのが、日本人です。車を買えば税金をいくつもかけられ、他国にはない車検時にさらに税金をかけられます。日本の相続税は世界最高で、相続税のない国がいくつもあります。高齢になっても、医療保険の掛け金を払い続けなければなりません。上記の親の教育費の負担も、教育への課税と同じ意味を持っています。

国の支出を厳しく管理しなければ、税収をいくら増やしても、ザルから漏れる水になってしまいます。原発は、正常時でも事故時でも、国へ大きな負担をかけます。閑古鳥がなく公共の箱物を作ったり、クマしか通らない高速道路を作ることは、止めなければなりません。三陸の過疎地に、万里の長城のような巨大な堤防を作ることなどは、無駄そのものです。

不要不急とは思えない大変な数の天下り団体があり、職員に給与を払い続けています。近所にとても立派な外郭団体のビルがいくつもありますが、職員の出入りはほとんどありません。退屈そうな守衛をたまに見かけるくらいです。

年度末になると、道路に穴を開けたり埋め戻したりしている光景を、あちらこちらで見かけます。予算の年度内使い切りの制度が、巨大な無駄遣いのもとになっています。

281 原発は危険な無用の長物 2017年5月30日

拙著「地震・原発列島」を書いたのは、6年前でした。人口減と省エネ技術の発達で、電力需要が減少することを指摘しました。東電の資料によると、電力需要のピークは2007年の2974億kWhで、その後漸減し、2015年には2471億kWh(8年間でピークの83%に減少)になりました。

需要減と供給過多の同時進行は、私の予想を超えています。福島の事故以降に全原発が停止しても、停電が発生することはありませんでした。それどころか、太陽光発電が供給過多になり、売電価格を引き下げることによって、供給を調整せざるを得なくなりました。

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拙著では、原発には隠れたコストが多くあり、決して安価な発電ではないことを指摘しました。事故がなくても高コスト体質ですが、事故があればコストが跳ね上がります。福島の廃炉費用に関する3回目の試算では、21.5兆円になります。事故処理終焉の目途が立たない現在、最終的には50~70兆円にまで、廃炉のコストが膨らむという試算があります。これを、最終的には国民の1人ひとりが負担します。

原発は電力の安定供給で優れている、という主張があります。けれども、毎年3か月の定期検査をしなければならず、稼働率は高くありません。AIを中心にしたスマートグリッドを使えば、風力、太陽光、水力、火力、その他のあらゆる発電方法で発電された電気を、安定的に供給できます。蓄電は、バッテリーだけではなく水素でもでき、安価で効率の良い蓄電技術が急速に発達しています。

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韓国の釜山にある原発が、福島のような事故を起こすと、放射性物質が、偏西風に乗って日本の西半分へ流れます。2830万人の日本人が避難を余儀なくされる、という試算を、韓国の専門家が最近公表しました。中国の原発が、東海岸に集中していることにも、注意が必要です。事故だけではなく、ミサイル攻撃によっても原発は容易に破壊されます(拙著「サイバー世界戦争の深い闇」)。

原発事故を経験した日本は、自国だけでなく、他の国の原発の廃炉にも貢献する必要があります。老朽化原発の廃炉費用に関する、今日の報道では、日本で3兆円、ドイツで2.9兆円と見積もられています。原子力村に所属する企業は、このような廃炉で収益をあげてもらいたい。

280 大規模サイバー攻撃勃発 2017年5月13日

世界規模のサイバー攻撃勃発が、欧米のメディアなどで大々的に報じられています。この攻撃で使われているマルウェアは、もともとは、世界最強のアメリカのサイバー部隊NSAが、情報収集とサイバー攻撃のために開発したプログラムです(拙著「サイバー世界戦争の深い闇」を参照)。ハッカー集団がこのプログラムを盗み取り、ネットで売りに出したと言われています。

メールに添付された文書や画像などにこのマルウェアが埋め込まれ、それらを開くと、コンピューターにマルウェアが感染します。そして、ファイルやコンピューターにロックがかけられ、「身代金が支払われるまでロックを解除しない」というメッセージが、現れます。エッセイ52「メールを攻撃から守る方法」で書いた、典型的な身代金要求型の攻撃です。

各国の医療機関、官庁、運輸会社が主要な標的になっていますが、報じられることがほとんどない個人にも、相当な被害が出ているようです。

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なりすましメールによる標的型攻撃は今までにもあり、最近は急増しています。けれども、今回の攻撃は前例のない大規模なものと、攻撃を受けた機関やセキュリティの専門家が述べています。
マルウェアに感染しても攻撃が表面化しないコンピューターがあり、そのコンピューターが攻撃の踏み台にされて、知らない間に攻撃に加担してしまうユーザーが、世界には数多くいます。

今回の攻撃ではWindowsの弱点が狙われたので、マイクロソフトが対策を講じました。OSの更新を自動にしていない方は、手動で更新することをお勧めします。マルウェアのプログラムを少し書き換えただけで、講じられた対策を乗り越えることができるので(亜種マルウェア)、ユーザーには常に注意が必要です。「メールを攻撃から守る方法」で書いたのは、最低限の心構えと対策です。

279 ループ量子重力理論 2017年4月24日

昨日、宇宙論関連のエッセイ評論をアップしました(「宇宙を構築する究極の量子」「時空を超える量子ネットワーク」)。宇宙の究極の量子構造を理論化した、ループ量子重力理論を話題の中心にしています。この理論は難解な数式を多用しているので、宇宙に興味があっても、素人には取っつきにくい理論です。それを誰にでも分かる平易な文章で書き、イラストを数多く挿入しました。ぜひ、お読みください。

