国の指針では、活断層の上に原発を建設することができません。今までの原発建設の発想は、建設する側の都合に合わせて、完全に逆転していました。原発建設の候補地を決めてから、そこには活断層がない、という理屈を跡づけしていたのです。自然界の多くの現象は、「こうだ」と100%は言い切れません。科学者は、自分が出したい結論に合わせて、事実を選択し、理屈を捏ね上げることができます(自己流演繹)。
原子力規制委員会が、6原発を対象にして活断層の調査をしています。報道されているように、既に敦賀原発と東通原発の直下あるいは真横に、活断層の存在が確認されました。54基の原発の地盤を客観的に調査すれば、多くの原発の直下や周囲に、活断層が見つかると思います。
私の電子本「地震・原発列島」に書いたように、日本列島周辺は、世界で最も地殻変動が激しい地域です。今活断層の痕跡が確認されない土地でも、新しい活断層がいつできても不思議ではありません。このような国が原発を持つことは、いつ爆発するか分からない時限爆弾を抱えているのと同じです。この時限爆弾は、日本を壊滅させるポテンシャルを持っています。
敗戦を含めて、多くの困難が日本を襲いました。経済的な困難を乗り越えるたびに、日本人は工夫をこらして、産業を変革してきました。核兵器のもとになるプルトニウムを産生し、行き場所のない核燃料廃棄物を積み上げる原発は、最終的には世界から除く必要があります。
世界をリードするチャンスを、今日本人はつかんでいます。原発なしでエネルギーが供給される世界を目指して、日本人は多くの工夫を積み重ねていくことができます。
昨日、戦略論が専門の奥山真司さんの講演を聞きました。イギリスで戦略学を学んだ若手研究者です。
戦略の階層には、下から、「技術」、「戦術」、「作戦」、「軍事戦略」、「大戦略」、「政策」、「世界観」とあり、国家にとって最も大事なのは、一番上の「世界観」になります。歴史観などによって培われた、世界における日本の役割を把握していなければ、政治・外交・経済のどの分野においても、日本は世界で存在感を示すことができない、という主張でした。
ここまでは異論がありません。ところが、奥山さんは、日本は世界観を持っていないと考えているばかりか、どのような世界観が日本にふさわしいのかということについて、何もアイディアを持っていないのです。
エッセイ8「日本化する世界」に書いたように、私にとっては、日本が持つべき世界観はとても明瞭です。小さな島国の山間の部落で生活を営んできた日本人は、周囲の人たちとぶつかりあって、社会エネルギーをむだに消費しないために、和の精神を発達させました。この精神が、現代では、「かわいい」という言葉で代表されるような、穏やかなポップカルチャーに凝縮されています。
現在の世界は、日本列島のように小さくなってしまいました。国境がなくなった世界で、アングロサクソンの戦闘力で問題を解決しようとすれば、敵・味方の区別なく、甚大な被害が発生してしまいます。日本人が歴史的に培ってきた和の精神を取り入れなければ、世界は壊滅してしまいます。
日本人は、長い歴史を通して身につけた日本人の心をもって、世界の平和に貢献できるのです。日本がこのような世界観を持つことを、世界は必要としています。
先日、日本のトップの天文学者の講演を聞きました。話題は宇宙論でした。
エッセイ30の前書きに書きましたが、権威のある専門家の多くは、心理的な呪縛にしばられています。その最も大きな理由は、とてもクールに見える専門家も結局は人間なので、人間心理から逃げられないというところにあります。
権威のある専門家は、大学までエリートコースを進みます。大学を卒業すると、名の通った大学の教員になります。この人生の過程で、既存の知識によって立つことが、自分の社会的な地位を不動にすることを、身をもって経験します。その結果、既存の全ての知識を大きく乗り越えて、全く新しい地平線を開くような研究が、できなくなってしまいます。
上の天文学者の講演において、地球外知的生命体探査(SETI=セチ)プロジェクトに関する質問を、私はしました。セチプロジェクトでは、電波望遠鏡などを使って、地球外知的生命が発した電波や光などを、キャッチしようとしています。
私の質問は次のようなものでした。
「宇宙空間は余りにも広大です。人類が発した最初の電波は、まだ100光年先までしか達していません。地球外知的生命が、宇宙で互いに交信をしているならば、電波や光を使うことは考えにくいと思います。より次元の高い空間を移動する重力子のようなものを、交信に使っている可能性があります。人類が誕生してから、わずか600万年しか経っていません。人類よりも数百万年とか数億年とか進化が進んだ知的生命体の交信を、電波や光ではキャッチできないかもしれない、とセチプロジェクトのメンバーは考えないのでしょうか?」
権威は次のように答えました。
「物理の法則は、光速よりも速いものは宇宙に存在しないことを、明確に示しています。この法則は唯一絶対の真理なので、未来永劫にわたって、変更されることは全くありません。宇宙の誕生から死まで、このような物理法則によって、宇宙は存在しているのです」
雲一つない秋晴れの空。公園のいたるところに落ち葉。今日は日曜日です。朝の散歩に少し遅めに出かけました。
ハッチを連れた、散歩の時間がいつも遅い赤ジャンの木村さんに、公園で久しぶりに会いました(エッセイ23)。いつものように、ラッキーはハッチにとても強い興味を示し、サービスのために、「ワオオーン」という滅多に発することのない吠え声を2回。そして、ハッチのまわりを猛烈なスピードで走り始めました。ただし、なぜか警戒心が強くなったために、ハッチとからまりあうことはありませんでした。
気の強いハッチが、闘争体制に入るのを恐れた木村さん。ハッチのリードを伸ばさなかったので、自由を奪われたハッチは少しジタバタ。それでも、尾を振りながらラッキーに尻のにおいをかがせました。
一安心した木村さんが言いました。「犬が尻のにおいをかがせるのは、相手に気を許している証拠です」
私は、木村さんがキムタクのお父さんであることを、全く知らないようなふりをします。気楽な散歩を楽しんでいる木村さんは、有名人のお父さんとして扱われたくはないと思います。木村さんの話はハッチのみに絞られます。「ハッチはネコが大嫌いで、ネコと大げんかをします。ネコにひっかかれたりかまれたりして、血だらけになりながらもネコを追いかけます」
私の反応。「すごいですね。イヌとネコがけんかをしたならば、普通はイヌのほうが負けて逃げますよ」
私がなでると、気持ち良さそうにからだをすり寄せてくるハッチ。木村さんは、「ハッチはイヌやネコに対しては気が強く、とても厳しいのですが、人間には誰にでも人なつこいのです」、と言いました。
ハッチは現在4才半(多分)、体重は9.5キロ。これに対してラッキーは2才8ヶ月令、体重は14キロ。
.....のはずです。
今まで文章の行間にスペースがありませんでした。そのために前の行と次の行が接触してしまい、長い文章を読むのが大変だったと思います。
私のサイトはページ数が多いので、簡単に行間を開けられる方法はないものだろうかと、前から考えていました。ついに見つけました。ウエッブ言語を記述している、各ページの先頭にある<head>と</head>の間に、次の記述を書き加えるだけで、エッセイと小説のページで今皆さんがご覧になっているように、行間を適当に開けることができるのです。
<style type="text/css"> body { line-height: 1.4; } </style>
上の記述で、1.4は1行の40パーセントに相当する空白を行間に開けることを、意味しています。この数字を変えるだけで、行間はどのようにでも開けることができます。
このウエッブ言語技術はスタイルシートといわれるものです。この技術については、少し前にこの「作者の思い」に書きました。
モンタが永眠してから3年になります。居間に置いてある骨壷の前に、今までモンタの写真は飾られていませんでした。モンタの死が余りにも悲しくて、妻がモンタの遺影を見る気にならなかったのです(エッセイ15)。モンタの写真を見ると、悲しみが倍増したのです。
ラッキーが家に来て2年半。完全に家族の一員になりました。妻は、モンタとは、ある程度距離を置くことができるようになりました。そこで、横になったモンタが上目づかいになっている写真を、骨壷の前に飾りました。
妻の感想。「写真のモンタは、実際のモンタとは違うように思えるわ。別のイヌみたい」。
写真に変化はなくても、心の中に存在しているモンタは、次第に変化していきます。思い出の一部分は忘れ去られ、別の部分が大きく成長します。時間が全てをゆっくりと変えていきます。
私の妹は夫を以前に亡くしました。2人の娘は結婚して別居。現在、10数年間飼っているイヌといっしょに、暮らしています。このイヌは、身動きがほとんどできないほどの重病になっています。妹も、人生に意味を与えてくれている異種の伴侶と、間もなく別れることになります。
NASAが、135億年前のビッグバンから、現在までの銀河の盛衰をシミュレートした2分17秒の動画を、公開しました。
星間雲を含めた多数の銀河が、衝突し合体し成長しています。ダイナミックな宇宙の姿が強いインパクトを与えます。
