私の息子は、高校時代から寮に入っていて、休みのときにしか家へ戻りませんでした。カトリック教徒の妻にとって1年で一番大事なクリスマス・イヴには、息子はいつも家へ戻りました。
けれども、6年前と7年前のイヴに、大学院生だった息子は家へ戻りませんでした。5年前のイヴにも、息子は戻りませんでした。ところが、5年前に限って、モンタがいつもとは違う行動を取りました。
玄関の冷たい床に腹ばいになって、息子が帰るのを待ち続けたのです。息子が戻らないことを知らないモンタがとてもふびんになって、何度も居間へ呼びました。けれども、チラッと視線を向けるだけで、モンタは微動だにしませんでした。
それならばと、モンタの大好物のヨーグルトを見せて、居間へ来るように呼びかけました。それでも、モンタは身動き一つしませんでした。
私と妻は、そんなモンタの行動をとても不思議に思いました。けれども、その後、不思議な思いが驚愕に変わったのです。
2週間後の1月7日に、モンタが永眠しました。がんの治療を続けていましたが、がんは安定していたので、急死は私たち家族の想定外でした。死を身近に感じていたモンタ。永眠する前に、子供の頃からよく遊んでいた息子に会うことを熱望して、あのイヴの夜に玄関で息子を待ち続けたのです。
5年前のクリスマス・イヴのモンタの行動は、私たち家族にとって、とても大きな意味を持つようになりました。イヴのたびに、玄関に横たわったモンタの姿を鮮明に思い出すのです。
拙著「人間として生きた犬の心」をお読みください。人間と犬の不思議な関わりあいを書いています。
理研のSTAP細胞検証実験は、STAP細胞はできないという結論になって、終了しました。1月に世紀の大発見とバカ騒ぎをしたメディアが、今度は手のひらを返したように、世紀の虚構実験と非難しています。メディアの付和雷同ぶりにはあきれますが、ただあきれているだけでは済まされない問題があります。ここにそれを書きとめておきます。
12月20日の日経新聞の記事をまとめると、次の通りです。
「検証実験で、弱酸性溶液に浸した細胞から、緑色に光る細胞塊が得られた。万能性遺伝子の活性は、胚性幹細胞(ES細胞)の100分の1以下だった。キメラマウスの実験で、細胞塊を受精卵に注入して子宮に入れたが、緑色に光る胚は得られなかった」
使った細胞はひ臓の血液細胞で、万能性遺伝子の活性があったとしても、とても低いと思われます。弱酸性溶液で処理すると、細胞自体の活性が落ちるので、全遺伝子の活性も間違いなく落ちてしまいます。それにもかかわらず、万能性遺伝子の活性があったいうことは、とても重要な結果です。
この所見を無意味なものと結論づけたいために、新聞では「活性は100分の1以下だった」と述べられています。正確にどれくらいの活性があったのかを、知りたいものです。たとえ200分の1の活性だったとしても、万能性遺伝子の活性がとても高いES細胞と比較しているので、この実験結果には大きな意味があります。
ただし、この程度の活性では、キメラマウスの作製には成功しないと思われます。活性を上げる実験を重ねていって、もっと高い万能性活性にすれば、キメラマウスの作製に成功するはずす。
今後やらなければならないことは、活性を上げられる実験条件の検討です。基礎研究では、研究者は、試行錯誤を繰り返します。メディアのバカ騒ぎとは関係のないところで行われる、長く根気のいる仕事です。
小保方さんは、最初の記者会見の3日後に、理研の公式ウェブサイトに、以下のようなメッセージ(要約)を載せました(エッセイ42「小保方晴子が愛するSTAP細胞」を参照してください)。
「STAP細胞研究は、やっとスタートラインに立ったところです。今は研究に集中すべき時と感じています。長い目で見守ってください」
日本の新聞やテレビでは散見する程度ですが、CNNやBBCなどの欧米のテレビや新聞で、大々的に報道されている事件があります。
アメリカのソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)の社内コンピューター・システムに、大規模な侵入がありました。SPEのシステム全体が停止しただけではなく、機密情報を含む、膨大な量の情報が盗まれたと思われます。攻撃者は、自分たちの要求が通らなければ、盗んだ情報を順次公開する、と言っています。