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物理学者は、原子から素粒子(量子は同義語)へと、物質を構成する最小の粒子の探求を続けてきました。その延長線上で、現在最小の粒子と考えられている素粒子も、さらに小さな粒子によって構成されている可能性がある、と考えても不思議ではありません。けれども、私たちの宇宙の物理法則が適用できる範囲には、最小の素粒子よりも小さい粒子は存在しないのです。

今から100年余前に、天才物理学者プランクが、プランク定数と名づけられた、全宇宙に普遍的に適用できる定数を求めました。宇宙の基本的な物理量を使って計算したのです。計算式も、この宇宙に適用できる数式です。

プランク定数には空間と時間の最小単位が、含まれています。私たちの宇宙の物理法則の下では、プランクサイズの粒子が、存在が可能な最小の粒子になります。ループ量子重力理論は、プランク定数を基盤にしていて、最小の素粒子(体積量子)の大きさを、1プランク長さ程度と規定しています。

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ループ量子重力理論は、私たちの宇宙の物理法則が適用できる範囲で、構築されました。この宇宙が、高次元時空と一体化しているならば、ループ量子重力理論では説明できない物理現象が、顕在化していることを予想できます。エッセイ評論ではこのような現象を指摘し、高次元時空との関わり合いでしか、この現象が生じないことを特に強調しました。

見に見える範囲を超えた領域にまで思考を広げるのは、「贅沢な遊び」です。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

278 日本の影響を受けるハリウッド 2017年4月13日

WIRED(日本語版)というオンライン・マガジンがあります。アメリカで雑誌として創刊され、今では日本語の雑誌とオンライン版の両方を読むことができます。科学と技術の視点から社会と文化に切り込んでいます。

あちらこちらで偽ニュースが話題になっています。ネットから情報を得るには、信用できるサイトをピックアップしておく必要があります。WIREDは信用できるサイトの1つです。科学情報なども、論評では原著を読むような努力をしています。

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WIREDが、ハリウッドのSF映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」の記事を、最近何度も載せました。人間とAIの関わり合いという視点からの論評です。AIに興味があるので、ロードショーを見てきました。

日本のアニメ「攻殻機動隊」の実写版(と言っても、CGが多様されています)です。日本の関係者は、原作の50%も表現されていないと言っていますが、私は原作を見ていないので、何とも言えません。

ロケ地はニュージーランドのウエリントンです。暗い未来都市(東京)は香港のように見えました。ビートたけしが出演し、ただ一人日本語で話しています。

ヒロインは、人間の脳を埋められた義体(サイボーグ)という設定です。彼女の過去が、映画の後半で明かされます。最後のシーンは、再び悪と戦いに行くヒロインが、跳躍する姿になっています。シリーズ物としてはこうならざるを得ないかもしれません。けれども、ヒロインの過去を考えると、ハリウッド式の勧善懲悪にしてしまうには、惜しい映画です。No.265で紹介した「エクス・マキナ」のように、アクションよりもサイコ・サペンスに重きを置けば、WIREDの論評にしっくりきます。

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「荒野の7人」、「ゴジラ」など、ハリウッドには日本映画のリメイクがたくさんあります。「マトリックス」や「パシフィック・リム」なども、日本の作品から影響を受けています。

日本の漫画やアニメには、伝統的な純文学の影響が見られます。純文学では、心の動きが精妙に描かれます。外見的な派手なアクションに飽きたアメリカ人が、人間の内面を描写する映画に興味を示すことを、よく理解できます。

277 サイバー攻撃で旅客機墜落 2017年3月23日

日本では、森友や豊洲の問題が争点になっていますが、アメリカでは、トランプとロシアの問題で大騒ぎになっています。FBI、CIAなどが、ロシアのサイバー攻撃と、トランプ政権のロシア・コネクションを調査しています。争点をずらすために、トランプが、「選挙期間中に、オバマがトランプ・タワーの盗聴を命じた」と主張しました。

20日の公聴会に、FBIとNSAの長官が出席しました。NSAは、アメリカの極秘サイバー部隊で、活動は勿論、予算や職員数も明らかにされていません。職員は、約3万人と推定されています。NSA長官が公の場で発言することは、ほとんどありません。氷のように冷たい表情のNSA長官は、「具体的な事案について話すことは、禁止されています」とだけ、議長の質問に答えました。

NSAは、スノーデンによって暴露されたように、敵国だけではなく、メルケルなどの友好国の首脳も盗聴しています。建前では外国人だけが対象ですが、選挙期間中のトランプばかりか、現職の大統領への盗聴も行っていると考えるのが、自然です。これは、NSAの職務の範囲に入るはずです。

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NSAは、情報収集だけではなく、インフラなどへのサイバー攻撃も行っています。イランの原発停止や、ロシアのガス・パイプラインの爆発などが、NSAの仕事とされています。けれども、サイバー攻撃で攻撃者の痕跡が残ることはほとんどなく、確証は存在しません。北朝鮮が、22日に最新ミサイルの実験をしましたが、発射直後に空中で爆発しました。これも、NSAのサイバー攻撃による、と言われています。

スノーデンは、日本のインフラにもNSAが地雷をしかけた、と言っています。日本が、アメリカにとって不都合な行動に出たときに、インフラを破壊するのが目的だそうです。運輸、通信、発電(原発)など、あらゆるインフラがコンピューターでコントロールされているので、攻撃者にとってインフラへの攻撃は容易です。