この動画を見たときの最初の印象は、沸騰する湯からの濃い水蒸気、あるいはたき火から立ち上る濃い煙が、渦を巻いている様子に似ている、というものでした。ただし大きな違いがあります。水蒸気や煙には、中心になる渦巻きの核がないのに対して、銀河には重力中心があり、星や星間雲がその核の周辺で一定の形を保つ、ということです。
地球上の水蒸気や煙を動かす基本的な物理・化学の法則は、時間や空間のスケールが違っても、宇宙と共通であることを直感的に理解できます。
この動画をYouTubeで見ることができます< https://www.youtube.com/watch?v=bIOOYp-g56Q >。壮大な宇宙のドラマをぜひご覧ください。
生物学関連の医学・生理学賞を受賞した日本人は、山中氏を入れてまだふたり。生物系の研究をしてきた者としては、さびしいかぎりです。
しかし、山中氏の50才という年令を考えると、この受賞はとても大きな意味を持っています。最初の成果は6年前に得られました。ノーベル賞は、40~50年前の研究成果に対して授与されることが多く、受賞者の多くはかなりな年令になっています。
以前は、新しい理論に対してノーベル賞が与えられることが、しばしばありました。私が日常的に接していた、私のエッセイに登場するバーネットが、その典型的な例です。しかし、最近は新しい技術に対して与えられることが多く、誤解を恐れずにいえば、ノーベル賞は小型化してしまいました。
山中氏の業績も技術的なものですが、その成果は、生命への理解を深くすることに貢献します。臨床医学への応用を考えると、人類に大きな貢献をする可能性があります。ノーベル賞委員会は、そのような基礎科学と応用科学の両方の分野への意味づけを、考えたはずです。
私のエッセイで指摘したように、私たちのからだは、60兆個の単細胞生物の高度な協調ネットワークとして存在している、という言い方ができます。一つひとつの細胞が、一つのからだを作り上げることのできる遺伝情報を、持っています。細胞は、全体の一員として、自らに課せられた仕事だけを果たさなければなりません。能力のほんの一部しか機能しないように、細胞群全体からコントロールを受けています。
そのコントロールをはずしてやれば、どの細胞でも、一つのからだを作り上げる能力を、発揮できるはずです。それが山中氏のiPS細胞です。山中氏は、遺伝子操作によってiPS細胞を作ったので、遺伝子さえコントロールすれば何でもできる、という誤解を生むかもしれません。
しかし、一つの細胞が一つの個体になる過程は、とても複雑かつダイナミックで、遺伝子操作だけではどうにもなりません。細胞内の多様なRNAやタンパク質が重要な役割を果たすと同時に、細胞周囲の環境がその過程に大きな影響を与えます。
上のような理由で、山中氏の研究成果は、生命存在の理解へ迫る可能性があります。しかし、臨床応用には、未知の複雑な因子の影響を知ることが必要になります。
エッセイ27「宇宙の壮大なドラマから生まれた生命」の最後に、地球上の生物に似た生命体が、他の多くの惑星に住んでいる、という私の仮説を書きました。私たちの銀河系だけに限っても、大雑把な計算から、数十億個の惑星に地球型生命体が住んでいる、と結論づけました。全宇宙に、銀河系のような島宇宙が数千億個も存在しています。生命でいっぱいの宇宙。
「ニュートン」11月号に、「必ずある!水と生命の惑星」という記事が載りました。最近急速に進んでいる、地球に似た惑星探索の現状を述べています。
この記事では、太陽にそっくりな恒星の周囲のハビタブルゾーンを公転する地球型惑星の数を、約10億個と推定しています。これは、私たちの銀河系に関する算定結果です。算定基準に私と少し違った数字を使っていますが、結果は似ています。億単位の地球型生命をはぐくむ惑星が、私たちの銀河系宇宙に存在しているという点で、完全に一致しています。
「宇宙に人類のような知的生命体が住んでいるならば、人類はなぜ接触できないのだろうか?」という疑問を、誰でも持ちます。その疑問に対する私なりの解答を、上のエッセイに書きました。
作品に対して反応があると、とてもうれしいものです。
アニメは世界共通語なので、世界中の人たちが私のアニメを理解できます。私は英語のキャプションをアニメに入れており、さらに理解しやすくなっています。YouTubeに投稿したいくつかのアニメに対して、海外から反応があります。
日本のテレビはおふざけだらけなので、私のアニメのお笑い程度では、日本人はそれほど強くは反応しません。ところが、海外には思いがけないほど強く反応する人たちがいます。いくつかをご紹介します。
アニメ8「妊娠5ヵ年」:
Is this? Catchphrase?
<これってキャッチフレーズ?>
WTH(what the hell?)
<信じられない>
アニメ12「大気層の薄いスカンク惑星」:
What.....the........(there are no words to express how weird, jacked up, and horrible/terrible/stupid/Idk WHAT else to add here this video? is........).........
<ななななんだ...(きてれつ、いらつく、不快、ひどい、バカバカしい/このアニメに対して他になんていったらいいの?言葉なし...)...>(作者より:こんなにあきれてくれてありがとう)
アニメ28「チャドルのマハ」:
she naked? WTF(what the fuck)??!!
<裸なの?なぬっ??えっ!!>(作者より:こんなに驚いてくれてありがとう)
どういう反応であれ、作者にとっては無反応よりもずっとありがたい。次の作品を作るときの参考になるからです。ちなみにYouTubeに載せたアニメの中では、アニメ8「妊娠5ヵ年」のヒット数が最も多く、55,000ヒットを超えています。
以前、私は別のウエッブサイトを持っていました。そこにジョークの英語版も載せていました。私は単なるジョークのつもりだったのが、海外から激烈な反応が来て仰天したことがあります。日本のおふざけ番組の多くが、海外ではまともに通用しそうにありません。
この夏の間にやった、もう一つのとてつもなく地味な作業は、私のサイトを記述しているHTML(マークアップ言語)の全面的な見直しでした。この言語を、皆さんはブラウザを使って、派手なレイアウトのサイトとして見ています。
ネット技術は、誰もが改良に参加できることが大きな利点。しかしこれは欠点にもなります。膨大な数のウエッブ・サイトのレイアウトを書き込んでいるHTML言語に、厳密な意味において普遍的な統一性がないのです。
私は、Internet Explorer、Mozilla Firefox、Google Chromeなどの主要なブラウザの最新バージョンを使って、私が私のサイトのために作成したHTMLがどう見えるのかを、チェックしています。全く同じHTML言語で書かれたページの見え方が、これら3つのブラウザでは異なります。同じブラウザでも、バージョンが古くなれば見え方が違ってしまいます。
ブラウザやバージョンによっては、自分が意図したようなレイアウト通りに、最終的にはならない。こういうことを考慮して、見え方の妥協点をどこかで探らなければなりません。
HTMLの機能を一部拡張した言語に、XHTMLがあります。動画ページを書き込むには、HTMLよりもXHTML言語のほうが適しているので、私のサイトでは全面的にXHTMLを使うようにしました。そうはいっても、全体的な記述は、両言語を混ぜ合わせたような形になってしまいます。両言語にはぶつかり合うところがあり、細心の注意を払っても、ページの見え方がおかしくなることがあります。
もう一つの作業は、スタイル・シートの今まで以上の使用でした。スタイル・シートでは、ページの見え方を記述する言語を別ページに書くので、記述に柔軟性が増します。複雑なレイアウトが可能になります。ただし、これを古典的なHTML言語のページが、すでに大変な数になってしまっている私のサイトでやるのは、困難です。作業が余りにも膨大になりすぎるので、完璧になるまではやる気が出ません。徐々にスタイル・シートを取り入れていくことにします。
猛暑がやっと終わりそうです。8~9月は、サイトの更新がほとんどできませんでした。猛暑のせいではありません。表に出ない地味な作業を、膨大な時間をかけてやっていたのです。
それら作業のうちの一つは、今後の長期的な投資環境を客観的にイメージし、ハイリスク・ハイリターンからミドルリスク・ミドルリターンへと、投資戦略を変更することでした。この戦略転換においては、遠くない将来に間違いなく来ると思われる円の暴落への対策が、考慮すべき重要な要素になりました。
海外に置いてある資金はそれだけで円暴落対策になるので、特に問題はありません。国内の資金は為替ヘッジなしのファンドへと力点を移しました。こうすることによって、円高になれば損失が出ても、円安になれば利益が出ることになります。私がかなり広範囲に渡って調べたところでは、一般の投資家は間違いなく為替ヘッジなしのファンドへと、資金投入の力点を移しています。すなわち、多くの投資家が、円安あるいは円の暴落が来ることを、想定に入れ始めたことになります。