SPEが制作し、12月25日に公開予定だった映画があります。「ザ・インタビュー」というタイトルで、金正恩の暗殺を題材にしたコメディです。攻撃者は、この映画の公開を止めようとしていて、上映する映画館にはシステム破壊やテロ攻撃を実行する、と予告しました。米国内で2000館が上映予定でしたが、攻撃を恐れて上映中止を決める映画館が、相次ぎました。
被害の広がりを恐れた米国ソニーは、「ザ・インタビュー」の上映中止を決定しました。ハリウッドの映画関係者や捜査機関から、脅迫に屈したソニーの決定に大きな危惧が示されています。脅迫で企業などの活動を止めることができるならば、同じ事例が多発することが予想されるからです。
米政府はこの攻撃を国家に対する攻撃とみなし、捜査に全力をあげると同時に、報復すると言っています。米国土安全保障局が、北朝鮮の関与を示す証拠を握っている、と言っています。北朝鮮は、アメリカ、中国、ロシアに次ぐサイバー部隊を持っていて、その中の「121局」精鋭部隊が攻撃を行った、とされています。
北朝鮮のメディアは、自国政府がこの攻撃に関与したことを、認めていません。ただし、「わが国に同情的な組織がやった」と言っていますから、自国の関与を間接的に認めたことになります。
私は、この事件があるまで、「ザ・インタビュー」という映画を知りませんでした。CNNやBBCがこの映画のさわりを紹介していて、とても興味を持ちました。将来日本で上映されるならば、ぜひ見たいと思います。この事件が最高の宣伝になったので、アメリカで上映すればヒットすることは間違いありません。
こういう事態が発生することを、拙著「サイバー世界戦争の深い闇」に書きました。ぜひお読みください。
ワンコ仲間の女性が、中学生の女の子を連れて来ることがあります。その女の子と話をしていて、時代がどんどん変わっている、という実感を持ちました。
女の子には、「カップル」や「アベック」という言葉が、何を意味するのかが分からなかったのです。「カップル」に相当する女子中学生の日常語は、「カレ・カノ」。男女の関係は、「カレ」と「カノジョ」という言葉を結びつけただけでは、「カップル」という特別な言葉で表現されるよりも、よそよそしいように私には感じられます。
関係が特に緊密になると、カレはカノジョを「女房」と言うそうです。「女房」という古い言葉が若者言葉になるのは、意外です。用語法の自由自在ぶりに驚きます。
「女房」という用語法は、日本の中学生、特に女の子の「標準語」になっているというよりも、私が住んでいる地域の「方言」のような気がします。他の地域では、そこでしか通じない現代の方言を、女子中学生が使っていると思います。
この女の子は、「ボーイフレンド」や「ガールフレンド」という言葉を、さすがに知っていました。けれども、これらの言葉は若者には長すぎる。若者は、長い言葉を短くするのが得意です。それならば、私は次のような提案をします。「ボーイフレンド」を「ボフレ」、「ガールフレンド」を「ガフレ」と言ってはどうでしょうか?
C大学で言語学を教えている、女性の教員と話をしました。この女性は、しばらく前の市民向けの講義で、自分を「私」ではなく「自分」と呼んでいました。私はどういう状況下でも、自分を「自分」と言うことはありません。
この若い女性教員が、自分を「自分」と言うことに興味を持ったので、「私」と「自分」の言語学的な違いについて聞いてみました。私の質問は、この女性にとっては意外だったようです。自分を「自分」と言うことは、彼女にはとても自然な行為だったのです。私の質問が、彼女にとっては意表を突いていたので、明確な答をもらえませんでした。
上の女子中学生の若者言葉を話すと、この教員は驚いていました。世代の違いを感じたようです。
アメリカの証券会社で運用している私の資金が、10年で4倍になりました。これはドル換算での投資結果です。円安の現在、円換算ではさらに増えています。けれども、そんなに自慢にはなりません。私が女性ならば、これ以上の成果を上げている可能性があるのです。
男性には、一発勝負をねらう傾向があります。リスクは大きいけれども、当たれば大儲けすると思われる株やファンドに、手を出すのです。しかも、短期間で利益を上げるために、売買の回転を速くします。これに対して、女性の銘柄選択は慎重で、より保守的です。株やファンドの保有期間は、男性よりも長期に渡る傾向があります。
結果として、男性投資家よりも女性投資家のほうが、長期的にはより多くの利益を上げるのです。これは、男性と女性の平均的な投資結果の比較で、統計的に知られた事実です。