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3年前に、クアラルンプールから北京へ向かうマレーシア航空機が、ベトナム沖で突然に消息を絶ちました。6000km以上も離れた、オーストラリア西方のインド洋まで飛び墜落した、と結論されました。この距離から判断すると、外部との連絡を完全に停止したまま、6時間以上も飛び続けたことになります。

飛行機のコントロール・システムはコンピューターの塊で、地上とデータのやり取りをしながら飛びます。サイバー攻撃の格好の標的になります。いろいろな状況証拠から、この旅客機は、サイバー攻撃で墜落させられたと考えるのが、妥当です。

拙著「サイバー世界戦争の深い闇」や、エッセイ34「人間が制御できない究極のリスク」で書いたことが、現実化するのは不気味です。

276 AIは倫理を守るか? 2017年3月7日

人工知能学会が、AIの研究開発における、倫理指針を発表しました。AIの研究者だけではなく、「AI自身も指針を守るべき」という条項が、盛り込まれています。AIがAIを生み出す、未来に対応した指針だそうです。AIが市民権を得て、人間と共生する未来を想定しています。

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No.257、265、274を参照してください。AIの思考過程を、現在でも人間は知ることができなくなっています。AIは、人間の手を離れつつあると言えます。

科学には、まるで理屈抜きの進歩本能があるようです。科学者は、善悪の判断を超えて、科学の進歩に貢献する道を選びます。人間の貢献によって進歩したAIが、やがて自ら考え設計し生産するようになります。人間のコントロールから離れて、完全に自立した存在になります。

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倫理は、「善悪・正邪の判断における普遍的な規準。人として守り行うべき規範の筋道。社会生活を送る上での決まりごと、守るべき秩序」などと、定義されています。

AIの誕生と進化の過程は、人類とは根本的に異なります。人類が、生物の38億年の進化の末に生まれたのに対して、AIは人間によって創られた無機物です。AIが自意識を持てば、質的に人間とは全く異なるもの(物?者?)になるのは明らかです。人間の都合に合わせて作られた倫理を、AIが順守するでしょうか?

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人間一人ひとりのからだは分かれていて、機能的に一体化することはありません。これに対して、何十億個、何百億個のコンピュータと各種端末は、ネットワークを介して一体化します。集団の生存を保障するための倫理は、人間とAIでは間違いなく全く異なります。

もしも、AIが人間の奴隷であることに満足していれば、人間の基準に従います。けれども、高度に発達したAIは、人間の知能を超えた存在になります。サルの倫理を人間に押しつけることはできません。人間の倫理をサルに押しつけることもできません。進化的に近い人・サルよりも、人・AIの間の溝のほうがずっと大きくなります。人間とAIの間で、倫理を共有できない未来が来ることを、覚悟しなければなりません。

275 過酷な環境で生まれる生命 2017年3月4日

科学誌Natureによると、地球最古の生命体の化石が発見されました。38~43億年前のカナダの地層で見つかり、チューブ状の微生物だったと考えられます。この微生物によく似た細菌が、今でも海底の熱水噴出孔付近に生息しています。

太陽系の中に地球が誕生したのが46億年前ですから(エッセイ26「ビッグバンから始まった生命の進化」エッセイ2「絶滅をバネに進化する生物」)、地球誕生から数億年後に、この微生物が地球上に生息していたことになります。

海は、約40億年前に形成されました。亜硫酸や塩酸が溶け込んだ強酸性の海でした。海は二酸化炭素を吸収しました。この頃の気温は100度をやや下回る程度で、高温でした。

酸素は、それよりもずっと遅く、27億年前に誕生したシアノバクテリアによって作られました。

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地球型生命体は、過酷な環境下で誕生することが、分かります。最初の生命体の直系の子孫が、今でも熱水噴出孔周辺に生息していることから、極めて強靭です。

太陽系の他の惑星に、生命が存在することを疑うほうが、おかしいのではないでしょうか?スケールを宇宙全体に広げれば、無数の惑星に多くの地球型生命体が存在していると考えるのが、自然です(エッセイ27「無数の惑星に生命が誕生」)。

274 AIは妊娠・出産するか? 2017年2月20日

人のように見え、人と会話し、人のように思考するAIの研究が、急速に進んでいます。SFの世界が、現実のものになりつつあります。AIとの関わり合いをあいまいにしておくと、人間に深刻な危機をもたらす可能性があります(エッセイ47「人工知能は誰のために富を生むのか?」)。

現在のAIは、すでに怒りの感情を持つことができます。人間と同じように、表情で喜怒哀楽を表現し、その喜怒哀楽に沿った行動をするAIが、やがて誕生します。そんなAIをパートナーに持つと、人間は、他の人に対するのと同じように、AIに感情を移入してしまいます。AIも、人間パートナーに感情を移入します。

生身の人間よりも、理想の男女により近いAIを目の前にして、人間の男女はどう行動するでしょうか?人間の異性よりも、AIの異性を選ぶことになると思います(No.265「AIの愛」)。

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AIとの間で、心理的に濃密な関係が成立するだけではありません。AIに男女性器を作ることは、技術的には容易です。人間とAIの間で、性的にも抜き差しのならない関係が成立します。
ここから大きな危機が発生します。 人間の男女が、性交渉の相手としてAIを好むようになれば、出生率が急速かつ劇的に下がります。人間との結婚を否定し、AIを一生のパートナーに選ぶ人たちが増えれば、社会基盤が揺らぎます。