投資対象は株式中心のファンドから、債券と不動産(リート)中心のファンドへと方向転換をしました。債券・ファンドやリート・ファンドでは、株式のファンドに比べて、価格の値上がりよりも分配金を重視することになります。
こういう選択に最も適したファンドを、一つだけあげておきます。銀行と証券会社の多くが販売している、フィデリティ・USリートB(為替ヘッジなし)がそれです。リーマン・ショック後にこのファンドの基準価格は低位安定したので、これから価格が大きく変動することはないと思います。毎月の分配金は、この4年間、年平均で20数パーセントになっています。ここまで安定的に利益が確保できるファンドは珍しい。
さらに考慮すべきこと。発動されたばかりのアメリカの景気刺激策QE3は、不動産市場の活性化を狙っています。このファンドの基準価格が上昇する可能性が大きくなりました。
以上の作業の結果をそのうちに書きたいと思います。
将来的には、ノーベル賞を受賞しても不思議ではないフィリップ・ホジキン。そのフィルの人生を決定した日本人の和戸川。Essay 28「天才を育てる楽しみ」を読んでいただいた方は、フィルは親日家に違いないと思うかもしれません。残念ながら、そういう理解はヨーロッパ人の個人主義には通じないのです。
フィルにとっては私は日本人の代表ではなく、和戸川という一個人にすぎません。和戸川を通して、日本人全体に好意を持つなどということはあり得ないのです。
フィルに興味を持ち、一緒に仕事をしたいという希望を示した日本人研究者を何人か、フィルに紹介しました。しかし、フィルの態度はかなり素っ気なかった。フィルは、研究レベルで興味を持てる相手ではなければ、人生の一部にすぎない仕事において、自分から積極的にアプローチをすることはありません。私が紹介した研究者でも、和戸川とそれらの研究者とは全く異なる人々なので、フィルは、私への気持ちを、それらの研究者との関係に反映させることはありません。
日本人に興味を持たないからといって、フィルは白豪主義者ではありません。学生時代にはアジア系の友だちを何人も持っていました。現在も、シンガポールを中心にして、頻繁に行き来しているアジア系の研究者がかなりいます。
少し達観して考察すれば、日本に興味を持たないのは、アジアの中での日本人のエリート意識が引っかかる、ということが理由の一つになっている可能性があります。フィルは、権威に反発する気持ちが強かったために私を指導教員に選び、現在の成功はその気持ちの延長線上にあります。
オリンピックのアーチェリーで、日本女子が初めて団体でメダルを取ったことが、話題になっています。
私は、オーストラリアにいたときに、アーチェリーをやっていたことがあります。各地区にアーチェリー同好会があり、全てがボランティアで運営されています。
アーチェリーの環境は、日本よりもオーストラリアのほうが断然にいい。人気のない芝生に被われた大きな公園で、アーチェリーを快適にできるのです。
テレビで、70メートル先のターゲットは小指に隠れるくらいに小さい、とキャスターが驚いていました。オーストラリアでは、100メートルを超えたところに、ターゲットを作ることがあります。このターゲットは地面に描いた同心円なので、アーチャーは、あの辺りにターゲットがある、という感覚だけで矢を射ることになります。狭い日本でこんなことをやるのは難しい。
オーストラリアがメダルを取れなかったのは、意外でした。競技人口の厚さを考えれば、オーストラリアは世界でもトップ・クラスのアーチェリー大国だからです。
ただし、弓については日本が大国。カーボン・グラファイト製のヤマハの弓を、世界中のアーチャーが普通に使っています。
九州を中心にした西日本が、誰の記憶にもないほどの猛烈な豪雨に、襲われています。日本ばかりか、イギリス、ロシア、アメリカ、オーストラリア、中国などでも、記録的な豪雨が観測されるようになってきました。
その原因には諸説があります。はっきりしていることは、地球が、今や地質史的な環境激変の時代に入った、ということだと思います。一つの気候安定期から、次のそれまでとは異なる気候安定期に移る過程で、異常気象が全地球的に突発することが、考えられます。
このあたりのことをテーマに、小説3「大きな不幸と小さな幸せ」を、4年前に書きました。SFは、未来を予見するために書くものではありませんが、偶然に未来予見になることがあります。
パリのジャパンエキスポは13年前に始まりました。今年は20万人を超える人出でにぎわいました。
ジャパンエキスポで、漫画、Jポップ、コスプレ、武道など、様々な現代日本のポップカルチャーと伝統文化が、紹介されています。民間人が主催していて、政府機関は関係がありません。
入場者は、オタクを超え、一般人に広がっているのが最近の特徴です。普通のフランス人を初めとするヨーロッパ人が、日本のカルチャーにひかれています。やさしさと、繊細な感性に裏打ちされた表現方法が、若者を魅了しています。
フランス文化が、ヨーロッパのみならず、世界に影響を与えていることは、誰でも知っています。そのフランス文化に、日本が大きな影響を与えつつある。このような世界状況を解析する、エッセイ8「世界は日本化する」を、3年前に書きました。このエッセイに書いた通りのことが、世界で進行中です。
日本を中心にした、このような精神状況が、なぜ世界で顕現化しつつあるのかについて、私は上記のエッセイで解析を試みました。世界における私たちの立ち位置を知るために、ぜひこのエッセイをお読みください。これは、日本人のプライドをくすぐる話題、というだけではありません。世界の生き残りに、大きな影響を与える現象になっている、と私は判断しています。
ネット版ウォール・ストリート・ジャーナル(英語版) に、要旨で次の記事が出ています。日本の現在の政治状況が、海外からはどう見えるのかを知るための材料になります。他人の目を通して自分を見ることも、必要です。
<消費税増税は官僚の権力を増大させる。増税は、財務官僚以外にはほとんど利益をもたらさない。
この増税は、財務スキャンダルから人気回復する力を、小沢に与えた。減税と、官僚制度の改革を主張する政党(小沢新党)が日本に誕生することは、いいことだ。経済論争が公に行われるようになり、政治において有権者の選択の幅が広がるからだ。
このようなチャンスが、3年前の小沢が主導した民主党政権樹立時にあったが、その後民主党は、過去の自民党と同じ政策に戻ってしまった。予算を采配する財務省の権力に、選挙で当選しなければならない政治家は逆らいがたい。そのため、民主党は、行政改革と無駄の削減をするという国民に対する約束を、反故にしてしまったのだ。
地方に可能性が出てきた。大阪や名古屋が大きな政府に反対している。消費税増税がこれらの活動を助ける。日本人は、前回の消費税増税が日本経済に大きなダメージを与えたことを、知っているからだ。
小沢に深い官僚不信があることが、小沢を改革の旗手にする。政府の無駄遣いとケインジアン景気刺激策の失敗に対する国民の批判があることが、「小沢チルドレン」を有利にする。
規制緩和などで日本を活性化しなければ、日本はギリシャ化する。
エッセイ27「生き残りのための総力戦」をアップしました。エッセイ26からの、「宇宙の壮大なドラマから生まれた生命」を完結しました。
視野を最大限に広げて、生命の意味を解き明かそうとしたエッセイです。ここまで視野を広げたエッセイや評論は見かけませんから、読んでいただければ、地球という惑星に住む私たちの存在に、悠久の思いを馳せることができると思います。
無理のない自然な思考を展開した結果が、最後の結論になります。宇宙の至るところに存在すると思われる、地球型生命にとって、広大な宇宙空間が、どのような意味を持つのかを考えてみました。
エッセイ中では特に触れませんでしたが、地球上の生物を頻繁に襲う絶滅の原因として、隕石をあげることに抵抗感のある専門家がいます。これらの専門家は、陸地の激変に主要な絶滅の原因を見ます。
月を見てください。無数の隕石孔があります。多くはとても古いと考えられますが、最大のティコは、1億年前という比較的最近作られたことが、アポロ17号によって確認されました。ティコの直径は85キロで、1500キロにも渡って飛散した、噴出物(光条)を地球から観測できます。
月よりも地球のほうがはるかに引力が強いので、今までに降り注いだ隕石の数は、地球のほうがずっと多くなります。しかも、重力がより大きい地球への隕石のインパクトは、月よりも格段に大きくなります。
あばた面になった月に落ちた隕石を超える数が、地球に落下したのですから、絶滅の多くが、隕石落下によって引き金を引かれたことを疑うのは、困難です。
隕石反対論者は、絶滅には比較的長い時間がかかったことを、論拠にしています。しかし、隕石によって食物連鎖の最初のところで生物の減少があった場合、その連鎖の最後のところにある大量絶滅まで、時間がかかるのは当然です。あるいは、海中に落ちた隕石が、植物プランクトンや海草の大量死につながれば、海中と大気中の酸素濃度の低下までに、時間がかかります。
「創作工房」では、エッセイということで、興味のおもむくままに文章を書いています。エッセイということにしたのは、肩がガチガチにこるような文章にはしないという、和戸川の決意表明であります。ところが、実際には、多くのエッセイが評論的になってしまっています。論文の範ちゅうに入りそうな文章まであります。エッセイのテーマによっては、論文に近くなることは止むを得ません。