こういう事実が知られているにも関わらず、女性が運用する投資信託を、証券会社が売りに出さないのは不思議です。女性運用者は、長期的に良い成績を上げる可能性が大きいだけではありません。ミセス・ワタナベなどという名称が、世界で知れ渡るほど、日本人の女性投資家が増えている現在、女性が運用すること自体が、特に女性に対して良い宣伝になります。
もしもこのページを証券会社のどなたかがご覧になっているならば、ぜひ女性が運用する投資信託を設定することを、お勧めします。
小型犬ジャックラッセルのハナは、現在6才です。子供がいない飼い主の女性が、溺愛しています。飼い主の溺愛は、犬を人間と同じように扱ってしまうので、犬にとってしばしば不都合な結果に終ります。
ハナの食事は毎食手作り。肉料理が主体です。飼い主がケーキを食べるときは、ハナにも食べさせます。イチゴは、小さな種が入っている皮は食べにくいだろうと、わざわざ薄い皮をむくほどの念の入れようです。
犬には空腹感がないので、いくら食べても食べ物をほしがります。ハナの飼い主は、そんな飼い犬の欲求に負けることが、快感なのです。ハナは食べ放題。おかげでどんどん太り、まるでミニブタのようになってしまいました。小さいときは、飼い主の自転車に伴走して、1日中散歩をしていましたが、やがて動くのをいやがるようになりました。
そして、メタボになってしまい、肝臓に問題が出たり、足腰に痛みを感じるようになったのです。飼い主は、散歩ではなく、ペットクリニック回りで忙しくなりました。
一昨日、久しぶりに公園で飼い主に出会いました。飼い主は、とても落ち込んでいるように見えました。そして言ったのです。
「ハナが悪性リンパ腫になりました。今、抗がん剤治療をやっています。余命は長くないと、獣医に言われています」
小型犬は、普通15才くらいまで生きます。飼い主の溺愛がハナの体調を崩し、免疫系の活性を落とした結果、がんになりやすくなったと考えられます。そして短命に終る。勿論、気落ちしている飼い主に、私はそんな感想を言いませんでした。
この女性は、すれ違うたびに、ラッキーに干し肉のおやつをやります。ラッキーは、そのことをよく憶えていて、遠くから見ただけで、食べ物への期待をふくらませます。この干し肉が、ラッキーには軟便の原因になるのです。
ラッキーの胃腸に良くないだけではありません。散歩中に、他人に食べ物を要求する習慣が悪いので、ハナの飼い主がおやつをやるたびに、食べ物をやらないようにきつく言っています。それでも、私の言い分を完全に無視。いくら注意しても、ラッキーに干し肉をやるのです。
犬を愛する飼い主は、何が本当に犬のためになるのかを、犬の立場に立って考えたいものです。
「夢と現実のエッセイ評論」と「アニメと小説の工房」は、パソコン対応のウェブサイトになっています。そのために、画面が小さいスマホやタブレットで閲覧すると、見えにくくなります。
こういうデータを突きつけられると、私の心にサービス精神が湧き上がります。閲覧する端末の画面サイズに合わせて、各ページのデザインが自動的に最適化される、レスポンシブ・ウェブというプログラムがあります。このプログラム言語を使って、スマホ使用者のために、サイトの再構築をすることにしました。
私は20年近く前から、ウェブサイトを作成しています。サイトを構築するプログラム言語が、HTML、JavaScript、CSS、XHTML、HTML5などと進化するのを、見てきました。スマホに最適なサイトを構築するためのプログラムの進化が、最近は特に速くなっています。レスポンシブ・ウェブを構築するためのCSSやHTML5には、初期のHTMLとは異なった文法が使われます。特定の組織が提供するアプリケーションを、ネット上で自動的に参照することによって、多機能なウェブサイトが表示されます。
まず「夢と現実のエッセイ評論」で、レスポンシブなサイトを作っています。私のサイトには動画や画像が入っているので、デザインが複雑です。しかも、私はHTML5を使うのは初めてなのです。全体的な文法構造を学ぶことで、まず苦労しています。
プログラミングでは、数字1つ、アルファベット1つ、.(ドット)1つの記述を間違えただけでも、全体的な見え方に混乱を生じさせます。プログラマーは集中力を絶やすことができません。新しいプログラム言語を初めて使う場合は、特に1字1句への最高度の注意が必要になります。膨大な時間も必要です。収入を得るための仕事か、大好きな趣味でもなければ、とてもこんなことはできません。私の場合は後者です。