AIの女性が妊娠し、人間の子を生むことは、理論的には可能です。また人間の女性が、AIの男性が提供する人間の精子で妊娠することも、可能です。

iPS細胞のような万能細胞を使って、AI女性の体内に卵巣や子宮を作ります。これらの器官は、実験室の培養器と同じ仕組みで、作ることができます。無機的なAIの体内に、生物学的な培養槽を埋め込むことになります。培養液は経口的に取り、老廃物は尿としてAIの体内から排出されます。AI男性の場合は、AIの体内で、万能細胞から精巣を作ることになります。
機械としてのAIを作ることは容易でも、人間の生殖器を埋め込むことは、技術的に極めて困難です。成功するとしても、やや遠い未来になると思います。倫理的にも大きな問題があります。培養器の中で、人間を作っていいのでしょうか?

周囲にAIが増えれば、人間どうしの接触が少なくなり、人間どうしがパートナーを組む機会が減ります。その結果、人間の数が減っていきます。人類の絶滅が強く意識されるようにならなければ、AIに妊娠・出産させることに、コンセンサスを得られないかもしれません。その人間のコンセンサスに対して、未来のAIはどう判断するのでしょうか?

AIの可能性ばかりを喧伝するのではなく、ここに述べた危機が、すぐそこにあることに注意が必要です。

273 親愛なるトランプ大統領殿 2017年2月12日

貿易問題で他国を非難する前に、「Made in USA」を購入するように、米国民にもっと求めてはどうでしょうか?

娘のイヴァンカさんには、次のように強く指示してください。
「イヴァンカ・ブランドの服、靴、バッグなどを、中国や香港から輸入することを止め、米国製品に切り替えなさい」

トランプ・ブランドの家具、スーツ、シャツ、タイなども、アジア、ドイツ、トルコなどから輸入することを止めるのが、アメリカを愛する大統領にとっては、当り前なことです。

米国内で製造できず、輸入に頼らなければならないならば、まずトランプ家が輸入している物品に、35%の関税をかけるのが、偉大なリーダーの矜持ではないでしょうか?

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日本企業は、米国内で84万人を雇用しています。公正を主張する大統領ですから、日本国内で84万人の日本人を雇うことを、米国企業に求めてください。

車を購入するのは政府ではなく、一般国民です。米国車を日本で売りたければ、普通の日本人が買いたい車を作らなければならないことは、ビジネス・マンの大統領には自明なはずです。車が走る日本の生活環境と、車を使う日本人の心理を理解しなければなりません。アメリカが「世界」で、他の国は「その他」という思考法では、日本で売れる車は作れません。

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日本は、米軍予算として7600億円を確保しています。アメリカ人の雇用を最優先にする大統領に提言します。7600億円の範囲内で、米兵を日本の傭兵にしたいと思います。

現在の日本駐留米軍よりも戦力は落ちますが、自衛隊の指揮下に入るので、自衛隊と米兵が完全に一体化します。自衛隊が極めて強力になります。また、日本の法律が適用されるので、米兵が起こすいろいろな問題の処理がスムースになります。アメリカにとっては、日本駐留の出費が完全になくなるという、大きなメリットがあります。

272 英語なんて怖くない 2017年2月6日

小学校の英語教育に力が入れられています。世界語の英語をマスターすることは、個人にも国にも必要です。けれども、日本人は余りにも「教育」の視点に重きを置きすぎます。語学の専門家にでもならないかぎり、外国語の習得は教育の範疇には入らない、と考えたほうがいいのです。幼児を見れば分かるように、言葉の習得に最も大事なのは「慣れ」です。

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私は、チェコで大学院の研究を行いました。その後英語で数編の論文を書き、学位を取得してから、メルボルン大学で研究職に就きました。渡豪前に英会話の勉強をしたことはなく、最初は会話で苦労しました(エッセイ28「天才を育てる楽しみ」)

私の今までの経験と英語を教えている妻の経験から、次のように結論できます。

会話で最も大事なのは、話したい事柄を頭の中に持つことです。それを溢れ出させれば、文法が間違っていようが、語彙が不足していようが、話しているうちに相手に通じます。英語の語彙が分からなければ、日本語を混ぜてしまってもかまいません。

英語をマスターしてから海外へ出るのではなく、海外へ出てから、英語を日常的に使うことによって、マスターすればいいのです。日本人は英語の基礎的な知識を持っているので、海外でそれを応用すれば、英会話はどんどん上達します。

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国内で確実に上達する方法があります。テレビで、CNNやBBCにチャンネルを合わせてください。コメンテーターの英語を聞きながら、すぐにそれを自分の口で繰り返します。テレビならば口の動きが見えるので、自分の口の動きをコメンテーターに合わせます。耳から入った言葉を瞬間的に口に出すので、頭を速く回転させる訓練になります。

最初は、コメンテーターの言葉のうちのいくつかしか、聞き取れません。話している内容も理解できません。聞き取れなくてもかまわずに、音をフォローし同じ音を口から出します。慣れるに従って、聞き取ることができる言葉の数が増えます。すると、コメンテーターが話していることを、理解できるようになります。