皆さんの反応から判断をすると、男女関係のやわらかいエッセイを書けば、アクセスが多くなることは間違いありません。そのアイディアは、いくつも頭の中にあります。けれども、私の興味のおもむくままに、つい難しいテーマを選んで書いてしまいます。
読んでおもしろい、誰もが興味を持つエッセイを、間もなく書く予定です。ご期待ください。ただし、その前に何度か、難しいテーマにチャレンジしそうな気配があります。
ソニーは、テレビ事業でもゲーム事業でも苦境におちいっています。「されどソニー」、ソニー製品の質の高さは、微塵も揺らいではいないというお話です。
下に書いた金環日食の写真を、某科学館の掲示板に貼ることを考えました。ところが、私はビデオカメラでしか、金環日食を撮りませんでした。そこで、動画からスナップショットを作ることにしたのです。
最良のスナップを作るために、動画を注意深く見ていて驚きました。金環日食が終わって、次第に大きくなる太陽の右上のところに、なんと黒点が映っていたのです。
レンズについたゴミや雲の切れ端ではないことは、三脚を使わないで金環日食を撮ったおかげで、はっきりしています。手振れのために画面内を動く太陽。それと一緒に、黒点も動いていました。動画を注意深く見ていて、黒点中心の暗部ばかりか、周囲の半暗部も確認できました。さらに、黒点は少なくとも2個、恐らく3個映っていました。
ビデオカメラはハンディキャムHDR-CX180で、典型的なホーム用ビデオカメラです。それが、望遠レンズとフィルターをつけて太陽を撮影したのと同じような動画を、残したのです。
撮影者の私の腕がいいのではなく、ビデオカメラの質が高いので、この動画が撮れたということを、ソニーのために強調しておきます。
今朝、金環食がありました。早朝は曇っていたので、食を見るのは無理だろうと思いました。ところが、食が最大になる、7時半を中心にした7~8時の間に、天候が観測には絶好の状況になったのです。
フィルターを使わなくても、雲を通して金環食がくっきり見えるという、これ以上にはない好条件。私にはピンときました。42倍までズームができる、ビデオカメラで撮影をすればいいと。おかげで、太陽面を月が移動する映像を、雲の装飾つきで記録できました。
不思議なのは、モンタとラッキーについてです。1999年2月16日に、オーストラリアのパースに住んでいました。この日に、私たちが住んでいた地域で、太陽の90%が隠れる部分日食がありました。大きく欠けた太陽の像が木漏れ日になって、寝そべったモンタの体表をまだら模様にしました。その写真が残っています。モンタは当時2才3ヶ月令。
今日の金環食では、太陽が90%程度隠れました。ラッキーの年令は現在2才2ヶ月令。
偶然の一致がこれだけならば、余り不思議ではありません。ところが、エッセイで書いたように、モンターとラッキーの間には、運命の糸といってもいいような、不思議なつながりが他にもあるのです。
本来の職業が科学者である私は、超自然的なできごとを信じません。しかし、偶然の一致がここまで重なると、不思議な気持ちになることを禁じられないのです。
ヨーロッパが、いつ終焉するのか分からない、激動期の真っ只中にあります。投資戦略が適切ならば、こういう激動期は、投資家にとってはチャンスになります。株式の空売りをしたり、空売りファンドを購入する必要はありません。市場の大きなトレンドが右肩下がりという確信を持った場合、株式でもファンドでも損切りをして、資金を確保します。市場が底を打った時点で買い戻せば、損失以上の利益をあげられます。
この戦略では、市場の動きを正しく判断することが、全てになります。
私は、日本、オーストラリア、アメリカに口座を持ち、これらの国で販売されている株式、ETF、ファンドに、まず総スクリーニングをかけます。全部で何万という数になります。さすがに、何万の金融商品を一つひとつ詳しく見ることはできません。まず、地域、業種、リターンなどで、大雑把な網をかけます。最終的に、数百の株式、ETF、ファンドを投資候補にします。
これらの金融商品について、日常的にテクニカルな解析を行います。売買のタイミングを逃がさないためのこの解析には、膨大な時間を割いています。その結果としての売買のアクションは、全てをネットでやっているので、たったいくつかのクリックで済んでしまいます。
プロの投資家やコンピューターを相手に投資をするので、実際のアクションまでに、膨大な努力をすることは止むを得ません。
コンピューターをフル活用して、ヘッジ投資で評価が高かった、JPモルガンが大きな損失を出し、今問題になっています。コンピューターを動かすのは人間であることを忘れると、こういうことになります。コンピューターに、適切な投資戦略は立てられません。
現在、多くの金融商品が値下がりしています。ところが、値動きがとても底堅く、逆に上昇トレンドを維持し続けているものが、あります。世界のリートです。特にアメリカのリートの強さは、特筆に値します。理由はいくつか考えれますが、リーマンショックで大暴落したために、ちょっとやそっとのことでは、回復過程が影響を受けないことがあります。すなわち、上に書いた、暴落時に買っておけば、あとで損失を上回る利益が出る例になります。
キムタクのお父さんと、私の散歩の時間帯は異なります。そのため、このところ木村さんに会ったことがありません。ワンコ仲間の女性が、2~3日前に木村さんに出会いました。以下は彼女の話です。
キムタクの実家ではネコも飼っています。喧嘩っ早いハッチが、先住者のネコとついに真剣勝負をしました。野ネズミをつかまえられるハッチでも、ネコの俊敏さにはかないません。強烈なネコパンチをくらって、シュンとなってしまったそうです。
この女性は、エッセイ23に登場する、イタグレのギンの飼い主です。神経質なところがあって、ラッキーにはおびえ、「ワン、ワン」と吠えるギン。どういうわけか、ハッチには無関心をよそおい、出会うとお互いにそっぽを向くそうです。
ペットの散歩といえば、1~2週間前に、散歩中のカワウソを見ました。このカワウソは、散歩の何たるかをよく心得ていて、リードを持っている飼い主の前を、黙ってまっすぐに歩いていました。ラッキーは、どう対応すればいいのか分からず、とても興味を持ちながらも、黙ったままでカワウソの後を歩きました。
ネット上に、自分のサイトを公開するためにやらなければならないことは、たくさんあります。皆さんが今見ている、「夢工房」の裏の作業現場で、私はただ今奮闘をしています。
まず、サイトの見かけを決定するHTML言語。私は、古いクラシックな言語のみで、サイトの構築を始めました。それを、スタイルシートで置き換えようとしています。スタイルシートにすれば、サイトの色やサイズなどのデザイン構成を、本文とは別の箇所に書くことができます。したがって、デザインを複雑にするときに、全ページに渡って、ややこしいコードを書き込む必要がなくなります。別のところに置いてある、スタイルシートを引用するだけで、済むのです。
ページ数が、すでにとても多くなってしまった私のサイト。これを、基本的な概念が異なる、スタイルシートで置き換えるのは、とても大変です。私は、一部分のみをスタイルシートに置き換えています。これだけでも、全体の整合性を保つのはとても困難です。
サイトの構築が終わると、皆さんに見てもらうために、ネット上に公開します。この公開法の改善もおこなっています。
自分のサイトを、検索エンジンに登録するだけでは不十分。サイトの全体像がすぐに見て取れ、更新したページがよく分かる、サイトマップやrssなどのファイルを作ることになります。ピングという、更新を自動的に知らせるための設定も、やらなければなりません。
誰でも、自分の自由なアイディアを使って、インターネットの機能の一部を担うことができます。誰もが参加できるのが、インターネットの長所ですが、これは同時に短所にもなります。ソフトやコードに、普遍的な基準がなくなってしまう。あちらこちらで整合性が取れなくなり、結果としていろいろな不都合が生じます。それを自覚し、自分の判断で問題を乗り越えることが、一人ひとりのウエッブクリエイターには必要になります。
敦賀原発の炉の真下に活断層がある可能性を、専門家が本日明らかにしました。この調査結果を知って、マスコミが騒いでいます。これは驚くべきことではありません。世界で最も地殻変動が激しい地帯にある、日本列島。それなりの調査をすれば、活断層はどこにでも見つかると思います。
原発の議論は、次の一点に絞って結論を出すことができます。
原発が全て止まれば、真夏に電力不足になる可能性がある。逆に、原発が全て動いていれば、やがて大事故が発生する可能性がある。
両方のマイナスが発生する確率を、正確に計算することはできません。とても大雑把に、次のように仮定してみたい。2000年並みの酷暑になれば、電力不足になるということなので、原発がなければ、2年に一度は、真夏に電力が不足する。一方、原発の商業運転を始めてから、50年ほどで福島の事故が起こったので、これからも原発を稼動させていれば、大事故が50年に一回は発生する。
国民は、以上のあり得る状況を考慮し、全てのプラス、マイナスをバランスにかけた上で、どうすればいいのかを判断すべきではないでしょうか?
「現実化する可能性がある」のではなく、「確実に現実のものになる」危機が、日本には少なくとも二つあります。
一つは原発。津波ばかりがはやしたてられ、津波対策ができれば、原発の再稼動をしてもいい、という議論ばかりが目立ちます。直下型地震の恐ろしさが、問題にされていない。原発が立っているが地面が崩壊すれば、原発は決定的な損傷を受けます。福島第一では、震源から遠く離れていたにもかかわらず、津波が来る前に、外部から電力を供給するための送電網が破壊され、原発の諸機能にも大きなダメージがあったと、いわれています。このあたりのことは、拙著「地震・原発列島」に書きました。
大飯原発などが立地する、原発銀座の敦賀半島周辺は活断層の巣。この地域で、直下型地震が間違いなく発生します。チェルノブイリでは、350キロ以内が、放射能高濃度汚染地帯になっています。敦賀で大きな原発事故があれば、日本は壊滅します。
今すぐ原発を全面停止させるのではなく、全面停止までに5~10年をかけることには、それなりの意味があります。ただし、最も危険な地帯にある原発は、ただちに停止させなければなりません。
もう一つは人口問題。昨年、26万人と、人口が今までで最大の減少をしました。エッセイ24にも書きましたが、若い女性を中心にした、若者の海外流出が増えています。これが、今後さらに人口減少を加速させる、原因の一つになります。
民主党の子育て支援には、いろいろな批判があります。けれども、人口減少を止めるためには、あらゆる手段を講じなければなりません。原発は、建設する前から、地元対策などに膨大な予算を投入。核燃料廃棄物の最終処理までにかかる費用は、計算が困難です。さらに事故が起これば、その処理にかかる経費は、計算ができないほど膨大になります。そして、まだ続けている田舎の高速道路やダムの建設。この種の予算を全て止めてでも、子育てに回さなければ、国の最も基本的な財産である人の活力が、確実に失われていきます。
中国をはじめとする、アジア諸国の人口減少が始まり、若年労働者の獲得合戦は、世界的に広がります。賃金が確実に低下を続けている日本から、日本人が、海外へ仕事を求めて出て行くようになります。
進化というと、普通は生物の進化を考えます。
視点をもっと大きく取ってみます。私たちは、今どのようにして、ここに存在しているのかという、ちょっと哲学的な疑問に答えるときに、進化を考えると、視界が突然に広がります。
まず、この宇宙が誕生するビッグ・バンの前にある、次元の進化を考える必要があります。ビッグ・バン後に絞っても、エネルギーの渦から水素原子が生まれ、燃える星の中で、宇宙に存在する全ての原子が誕生する、原子進化を考えなければなりません。
原子は宇宙空間で、生命のもとになるいろいろな分子へと、進化します。そこには水、アミノ酸、核酸を含みます。やがて惑星上に生物が誕生し、人類のような地球型炭素系生物が、繁栄することになります。
進化をこのように大きくとらえると、宇宙には、地球型生命がみちあふれているという結論が、自然に出てきます。
以上のような話を、今月、某所でします。私のメッセージはとても単純なので、聞いている皆さんは理解してくれると思います。
今朝は、久しぶりによく晴れた暖かい朝でした。ラッキーと一緒の散歩。なんとなく浮き浮き。
小さい犬を連れた女性が、前方を歩いていました。犬にしては耳が大きく、歩き方がぎこちない、という感じを受けました。女性の前方を歩いていたその動物が、よく見える距離に近づき、驚きました。犬ではなくウサギだったのです。リードなしで女性の先を歩きながら、柔らかい草が伸びているところへ来ると、新鮮なサラダをほおばっていました。
ラッキーは、ネコや鳥に近づくとかなり興奮します。しかし、見慣れないウサギには、どう対処していいのか分からず、近づこうとも離れようともしませんでした。ウサギに対する、ラッキーの反応を実験する気にはならなかったので、それ以上は近づきませんでした。
ネコや小鳥を連れて散歩している人は、時々見かけます。カメを散歩させている人を見た、という噂を聞きました。さすがに、ヘビやワニを連れている人は、まだ見たことがありません。
KAGAYAさんのトークショーへ行ってきました。KAGAYAさんは、世界中でヒットしたCGアニメ「銀河鉄道の夜」や、「宇宙直線」、「Twinkle World」などの作品で有名です。
まだ40代ということもあって、コンピューターの前に坐っているだけのCGクリエイターでは、ありません。皆既日食の観察のために南極大陸へ出かけるなど、世界中を歩き回っているのです。私は、プラネタリウムで開かれたKAGAYAさんのトークショーへ行ってきましたが、こんなトークショーを各地で催すことも、行動派の証といえます。
私は、オーストラリアで皆既日食を見たことがあります。皆既日食の話に熱が入るKAGAYAさんを見て、私自身の体験を懐かしく思い出しました。
トークショーのあとで、最新作「スターリーテイルズ」を見ました。とても美しい作品です。
絵とアニメの主要な部分は、女性のTakakiさんと、たった二人で制作しているそうです。
アニメ制作の大変さは、私がよく知っています。KAGAYAさんは、1本の作品を制作するのに2~3年はかかると、言っていました。趣味で、時間を見つけてはアニメ創作をやっている私は、合計すれば1時間半以上の長さになるアニメを、4年をかけて一人で作ったことになります。アニメの長さだけをいえば、アマの私が、プロ並みの仕事をやったことになります。質もプロ並みになることを目指して、努力を続けています。
昨年3月11日に、1才になったばかりのラッキーの去勢手術を行いました。ペット・クリニックは、ラッキーの手術を午後一番に入れました。手術開始は午後1時30分でした。そして手術直後の2時46分に、東北地方太平洋沖地震が発生。ラッキーの手術は終了していましたが、麻酔からまだ完全には醒めていませんでした。その意味で、とても「ラッキー」だったのです。
ペット・クリニックの入り口周辺の舗装道路は液状化し、液状の土砂がクリニックの中にまで入り込んでいました。
先日クリニックへ行ったときに、獣医師が、「ラッキーくんを見ると、あの日のことをまざまざと思い出します」と、言いました。地震が手術中ではなかったことで、獣医師も安堵したと思います。
私は、確定申告書を自分で作っています。とても面倒な作業をして書いた申告書を、e-Taxで送付しました。やれやれ。
税収不足や個人資産の海外逃避を受けて、税務署は個人の海外所得に目を光らせています。意図的な所得隠し、あるいは知らずにやっている所得隠しには、税務署の厳しいチェックが入ります。
海外所得の確定申告書作りは難しい。普通の税理士は敬遠します。海外所得の確定申告書作りができる税理士の数は、とても少ない。従って手数料が高くなります。税理士に頼まなければ、会計年度や年間取引報告書の違いなどから、海外の年間取引報告書を確定申告の計算には使えないので、ややこしい損益の計算を自分でやらなければなりません。
2010年にAファンドを1000口買ったとします。同年度内に、400口を売ったあとで700口を買い足すと、手持ちは1300口。この口数から、2011年に800口を売ったときの損益計算は?
売却した800口の買値の計算を総平均法でやると、面倒になります。2010年の売買3回後に残った1300口について、1口当たりの平均買値を計算しなければなりません。これを売買した全てのファンドと株式についてやるのは、考えただけでもウンザリします。私は、先に買った口数から順に売るという、先入先出法で計算をしています。この場合、2011年に売った800口の買値は、2010年に買った1000口の1口当たり買値になります。
海外の口座の中だけで売買をすれば、円には交換をしません。ところが、確定申告では円換算での計算が必要になります。海外損益の計算に、為替レートが大きな影響を与える。ファンドを買ったときには、ドルを買ったという想定になり、買値(TTS)を使います。ファンドを売れば、ドルを売ったという想定で、売値(TTB)のレートを使います。
ここまで書けば、ピンと来る人にはピンと来る。レート上買値は高く売値は安くなり、円換算では、利益が常に2~3%減ることになってしまうのです。即ち、利益が出ても税金が少なくなるという、利点が生まれます。
昨年は円高が進みました。計算上、1ドル110円台で買ったファンドを、80円台で売るというケースが、数多くありました。即ち、円換算では利益が約30%も減ったことになります。ドルでは利益が出ているのに、確定申告上は損失が出たことになったのです。
ただし、円安が進むと話は逆になります。ドルでは損失が出ていても、円では利益が出たことになってしまい、税金を払うことになります。
売買時点での為替レートを使うと、レートは毎日変わるので、計算が面倒になります。銀行が公開している年平均のレートを使えば、計算はやや簡単になります。
今月末に、某所で投資の話をします。私の経験から割り出した、個人投資家の実践(実戦)投資戦略・戦術に関する話です。
メディアは、ユーロ危機の延長線上に恐慌がある、というような見方を紹介しています。しかし、いろいろな指標は、投資家が、株価上昇を見越して、既に動き出していることを示しています。投資家心理を示すVIX恐怖指数は、歴史的に見ても、とても低い水準に達しました。投資家が、リスク投資に自信を持ってきたのです。ROCやRSIのような株価のテクニカル指標は、水準を切り上げています。これは、資金が株式へ入っていることを示しています。
投資家は、先を読めないことを最も嫌います。ユーロ危機の未来は、良くも悪くも読めるようになったことが、投資家心理の改善に役立っていると思います。
EUにおいては、圧倒的に余裕のあるドイツが、EUの債務危機を解消するために、自らの身を切らないことが問題だ、という指摘があります。しかし、別の読み方をすれば、危機が本当に深刻になったときに、ドイツは危機を救う力をまだ残していると、判断できます。
現状を維持した場合に、今後起こり得る、EUの危機が想定できるようになった上に、余裕を残しているドイツが存在していることが、投資家の心理を改善したのです。その結果、投資資金が株式市場に入り出しました。