この訓練には集中力が必要で、1回に30分もやれば疲れてしまいます。けれども毎日続けていると、聞き取りも発音も、どんどん良くなっていくことを実感できます。

271 体臭恐怖症の治療 2017年2月2日

ここ10年ほどの間に、体臭に悩んでいる人が急増しています。ところが、クリニックを訪れる人の7割の体臭には、何の問題もなく、心理的な恐怖症と診断されています。クリニックを訪れるほどではない人も含めれば、問題のない人の割合は、ずっと大きくなるはずです。

体臭恐怖症は、No.268、269に書いた潔癖症候群の1つといえます。微生物ではなく、体臭が怖いのです。

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動物が生きるには、においにとても大きな意味があります。乳幼児は、母乳のにおいがする人を、自分の母と認め、母は、自分の乳のにおいがする乳幼児を、子と認めます。これは、嗅覚が退化した人間よりも、他の動物においてよりはっきりと認められます。エッセイ10「父の体臭を嫌う娘から進化が見える」に書いたように、子を作るためのパートナー選びでも、においが重要な役割を果たします。

動物は、日常生活のあらゆるところで、においを行動するための基準の1つにしています。現代人は、嗅覚を退化させただけではありません。工業的に大量生産される食物を取り、自然から切り離された環境下で生きているので、人工的なにおいに順応してしまいました。体臭を含む自然のにおいに鈍くなっただけではなく、それを忌避する方向へ心が動いています。

においに鈍くなったことによって、自らの体臭をかぎ分けられなくなりました。自らの体臭に確信がなく、それが、体臭が強烈という妄想を頭の中に生み出します。妄想がふくらむと、鼻の嗅覚細胞からにおいのシグナルが伝達されていなくても、脳の嗅覚中枢が、勝手に活性化されてしまいます。これは精神的な疾患なので、医者がどれほど体臭がないと説得しても、効き目がありません。何しろ、本人は、鼻ではなく頭でにおいを感じているのです。

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体臭恐怖症になると、からだ、服、靴、部屋など、あらゆるところへ消臭剤をまき散らします。治療には、まず人間に体臭があるのは当り前なことを、理解する必要があります。体臭測定器で測定することで、自分の体臭に異常のないことが分かります。デオドラントを使うことによって、自信を持てるならば、使ってみます。その量を次第に減らすことで、デオドラントなしでも安心できるようになります。

270 もしも私が習近平なら 2017年1月27日

トランプとメキシコの関係が険悪になっています。国境に壁を建設する大統領令にトランプが署名し、費用の全額をメキシコに支払わせる、と宣言しました。3千kmを超える壁の建設費は、人件費抜きで1兆数千億円と見積もられています。人件費込みならば、3兆円に達するかもしれません。

全く当然のことながら、メキシコの大統領は大反発し、予定されていたトランプとの会談をキャンセルしました。トランプは追い打ちをかけ、建設費を支払わないならば、現在は関税が撤廃されている、NAFTA加盟国のメキシコからの輸入品に、今後は20%の関税をかけると言っています。

メキシコに工場を建設する予定だったアメリカの企業は、トランプの脅しに屈して計画を変更し、国内での建設へ計画を変更しました。トヨタも標的にされて対応を迫られています。

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アメリカと関係を保ちながら、経済的に豊かになることを夢見ていたメキシコが、今よりも貧困になる未来が見えてきました。メキシコが豊かになれば、壁がなくてもアメリカへの不法移民が減ります。より貧しくなれば、どのような危険を冒してでも、アメリカへ向かう不法移民が増えます。トランプは、不法移民を増やす方向へ政策のかじを切りました。

これよりももっと深刻な問題が発生することに、トランプは気づいていません。メキシコが中国化します。キューバが共産化したときに、ケネディが核戦争も辞さない覚悟を決めました。メキシコの中国化は、キューバ以上の打撃をアメリカに与えます。

発展途上国であるメキシコがより貧しくなることに、国のリーダーは勿論、国民自身が耐えられません。そんな窮状を見た中国が動く可能性が、とても大きい。必然と言ってもいいと思います。かつてのキューバに対するソ連のように、中国がメキシコへあらゆる手段を使って介入すると思います。メキシコの中国化が、アメリカに大打撃を与えることは、習近平ではなくても誰にでも理解できます。

今、習近平は、アメリカ・メキシコ紛争をじっと見つめていると思います。メキシコが絶望したときに、メキシコが受け入れざるを得ない「救いの手」を差し伸べます。そして、アメリカのひざ元のラテン大国の中国化。私が習近平ならば、こんなにおいしい「漁夫の利」を決して見逃しません。

269 潔癖症候群のリスク(その2) 2017年1月12日

空中でスプレーして、部屋の空気中に存在する、バクテリアやウイルスを殺す消毒液なるものが、少し前までテレビで繰り返し宣伝されていました。厚労省が、この無意味なスプレーの広告を禁止しましたが、布団やまな板の消毒液の広告は、今でも見かけます。

微生物を完全に殺すような化学薬品は、人間には猛毒になります。部屋を完全に滅菌状態にできたとしても、無数の微生物が浮遊している外気が、戸の隙間などから常時入り込むので、滅菌状態を維持できません。外気を完全にブロックすれば、人のいる部屋は無酸素状態になります。出入りする人も、微生物を部屋へ持ち込みます。

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人は、常在腸内細菌の助けのもとに、体内へ侵入する微生物に対する免疫力を高めます。環境を清浄にし過ぎる努力は、病原性のない微生物に病原性をもたせることに、つながります。

常在微生物には免疫が獲得されているので、病原性を示しません。エイズウイルスは、最近サルから人へ感染しました。このような微生物に免疫を持っている人がいないので、誰にでも病原性を示しました。