上記の指標や株価は、昨年の10月前後に底を打ちました。これに伴って、先進国や新興国の株価が上昇し始めました。
私の話は、偶然にもとても良いタイミングになりました。上昇トレンドが明確になったときが、個人投資家には投資のベスト・タイミングになるからです。
アニメ45を見るのに必要な時間は、たった3分10秒です。ところが、このアニメを作るために膨大な時間を費やしました。絵の数が、とても多かったからです。
私の初期のアニメと最新のアニメ45を見比べても、皆さんは余り大きな違いを認めないかもしれません。ところがクリエイターとしては、技術的に大きな違いがあると言わざるを得ません。
絵では、輪郭に違いがあります。背景の前で人物を動かす場合、人物だけを透明な画面に描きます。その人物の輪郭線をきれいにすることに、意外な苦労があるのです。また腕を動かす場合には、人物のからだが背景になります。動く腕の影を、停止しているからだの影に一致させることは、絵の数を最小限にしているFlashアニメでは、ほぼ不可能になります。アニメ45を見て、それは容易に理解できると思います。不完全ながらも、努力をしていることは分かってもらえると思います。
私が使っている、Flashアニメ制作ソフトのWebアニメーションでは、サウンドをflvフォーマットにしなければなりません。そうしなければ、アニメで絵と一緒にサウンドを停止させることができません。即ち、サウンドがコントロールできなくなるのです。
flvフォーマットはビデオのサウンドなので、サウンドをビデオ化することになります。BGの原曲はmidiフォーマットで、flvフォーマットにするために、4つもの音楽と映像のソフトを使っています。こんなところでも時間がかかります。
flv化(ビデオ化)したサウンドは、上のFlashアニメ制作ソフトでは、アニメの特定の箇所に一つしか入れられないので、flv化したBGとflv化した人の声を、同じ箇所に入れることができません。従って声は、コントロールができないmp3などのフォーマットにすることになります。
絵とアニメは3D化すれば、画面に奥行きが広がるばかりか、人の動きが自然かつスム-スになります。しかし、アニメの3D化には、勉強のために膨大な時間がかかります。
努力すること自体が楽しい趣味でもなければ、こんな作業はできませんね。
M9クラスの巨大地震発生を想定外とした地震専門家。今テレビなどで、弁解をしています。
私は、地震専門家の想像力の欠如に愕然としました。地質学を地球規模の視野で見ていたならば、日本列島周辺で巨大地震が発生することは、間違いなく想定内になりました。ここ100年ほど、日本列島周辺で巨大地震が発生しなかったことは、むしろ不思議だったのです。このことを、私の電子本「地震・原発列島」に詳しく書きました。
研究者は、過去の実験結果を含むいろいろな情報を積み上げて、今後起こりえることを予想します。別の言葉でいえば、過去・現在・未来に渡って普遍的に生じる事象を、目に見える形で表現します。
研究者にとって、想像力は創造力を意味します。想像する力、すなわち創造する力のない研究者は、場合によっては社会にとって危険になります。これから人間社会の内部や周辺で起こりえることを、間違って予想するからです。深刻な事態が発生しても、対応が事前に取られていなかったり、間違った対応が取られていたならば、社会に大きな損失をもたらします。地震学・医学のような自然科学ばかりか、経済学・政治学のような社会科学の分野でも、同じことがいえます。
地震の専門家は、地震理論の修正が必要といっています。必要なのは理論の修正ではなく、思考の仕方を変えることです。それが分からなければ、想定外の自体が発生するたびに、理論を変えなければならなくなります。単なる理論の修正ばかりか、社会に膨大なコストをもたらすことになります。
川向こうにキムタクの実家があります。その実家の近所に住んでいる、おしゃべりなワンコ仲間の女性から、次のような情報を入手しました。
キムタクの実家で、黒いラブラドールレトリバーを飼っていましたが、死んでしまいました。キムタクのお父さんは、犬の命を一つでも助けたいと、次の犬は保健所からもらってきたそうです。白黒ぶちの、ラッキーのようにスリムな雑種犬です。名前はハッチ。みなしごハッチから取った名前のようです。
上記の女性もキムタクのお父さんも、川を越えて私たちの街の公園へ散歩にやってきます。そこで、私のエッセイに登場する、誰にでもなつっこい白柴のサポと、早速トラブル。体力のあるハッチに圧倒されて、以後サポはハッチを見ると逃げてしまうそうです。
ハッチは走らせればとても速そうな犬。そのうちに、ラッキーとお手合わせをお願いしたいものです。ラッキーは、体力のあるちょっと生意気な犬が大好きです。
私のような一般人は、ワンコ仲間から、「ラッキーのお父さん」と、犬と同じレベルで呼ばれています。顔がキムタクによく似ているキムタクのお父さんは、「キムタクのお父さん」と、人間それも有名人と同じレベルで呼ばれるのです。
先日、学生に話をしました。そこで、上のタイトルを強調しました。
暴力(武力)で勝った側に正義があり、勝者を善とするアングロサクソン。コーランが生活の全てを規定し、コーランは法であり倫理であるとするモスレム。両者の血なまぐさい戦いが、過去から未来へとずっと続いていきます。この戦いを終焉させる方法を誰も知りません。
人の動きも、情報の流れも、経済活動も、全てがボーダーレス化した現代。世界中を怨念の戦いの渦に巻き込むことの危険性は、「テロとの戦い」なるものによって明らかになりました。核兵器の使用などで、世界が破滅する可能性があります。
世界はとても小さくなりました。小さい世界における生き方を知っているのは、日本人です。小さな島国の山間僻地で、先祖代々生活をしてきた日本人は、隣人と平和に生活する術を学びました。何かがあると、まず「すみません」と言ってしまいます。日本人の穏やかな心が反映されたアニメやコスプレは、戦いにうんざりした世界中の若者を惹きつけます。
学生には、「将来皆さんがメディア関連の仕事について、皆さんの仕事の結果が、世界中に発信されるようになったときには、常に日本人の心を制作の基盤に置いてください」と、言いました。
エッセイ8「世界は日本化する」を参照してください。
クリスマスが近づいてきました。これから正月まで、モンタの思い出がとても鮮烈によみがえります(モンタのエッセイを参照してください)。
1月7日に3回忌(2年目の命日)を迎えます。モンタは今でも家の中や公園にいて、私たちはモンタを感じることができます。妻は悲しすぎるといって、モンタの写真を遺骨の前に飾ることがありません。モンタのビデオを見ることもできません。
クリスマスツリーを飾っているときでした。モンタの死後に、私がモンタのために小樽から買ってきたオルゴールを聞き、妻は涙ぐんでいました。ツリーは、今モンタの骨壷のそばに立っています。
ペットロス症候群について、私の電子本「人間として生きた犬の心」に書きました。クリスマスから正月にかけてのこの時期に、この本を書いたならば、ペットロスの悲しみの描写は、間違いなくより深くなります。この悲しみには底がないのです。
今、そばにラッキーがいます。ラッキーもとてもかわいい。けれどもモンタの死が、ラッキーで癒されることはありません。モンタはモンタ、ラッキーはラッキー。二つの命はお互いに重なりません。ラッキーが亡くなれば再びペットロス。その覚悟をしていても、現実が覚悟を超えるものになることは、間違いありません。
下のコメント52に書いたことが、急速に現実化しつつあります。コメントを書いたあとに、東電が二つの発表をしました。
11月30日 「1号機の原子炉圧力容器内から、格納容器の底にほぼ全ての核燃料が落ち、コンクリートの床を65センチ溶かしたと、推定される」
12月4日 「汚染水処理装置から大量の汚染水が漏れ、一部はコンクリートのひび割れを通って、建物の外へ流出した。海へ流れ出た可能性がある」
東電は、圧力容器や格納容器の温度を指標に、原子炉の冷温停止を判断します。ところが、核燃料は、既にこの本体部分には存在していないのです。底のコンクリート中に貯まった核燃料の温度が、最も大きな問題になる。特に、核燃料塊底部のコンクリートと接触している箇所が、クリティカルになります。ここの温度が高ければ、コンクリートの劣化は急速に進み、核燃料はさらに下へ落ちていきます。この箇所の温度を東電は測定できません。
東電は再び、「今は大丈夫。まだ大丈夫」という説明を付け加えました。事故発生時から同じ説明を繰り返し、説明とは逆に状況はどんどん悪くなりました。最悪の事態を想定し、それを現実化させないために、今どのような対策を取るのかを、説明しなければなりません。勿論説明だけではなく、実行することが必要です。
これでは、国民の疑心暗鬼が消えることは決してありません。
昨日、福島第一原発が報道陣に初めて公開されました。水素爆発によって破壊された、原子炉建屋の崩壊が進んでいるという印象を、報道陣は持ったようです。
政府や東電は、今年中に炉を冷温停止に持っていき、30年で完全に廃炉にする(更地にする)と述べています。
核燃料廃棄について、私の電子本「地震・原発列島」に詳しく書きました。全ての作業が、完全にコントロールされている通常の廃棄についても、不明なところがたくさんあります。廃棄核燃料はガラス固化体にし、少量ずつキャニスターに入れる。ところが、ウランが主体の廃棄物中で継続する核反応を、正確に知ることはできません。核反応によって熱も産生されます。
福島第一においては、全くコントロールされていない燃料中の核反応が、今後何十年も続きます。そこには、チェルノブイリの残存核燃料を遥かに超える量の燃料(恐らく、少なくとも数十倍)が存在します。
既に、ひび割れなどのダメージを受けている原子炉。核反応によって、高温には至らなくても、熱は産生され続けます。放射線が構造物を劣化させます。海水に含まれる塩分が、金属やコンクリートの腐食を加速させます。海水はひび割れに入っていくので、表面ばかりではなく、構造物の中心でも腐食は急速に進む。
現状がどうこうという議論ばかりを見かけます。しかし、時の流れとともに進む劣化を考えると、全ての状況が急速に悪化すると考えなければならない。これを「想定外」ということは、もはや許されません。残存核燃料の量は膨大なので、以上のことを100%「想定内」にしなければ、福島第一は日本に更なる危機をもたらします。
先日、原発問題を担当している、民主党議員の講演を聞きました。既に、日本中に貯まっている膨大な量の核燃料廃棄物に、稼働している原発から更に高放射性廃棄物が積み上げられます。最終処分場が未定な現状を考えた上で、どのような対策を考えているのかを質問しました。
「細野大臣が十字架を背負っています」という答えがありました。
十字架を背負っているのは日本人と人類です。日本人は、原発の廃炉と核燃料廃棄物の処分から生み出される困難な問題の解決に、技術的に貢献する道を探ったほうがいい。
たった一人のクリエーターが、アニメ、イラスト、小説、エッセイを創作しているなどということは、なかなか信じられないと思います。けれども、猛烈な集中力を発揮すれば、できないことではありません。
これらの作品を、一つのウエッブ・サイトにまとめて載せてしまうと、バカバカしいほどの努力に見合った結果は得られません。苦労が報われないのです。
アニメとイラストのサイト、小説のサイト、エッセイのサイトと、3つに分けたほうが、検索エンジンへの登録が容易になるばかりではなく、合計のアクセス数が今よりも増えることは、間違いありません。
以前、エッセイのサイトと一こま漫画・小説のサイトを、別々に持っていたことがあります。サイトが専門化していると、検索エンジンへの登録が容易なばかりではなく、合計のアクセス数が、一つのサイトに全ての作品を集めた場合よりも、間違いなく増えます。
けれども、今のサイトを3つに分けるには、それなりの努力を必要とします。3つのサイトを、別々に検索エンジンに登録するとなると、登録のために、今よりもはるかに多くの労力を必要とします。全体としてアクセス数を増やすためには、そうやったほうがいいことは分かっていても、膨大な努力を考えるとやる気が起こりません。
アクセスをした皆さんが作品を気に入った場合、宣伝をしていただければ助かります。
ローレンツが「ソロモンの指輪」に、カラスの順位について、次のように書いています。
仲間のカラスが争っていると、最も順位の高いカラスが間に割り込む。そのカラスは、争っている2羽のカラスのうちの、より順位の高いほうを攻撃する。そのおかげで、順位の低いカラスの生存が可能になる。
エッセイ23に、争っている2頭の犬の間に、ラッキーが何度か割り込んだ話を書きました。カラスとは違って、ラッキーは、争っている犬のどちらの側にも立ちませんでした。ただ争いを止めただけです。
人間も、争っている二人の間に誰かが割り込んで、争いを止めさせることがあります。割り込む仲裁者は、何のリターンも考えずに、ただ純粋に争いを鎮めることだけを願っているかもしれません。けれども、会社などには、自分の職務上の義務と考えて行動をする仲裁者や、どちらの側に立てば、社内における自分の立場が有利になるのかを考えて、行動する仲裁者がいます。
いろいろな動物の社会行動を比較すると、「目からうろこ」になる場合があります。
某会合で、出席者のおじさんが、うれしそうにこんなことを言いました。
「最近の女子大生は、卒業後は専業主婦になることを、希望しています。安定志向なのですね。いいことです」
それに対する私のコメント。
「最近の若い男性は、自分の収入だけで一家の生計を支えることに、自信をなくしています。できれば共稼ぎ、あるいは奥さんに外で働いてもらって、自分は専業主夫になることを希望している男性も、います」
この世間話は、偶然にも、日本の若者を取り囲む時代状況を、鋭く指摘することになりました。上記の女性と男性が出会っても、結婚に至ることはとても難しい。男女の間のこの意識のギャップは、若者にはどうしようもない、この国の現状を反映しているからです。
これは、日本を大きく変えるインパクトになります。高度成長期の男性のように、家庭をかえりみないで、必死に働くことがいいわけではない。男女が一緒になって、仕事も家庭も動かすのが当たり前の、普通の社会に変わっていきます。
11年基準地価が発表されました。東京以東の地価下落がより大きくなったのに対して、名古屋以西の地価には持ち直しの気配がある。
大震災後に、本社や支社を西へ移す企業が増えました。私の住む東京の東側の街の高層マンションの最上階が、大震災後に空になりました。某外資系企業が西へ移動したのに伴って、外国人社員も引っ越してしまったのです。
人間は不思議な行動をする動物です。静岡から九州にかけての太平洋側では、3つあるいは4つが連動する、巨大地震の発生が「想定内」になっています。これから巨大地震が発生する可能性がある地方へ、わざわざ移動することの意味が分かりません。
巨大地震が怖いならば、逆に東京以東の東北や北海道へ引っ越したほうがいい。この地方では、今後何百年間か、巨大地震は発生しない可能性が大きいのです。
未来を見ているようで、実は過去しか見ていない。それが普通ということのようです。
投資も同じです。株価がバブルの頂点に達しても、上昇はまだ続くと考える投資家がとても多く、わざわざバブルの頂点で株を買い進んで大損をします。逆に、バブルが破裂して株価が底を打ったときには、まだ株は値下がりすると思って、買い進むことはありません。
人間は、いつになっても、過去の体験から学ぶことが難しいようです。
モーフィングという技術があります。異なる絵を2枚用意し、2枚の絵の間の絵を、コンピュータで自動的に描きます。ネコの顔が人の顔に変貌するような場面で、使われます。私は、この技術を以前から使っていました。ただし、効果的に使うことはできません。私は、横向きの顔が正面を向くような場面で、モーフィングを使いたい。これが難しい。横向きのときに見えない目が、正面を向くと見えるようになる。無から有への変貌を、コンピュータには描けません。
今は、3Dを使うことを考えています。これにも問題がある。私はペイントソフトで、手描きのような描画をやっています。手描きの絵の感じを、3D描画でうまく出せるかどうか。3Dを現在勉強中。うまくいけば、次のアニメで使えるかもしれません。
人のいろいろな全身運動を、3Dとモーフィングの組み合わせでアニメ化することが、目標です。
私の電子本「地震・原発列島」は、7月28日に販売を開始しました。その本の中で、文科省が毎日新聞紙上で公開している、各地の放射線量のモニタリングの問題を、指摘しました。新聞発表によると、福島市以外の市町村では、生活圏に入る、地上1メートルの高さでもモニタリングをやっているのに対し、福島市だけは、2.5~80メートルの高さでしか、モニタリングをやっていなかったのです(紙上では正確な高さは分からない)。地表に近いほど放射線量は多くなります。
新聞紙上に公開されている市町村の中では、放射線量が最も多い福島市だけが、なぜ生活圏内でモニタリングをやらないのか?新聞を見ている、誰もが感じた疑問だと思います。
文科省の関係者が、私の本を読んだとは思いませんが、8月23日から、地上1メートルの高さでのモニタリングの結果も、公表されるようになりました。
他の市町村にはなくても、放射線量が最も多い福島市には、地上1メートルの高さに、モニタリングポストがなければならなかった。以前から、1メートルの高さでのモニタリングをやっていながら、放射線量がある程度少なくなるまで、文科省は発表を控えていたのではないか?それ以外には考えられません。
その1:
ラッキーのエッセイにイヌの首輪が出てきます。首輪の種類を知らないイヌの飼い主がいるので、説明を付け加えます。
まず普通の首輪があります。ズボンのベルトと同じように、穴の位置で、イヌの首の太さに合わせます。チョーク(choke=首を絞めること)という恐ろしい名前の首輪は、イヌの動きをコントロールするために使います。鎖だけでできているフルチョークは、先端の大きな鎖の輪に鎖の末端を通し、イヌの首にかけて、首を強く締め付けることができます。ハーフチョークの半分はベルトになっていて、そこが首に当たるので、フルチョークほどは首を締め付けません。
ハーネスは首をほとんど絞め付けません。幅の広い1本のベルトが、肩の上で2本に分かれます。1本は首の根本で輪になり、もう1本は、胸の周囲を被う形で輪になります。イヌにはとても楽。その分飼い主にはつらくなります。イヌの首の動きをコントロールできないので、イヌは自分が興味を持つほうへ、勝手に動いてしまうのです。
その2:
私が主に使っているペイントソフトは、PictBearです。現在、より高機能のGIMPを勉強中。これから作るアニメの画風が、今までのものと違っていれば、GIMPの貢献が大きいことになります。
久しぶりにラッキーのことを書きました。下書きが長くなりすぎたので、二つのエッセイに分けることにしました。
今回は、バセンジーの独特な体質と気質に触れながら、飼うときに注意しておいたほうがいい点を、強調しました。基本は、生物としての人間とイヌの関わり合いなので、まず心を通わせあうことが大事になります。
次のエッセイでは、ワンコどうしの関わり合い、すなわちイヌの社会生活に的を絞ります。
2冊目の電子本「地震・原発列島」を書くのに、時間をたくさん取られました。新しい作品を、やっとこのサイトにアップ。「終わりなき夏」の第2章「謎の女との出会い」です。
HPの紹介で、「小説は、ユーモアがかった短い作品を多くするつもりです。」と、書いています。「終わりなき夏」はこのコメントに反して、やや長い、状況設定が深刻な小説です。このような破滅小説は、SFの一分野になっているので、ハードSFといってもいいと思います。日本を含めて世界の状況が怪しいので、破滅小説には出番があります。
メルボルン滞在中に、「終わりなき夏」の第1章に相当する部分を英語で書き、メルボルンの雑誌に載せました。小説の背景の白黒画像は、その雑誌に載せたこの小説の最初のページです。
電子本「人間として生きた犬の心」を、でじたる書房、パブー、DL-MARKETから売り出しました。
電子書籍をつくるときには、いくつもあるファイル形式の中から、自分の好みにあったものを選ばなければなりません。ファイル形式が統一されていれば、パソコンでもiPadのようなビューワでも、どのハードを使っても同じファイルを読むことができます。しかし、ファイルはまだ統一されていません。