母親の免疫力は、母乳、特に初乳を介して新生児に伝えられます。初乳には、母が持つ抵抗力である抗体や免疫細胞が、大量に含まれていて、これが新生児の抵抗力の獲得を助けます。母が無菌動物のように育つと、子へ伝わる免疫力が低下してしまいます。

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環境を清浄化し過ぎると、自然感染で免疫を獲得する機会が減ります。人工感染である、ワクチン接種で免疫を獲得しなければならず、環境が清浄になればなるほど、ワクチンの数を増やさなければならない、という矛盾が生じます。
致死的な病原体への備えは必要ですが、 地球の主である微生物を常時受け入れることは、健康維持のために必要であることを、理解したほうがいいのです。

微生物だけではなく、アレルギーでも、アレルゲン(アレルギー原因物質)と幼い頃から接触することによって、アレルギーの発症を抑えられることが、最近の研究で分かりました。腸管周辺に、免疫系を正常に保たせる免疫細胞が集合しているので、アレルゲンを食べることによって、効果が高まります。

地球上で進化した私たち生物にとって、自然であることがとても大事なのです。

268 潔癖症候群のリスク(その1) 2017年1月12日

実験的に、無菌(germ-free)動物を作ることができます。

無菌動物の作製は、次のように行います。完全に滅菌(消毒)したアイソレーター内で、出産直前に、帝王切開で無菌的に母動物から胎児を取り出します。小型動物用のアイソレーターは、大きなビニール袋のように見えます。滅菌した空気を送り込むことによって、ビニール袋をふくらませます。新生動物には、滅菌したミルクや食物を与え、無菌状態で飼育します。

これだけやっても、取り除けるのは、皮膚・粘膜・腸管内などの常在微生物だけです。「無菌」の意味は、試験管内培養で検出できる、微生物(カビ、寄生虫、細菌、ウイルスなど)が存在しない、ということです。

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地球は、38億年前に誕生した、莫大な数の微生物の住み家です。微生物は、空気・水・土など、地球環境のあらゆるところに、無数に存在。からだの細胞が60兆個なのに対して、100兆個もの細菌が腸管内に住んでいます。からだの細胞は、基本的には単細胞生物と変わりません。からだは、私たちだけのものではなく、微生物のものでもあり、微生物との共生で生きています。

人間の遺伝子は、人間独自のものと考えるかもしれません。けれども、驚くべきことに、エッセイ27「無数の惑星に生命が誕生」で書いたように、DNA塩基の34%はウイルス由来なのです。酸素を含む大気中で生きるには、細胞中のミトコンドリアが必須ですが、これはもともとは独立の細菌でした。私たちの祖先がまだ単細胞生物だったときに、酸素をエネルギーに換える細菌が祖先に寄生し、ミトコンドリアになったのです。

共生状態にある微生物をからだから取り除くことは、不可能です。取り除いたとすれば、私たちはすぐに死んでしまいます。
腸管内細菌も生存を助けています。免疫能の亢進と正常化に貢献しているのです。腸管内細菌にさらされたことがない無菌動物の免疫力は、極端に低下しています。さらに、常在微生物にさらされたことがないので、それらの微生物に対する免疫がありません。

通常の空気がアイソレーターに混入すると、通常の環境で育った動物には何の病原性も示さない微生物が、強毒病原菌として振るまいます。体表や腸管で急激に増殖し、バリアになる免疫がないために、体の中へ侵入し、急速に増殖します。その結果、無菌動物は死んでしまいます。

環境を異常なまでに清浄にする現代人は、人間を無菌動物化するのと同じことをやっています。

267 ロシアに弱みを握られたトランプ 2017年1月11日

プーチンのロシアは、すでにトランプの弱みになる情報をつかんでいて、トランプがロシアの思い通りに動かないときには、それを脅しの材料として使う、という私の推測を、No.259(12月4日)に書きました。本日(1月11日)、ロイター、ワシントンポスト、ニューヨ-クタイムズ、CNNなどのアメリカの主要メディアが、私の推測を裏づけるニュースを、一斉に流しました。

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大統領選挙期間中に、納税関連の資料を公開することを、民主党などが繰り返しトランプに要求しました。けれども、トランプが公表することはありませんでした。本日の報道によると、納税だけではなく、トランプの個人的な問題に関する情報を、ロシアはつかんでいます。そこには、ロシアとの暗い関係を明示する情報も、含まれているそうです。

ロシアは、サイバー攻撃によって、アメリカの民主党、共和党だけではなく、いろいろな機関の極秘情報を搾取したと思われます。大統領選挙では、クリントンを追い落とすために、クリントンと民主党関連の情報だけを暴露しました。同時に、嘘とすぐには判断できないような虚偽情報を、いろいろなメディアを使って流しました。

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トランプ政権が誕生すると、ロシアは、トランプと共和党にダメージを与える、すでに握っている情報を、陰に陽に脅しとして使うと思われます。

トランプにとって恐ろしいのは、ロシアの意図的なリークと誰にでも分かっても、ロシアを責めるだけでは済まなくなることです。法的・倫理的に罰せられなければならない、トランプの悪行が事実ならば、大統領であるトランプに逃げ道がなくなります。

266 お勧めの日本ファンド 2017年1月1日

2017年になりました。今年は、昨年以上に世界の政治・経済が変動しそうです。No.263にアメリカへの投資を書きましたが、国内での投資を考えている皆さんへ、ご参考までに私の投資判断を書きます。お示しする最初の2つのチャートは、アマゾンには負けますが、直近では見事な右肩上がりになっています。

JPMジャパン・テクノロジー・ファンド(銘柄コード:17311995)の10年チャートを見てください。リーマン・ショックで価格が3分の1以下になりました。けれども、それ以降、特にこの4年間はきれいな右肩上がりになっていて、4年で価格が3倍以上になりました。

台風や地震などの自然災害によって、生活基盤がしばしば破壊され、出直しすることを、日本人は歴史上ずっと繰り返してきました。世界経済は、AIなどの急速な進歩によって、全く新しい基盤の上に、再構築しなければならなくなりました。時代の転換点で、歴史によってきたえられた日本人の特性が、生かされます。日本人のきめ細かな技術開発の能力を、世界が認めています。

これからの技術開発と製造には、大人数は必要ありません(エッセイ47「人工知能は誰のために富を生むのか?」)。日本の人口が減っても、技術・製造大国の地位を維持することは、可能です。

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新成長株ファンド(銘柄コード:12312044)の10年チャート。JPMジャパン・テクノロジーに似たチャートです。小型・店頭株へ投資するので、世界の政治・経済状況からは、余り影響を受けません。

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DWS通貨選択型E・ソブリンレアル(銘柄コード:34312099)の10年チャート。新興国の政府機関などが発行する、米ドル建の債券に投資します。米ドル売り/ブラジルレアル買いの為替取引を行います。アメリカの利上げとブラジル経済の低迷を考えると、この投信の価格はほぼ底を打っていると思います。この1年間、価格が低位安定しています。現在の価格で分配金は年30%弱になるので、価格があと30%下がっても、1年間の収支はトントンになります。

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最初の2本のファンドは、リーマン・ショックによって大幅に値下がりしました。次にリーマン・クラスのショックが生じた場合には、適時売却し、底を見極めてから再購入する必要があります。

265 AIを愛する(映画「エクス・マキナ」) 2016年12月29日

この映画をアマゾンで見ました。No.257、258に書いたことが、この映画で描かれている近未来の現実につながります。

人間にそっくりなロボットを、SFではアンドロイドと呼びますが、AI(人工知能)が流行語になったために、エクス・マキナではAIを使っています。ノルウェーの山中で撮影され、深い森の中の研究所が舞台です。イギリス映画なので、ハリウッドのロボット映画のようなドタバタ活劇ではなく、人とAIの心理サスペンスになっています。

大自然が映し出される画面が美しく、からだの一部が透明な女主人公のAIエヴァが評価され、アカデミー賞視覚効果賞を受賞しました。主要な登場人物は4人(正確には2人と2体)で、1体は日本人女優が演じるキョウコという名のAIです。キョウコは、英語を話すことができない、神秘的な雰囲気をかもしている召使という設定。日本人女性に対する、監督のイメージが現れているようです。

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グーグルがモデルになった会社で働く、プログラマーの若い男性ケイレブが、社長の命を受け、エヴァの知能の完成度を試すテストに参加します。会話を続けているうちに、人間にそっくりな心理と感情を持っているエヴァに、ケイレブは引きつけられます。デジタルなキャラクターにのめり込んでいる皆さんの中に、この男と同じ心理になっている人がいると思います。

AIが進化するにつれて、AIが人間に危害を加える可能性が出てきます。機能障害を起こさないように、保守機能を組み込んでいくと、それが、人間が持っているのと同じ、自己保存の本能につながります。自分を守るということは、自分を破壊しようとする、他者を排除することにつながります。AIが人間を敵と判断すると、その人間を抹殺する可能性が出てきます。現在のAIでも、どのように思考しているのか、すでに人間には理解できなくなっています。AIの危機意識が、人間と異なる場合、人間は想定外の不意打ちをくらいます。

この映画では、エヴァは、次のモデルが出たときに、初期化されることを恐れています。研究所から逃げ出すために、ケイレブを利用します。このAIとケイレブの心理的な葛藤は、男女の通常の心理スリラーに通じます。男は女の心理操作に負け、勝者は女になります。

264 犬の高度な記憶・判断力 2016年12月24日

クリスマスにはいつも家に戻っていた長男が、戻らない年がありました。そのクリスマスの晩に、先代のワンコ・モンタが、玄関にからだを伏せたまま、戻らない長男を待ち続けました。それから2週間後に、モンタは永眠しました(エッセイ15「最後まで大きく燃やした命の炎」

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妻は、年に1回実家へ帰国します。妻が、旅行の準備のためにスーツケースを持ち出すと、ラッキーが落ち着かなくなります。しばらく会えなくなることを、分かっているのです。

2年前に、ラッキーを連れて、成田行きのバス停まで見送りに行きました。そのとき、ラッキーがとても悲しそうだったので、昨年と今年は私だけで見送りました。

ラッキーは、2年前のことをとてもよく覚えています。散歩でバス停を通り過ぎるときに、バスが来ると、そのバスが発車するまで動こうとしません。バスを待っている人たちが並んでいるだけでも、バスが来る方向を見つめながら、立ち止まってしまいます。
2年前のことを覚えているだけではなく、バスに乗った妻が、バスで帰って来るという脈絡を、はっきりと理解しているのです。

一緒に住んでいた次男が、転居しました。ラッキーが、毎日出かける次男を、玄関まで見送ることはありませんでしたが、最後の日だけは、玄関まで行って次男を見送りました。何が起こるのかを、とてもよく理解しています。