現在、応用範囲が最も広いのはePubというファイル形式です。これは、ウエッブ・ページと同じXHTMLなので、ホーム・ページを作ったことのある人には、容易に理解できるファイル形式です。無料でダウン・ロードできる、SIGILがePub作成ソフトです。ePubは、ページのレイアウトを複雑にはできず、デザインが単調になってしまうのが欠点。
PDFは、ネットで文書を読むときには、誰もがお世話になるファイル形式です。ページのレイアウトを複雑にできるので、デザイン重視の本を作るのに向いています。有料のPDF作成ソフトがありますが、最初から最後まで、無料のソフトでPDFファイルの作成は可能です。
無料なのに汎用性の高い、OpenOfficeがそれです。とても高機能で、MicrosoftOfficeでできることは何でもできます。まずOpenOfficeのWriter(MicrosoftOfficeのWordに相当)を使って、各ページを作成します。絵や写真の配置、フォントのデザインなど、ここで作ったページのレイアウトは、PDFの本に正確に反映されます。
ファイル作成時に、大事な注意事項があります。見出し1(SIGILではHeading1)のフォント・サイズが大見出しになり、自動的に目次のページで反映され、目次から大見出しのページへ飛ぶことができるようになるのです。見出し2(Heading2)は中見出しになります。
作ったファイルは、「PDFとしてエクスポート...」をクリックするというとても簡単な操作で、PDFファイルに変換できます。電子書籍の作成完了です。
私がオリジナルに作ったPDFファイル形式の電子本は、でじたる書房とDL-MARKETから販売されています。パブーからは、ePub形式とPDF形式の本が販売されていますが、パブーのPDFは、ePubから自動的に変換されたもので、レイアウトが乱れています。
紙の本の売れ行きは減っているのに対して、電子書籍の販売は伸びています。技術の進歩によって、誰もが、紙の本も電子本も作れるようになりました。ただし、紙の本は、作ることはできても、素人が販売ルートに乗せるのはほぼ不可能。電子本は、売れるかどうかはともかく、アップル、アマゾン、パブー、パピレスなどの電子書店に販売を依頼できます。
ということで、私も電子本を出版することにしました。最初はモンタの本です。最後を「死」ではなく「生」で終わらせるために、ラッキーも登場させます。このサイトに書いたエッセイとは、構成や内容がかなり違ったものになります。特に、ペット・ロスの章を新たに設け、ぺっと・ロスが起こる原因を深く掘り下げています。他に、ディンゴやバセンジーの進化上の位置について、詳しく書き込みました。
完成間近なので、近々、電子書籍の販売店に販売を依頼します。
それにしても技術の進歩はすばらしい。ただしその進歩を謳歌するには、大変な努力が必要になります。
エッセイ21「日本を襲う真の危機」は、かなり力の入った評論になってしまいました。地震と原発を調べているうちに、日本を壊滅させかねない深い闇があることに、すぐ気づいたからです。
巨大な原発利権にからんだ、政官学業に横たわる闇があります。これは、既得権益層が意図的に作り出している闇。視野の狭い、地震、原発、災害の専門家が、情報の分野で闇を作り出しています。必ずしも意図的ではなく、専門家の能力不足が関与しています。
ロイター、ブルンバーグ、ワイアード・ビジョンなどの海外メディアが提供している、日本版ウエッブ・サイトを読んでいると、マスコミでは報道されない日本の現実に気づくことがあります。震災直後、米空母が動く前に、米軍の上陸用舟艇が展開し、原発周辺の空と陸から放射能測定がなされたことなども、詳しく報道されていました。自衛隊が動く前のことです。米軍が、国内で超法規的に活動できることは、はっきりしています。
下のコメントにあるテクニカルな進歩を、3年前に作成したアニメ10に使ってみました。9と11を比較すれば、進歩があることは分かると思います。
アニメ40の制作にかかった時間は数週間。今までで最も長くかかりました。趣味の創作なので空き時間にやっており、合計の時間数はそれ程ではありません。とは言っても、とても長くかかったというのが、実感です。
表面上は分かりにくい、技術的な進歩があります。動画とサウンドの両方が改善されています。
このサイトを見たひとから、「何人かが一緒になって、このサイトのために、いろいろな作品を作っているのですか?」という質問を、受けました。
和戸川純はハンドル・ネームで、実名は別にありますが、このサイトのための創作は、間違いなくたったひとりでやっています。
私が、余りにも浮気っぽく、あちらこちらへ興味を移すので、グループによる創作と勘違いするひとがいても、不思議ではありません。例えば、作曲は下のコメント23にあるように、あきれるくらいに簡単な方法でやっているのです。動画創作は、さすがにこれ程簡単にはいきません。
下のコメントに補足します。サウンドの「進む」、「停止」、「戻る」のコントロールができなくなっています。今使っているソフトでは、この限界を越えることができず、Flashアニメ作成のより機能の高いソフトを使うために、現在猛勉強中です。
世界の経済・投資環境に新しい傾向が出てきました。新興国に集中していたマネーの一部が、アメリカへ流入しつつあります。これは先進国の中では、アメリカの回復が最も著明になってきたためです。エッセイ19「アメリカに口座を開いて世界へ投資する方法」が、より重要な意味を持ってきました。
日本やアフリカ・中近東の現実を考えると、小説18「終りなき夏」がより重い意味を持ちます。現実が小説に追いつかないことを祈ります。
数分以内のアニメに、ややこしい操作は必要ないと思いますが、アニメ39から、「ロード待ち」の画面を最初に出し、「スタート」、「ストップ」、「最初に戻る」の操作ができるようにしました。音量調節は、私のソフトでは付け加えるのが困難です。
地震後の最も困難な時期にも、笑いを忘れないでください。
小説18「終りなき夏」と小説1「永遠の夏」は、タイトルはよく似ていても、状況設定とストーリー展開は全く異なります。「終りなき夏」は、オーストラリア滞在中に書いた作品を下敷きにしていて、主人公はオーストラリア人になっています。この作品は、数回の連載にする予定です。
核戦争によって、人類が滅亡するという極限状況下にあって、男女の愛はどのように展開されるのか?このような状況設定は、SFが得意とするものです。極端な状況の中で、劇的なドラマを展開することが可能になります。
「終りなき夏」を下敷きにして、東京を舞台にした作品を構想しています。その小説の主人公は勿論日本人。「終りなき夏」は悲劇的な近未来。新しい作品には、希望に満ちた遠未来を、後編として追加することを考えています。
小説やエッセイを書くのにも、アニメを作るのにも膨大な時間が必要となり、構想ばかりが先走って、なかなか創作に手をつけられません。趣味よりも、もっと真剣かつ深刻な活動も日常的にあるので、ますます時間が不足してしまいます。
サイバーフロント社のアニメコンテストで、銀賞を受賞し、トロフィーをもらいました。昨年は、日本文学館の小説コンテストに入賞しましたが、もらったのは賞状だけです。意外に重いトロフィーで、とても美しいと、私よりも妻のほうが喜んでいます。
一こま漫画で、小学館などから、以前に何回か受賞をしました。しかしトロフィーをもらったことはありません。
最近、電子本、電子本と世間はにぎやかです。私は、10年近く前に、一こま漫画とエッセイの電子本を、何冊も出版しました。もっとも余り売れませんでした。今度の電子本ブームは、本物であることを期待しています。
印刷された本を電子化するだけでは、能がない。電子本の本来の機能を考えれば、私のショート・アニメを発行するようなことこそ、理にかなっていると思います。
私自身の宣伝でした。
投資においては、上昇のトレンドに乗るよりも、中長期のトレンドが下降に転じたときに、売り抜けるほうが難しい。リーマン・ショック時に典型的に認められるが、株やファンドの価格は突然に暴落します。「まだ売らなくても大丈夫。リバウンドするだろう」と思っているうちに、価格が余りにも下がりすぎて、売るに売れなくなってしまいます。投資の格言、「まだ」は「もう」なり。
価格は、普通は長い時間をかけてゆっくりと上昇します。上昇トレンドに乗るのは難しくない。ところが下降は急激にきます。それまでの含み益が、突然含み損になってしまいます。
エッセイ19に、ファンドの買い方を書きました。売り抜けのタイミングを計るには、報道に注意すると同時に、テクニカル指標の動きにも、注意をしている必要があります。暴落のサインが出たならば、含み益の天井から減った金額に、心理的に固執することなく、売り切ってしまうことが肝要。
底を打ったあとに買い戻せば、次の上昇トレンドで再び利益を上げられます。投資資金の現金化は、このためにも必要なことです。
昨年の1月7日も、今日のようによく晴れていました。公園で散歩を楽しんだモンタ。その夜、いつもの睡眠時刻に、自分のベッドで永眠しました(エッセイ14、15)。
今年の1月1日と2日に、こんなことがありました。
1日の晩に、妻はキッチンで食事の準備をしていました。突然、背後に大きな犬が立っているように感じ、ぶつからないように回りこんで、後を見たのです。何もいませんでした。
2日の早朝、ベッドの中で、両足に犬がぴったりと寄り添っているように、私は感じました。その体温と重みは間違いなく犬のもの。しかしラッキーは、自分のハウスで寝ているはずです。ただし、とても頭のよいラッキー。また何かトリックを使って、ハウスから出てしまったのだろうと、私は思いました。それで、掛け布団をずらして足元を見たのです。何もいませんでした。
モンタの死後に、部屋にモンタがいるような気がしました。しかしそれはあくまでも「気」で、今回のような実体感はありませんでした。
随分長かった1年。モンタの永眠以外は、家族にはよいことがいくつもありました。モンタの後釜は、最古の犬種バセンジー。モンタと同じように、強烈な性格を持っています(エッセイ16、17)。