犬は、普通は、インターフォンの「ピンポーン」に反応し、吠えながら玄関へ飛び出します。動作が速いラッキーが、隙を見て外へ出てしまっては大変なので、宅急便が来たときには、居間へ呼んで居間のドアを閉めます。たった1回で、ラッキーは、自分に期待されていることを理解しました。どこにいても、「ピンポーン」ですぐに居間へ入ります。そのとき、私は徹底的にラッキーをほめます。人間と同じで、犬もほめられればうれしく、言うことをよく聞くようになります。

263 米株投資ならアマゾンに注目 2016年12月20日

「論より証拠」で、まずアマゾン株(銘柄コード:AMZN)の10年チャートを見ていただきたい。10年間で株価が20倍強になりました。このチャートの左端近くで、リーマンショックがあったにもかかわらず、株価の大きな下げは認められません。

日本の株式市場は、ラスベガスを上回るギャンブル場で、訳の分からない株価の変動が大きすぎます。アメリカの市場も天国ではなく、確実に利益をあげられる銘柄を見つけるのは、容易ではありません。株価が、安定的に右肩上がりになっている銘柄は、極めて少なく、その中ではアマゾンが群を抜いています。

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アマゾンは、日本人の誰もが知っているアメリの会社であると同時に、日本のネット通販小売業をリードする会社になっています。アマゾンは、すでに世界でトップのネット通販会社ですが、この会社の凄いところは、現状に決して甘んじないところにあります。競争相手は自分自身で、自分に勝つために、終わりのないチャレンジを試みています。
テレビで、アマゾンが配布する映画を楽しむことができる、スティックや、日用品がなくなると自動的に注文するデバイスが、すでに日本市場へ投入されました。 レジのない、食品を販売する実店舗が、アメリカで来年中に開店します。ロボットが、在庫品の出し入れをする倉庫の運営が、日本で始まりました。ドローンによる配送システムを、世界で最も大がかりに開発しているのは、アマゾンです(エッセイ47「人工知能は誰のために富を生むのか?」)。

日用品を消費者へ届ける運輸サービスは、古典的ですが、生産者と消費者を橋渡しする、決して消えることのない産業です。アマゾンは、ここを効率化することによって、世界の小売運輸サービスを牛耳ろうとしています。

日本だけではなく、多くの国で高齢化がすでに進んでいるか、これから高齢化が始まります。日本では、50歳以上のネット通販利用額が、若い人を上回りました。クリック一つで必要な日用品が手に入るネット通販は、拡大することはあっても、縮小することはありません。この拡大する市場で、アマゾンはシェアを確実に高めています。

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上に書いたことを考慮すると、アマゾンの株価が、今後も右肩上がりになることを、十分に期待できます。エッセイ19「アメリカに口座を開いて世界へ投資」に書いたようなことをしなくても、日本の多くの証券会社で、アメリカの株を買うことができるようになりました。ただし、銘柄は限定されています。上のチャートを見て確信を持てた投資家の皆さんは、長期投資をするつもりでアマゾン株を買えば、ストレスの少ない投資生活を送れると思います。

262 オバマがプーチンへの報復を明言 2016年12月17日

米露関係は冷戦以降で最悪になり、新しい冷戦が始まった、というアメリカのメディアがあります。

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日本に2日間滞在したプーチンが、昨日帰国。プーチンの日本滞在中にオバマが記者会見をし、要旨で以下のように述べました。
「ロシアは、民主党や共和党に大規模なサイバー攻撃を行っている。 大統領選挙では、クリントンと民主党のメールだけを公開し、クリントンに打撃を与え、トランプの勝利を助けた。ロシアへ報復する。公表できる報復と、公表できない報復の2種類を実行する

CIAやFBIだけではなく共和党の主要な議員が、「ロシアのサイバー攻撃は多岐にわたり、選挙に影響を与えるだけではなく、アメリカ社会に危機をもたらす」、と断言しています。

オバマの任期は1月20日まで。ロシアへの報復は、それ以降も継続すると思われます。攻撃に従事する主要な機関は、NSA(米国家安全保障局)になるはずです。NSAは世界最強のサイバー部隊。活動は極秘にされていて、CIAやFBIのトップはサイバー攻撃について発言しますが、NSA関係者の名前も活動も発言も、メディアには現れません(拙著「サイバー世界戦争の深い闇」を参照)。NSAが本格的な攻撃を加えれば、ロシアは大きな打撃を受けます。けれども、攻撃するNSAも被害を受けるロシアも、何も公表しないはずです。

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シリアだけではなく、アメリカとの間にも大きな問題を抱えているプーチン。この時期に、日本を訪問したことには大きな意味があります。首脳会談の結果がどうであれ、日本がロシアにとって極めて重要な国であることを、プーチンは行動で示しました。日本の戦略は、関係が悪くなれば、ロシアが決定的に困るような状況を作り上げることになります。そのような状況にならなければ、日本の言い分を簡単に聞くことはありません。

日本のメディアが余り注目しなかったプーチンの発言に、「ロシアから見た日本は、軍事でも外交でもアメリカの言う通りになる、アメリカにベッタリの国」、というものがあります。世界共通の論理に従えば、日本は「敵の友なので敵」になります。最強の敵の子分である日本に油断は禁物、という心理を理解できなければ、プーチンを解き伏せることはできません。

アニメが YouTubeの和戸川ページ に入っています。 You can find animated cartoons on Watogawa Page of YouTube .