このウェブサイト改善のために、集中力と忍耐力が必要な、細かい仕事をやりました。とても時間がかかりましたが、やっと終了。大変なエネルギーを注ぎ込んでも、残念ながら、皆さんには私の仕事の結果が余り見えません。
この「作者の思い」の各ショートエッセイのタイトルが、大きな太字になったことは、誰にでも分かると思います。以前は、「テキストエリア」というプログラムで、「作者の思い」を書いていました。「テキストエリア」を使うと、書き込みは簡単にできますが、フォントを太字にすような装飾はできません。このプログラムは、掲示板の作成に使われます。
今回、訪問者に書き換えができないだけではなく、フォントを自由に装飾できる、「スクロールボックス」というプログラムに変えました。全6ページ、172編のショートエッセイに対して、フォント以外にも、プログラミングの細かい変更を行いました。
また、2つのサイトのトップページから、最近書いたショートエッセイへ直接にジャンプできるような、書き換えも行いました。
皆さんが好んでアクセスするページ(エッセイやアニメ)を知ることが、今後の創作の参考のために、とても大事です。そこで、アクセスカウンターを各ページにつけて、アクセス数を得ています。
GOOGLEアナリティクスは、さすがにGOOGLEのプログラムです。アクセスしてきた個人の特定はできませんが、サイトを改善するために必要な多種多様な情報を、与えてくれます。個人使用よりも商業使用を想定しているのです。
機能が高度なために、設定で苦労しました。私は各ページへの日々のアクセス数が分かれば、基本的には満足です。高機能なGOOGLEアナリティクスを設定するために、余計な苦労をしました。
拙著「サイバー世界戦争の深い闇」で、身の回りの機器がコンピュータ化され、ネット接続されると、サイバー空間から攻撃される可能性が高まることを、述べました。英語版ロイターによると、患者の身に付ける各種医療機器への攻撃が、既に確認されています。
サーバーに侵入されてしまえば、特定の患者の機器が攻撃され、その患者が殺される可能性があります。私のような庶民を狙う攻撃者はいなくても、重要人物ならば、地球の反対側にいる攻撃者によって、瞬時に暗殺されるかも知れません。
スマホの次に、眼鏡などのウェアラブル機器が流行する、と言われています。ウェアラブル機器は、ネットに接続されていなければ、機能が半減します。ネットに接続された、ウェアラブル機器を付けた個人の特定は容易なので、各種犯罪に使われる可能性が大きいのです。
便利になればなるほど、リスクが大きくなる。セキュリティ対策を十分に講じると同時に、使用者が常にこのリスクに気づいている必要があります。
平和憲法のもとに、戦後平和を守ってきた日本国民が、ノーベル平和賞の候補に上がっていましたが、受賞を逃がしました。
誰が日本国憲法を作ったのかについては、いろいろな意見があります。制定の経緯を見て、日本人が作ったと主張する人たちがいます。けれども、日本が無条件降伏をして、占領下で作られた憲法なので、一つひとつの条項はともかく、基本的にはアメリカの意向を反映した憲法になった、と考えるのが妥当です。
先進国の中で、首都に外国の軍事基地があるのは、日本だけです。日本が今まで戦争に巻き込まれず、日本人が巻き込まれる心配をしなかったのは、アメリカのダントツで世界最強の軍隊が、日本を防衛する義務を負っていたからです。ところが、第9条を信奉する人たちは、意図的に米軍の存在を無視しようとします。
平和憲法を守っていれば、今後も平和が保たれると考えるのは、余りにも非現実的です。戦争は、一方の国が回避を望んでいても、他方の国が領土的野心を持っていれば、いつ始まってもおかしくありません。日本が平和を望んでいれば、他国が、日本の意思を絶対的に尊重してくれると考えるのは、余りにも幼稚です。
平和を守るためには、日本人自身が努力をしなければなりません。覇権国から没落しつつある、アメリカの軍隊の存在なしに、どのように外国の侵略から日本を守るのか?日本をハリネズミ国家にするしかありません。
最悪の事態を想定すると、まず全国に核シェルターが必要になります。侵略者と対峙するために、徴兵制度を制定し、国民に銃を持たせなければなりません。敵国が、日本侵略の難しさを理解できるようするための、あらゆる処置が必要になります。
同時に、日本が他国を侵略することはない、と他国に信じてもらわなければなりません。憲法のなし崩し的な解釈は、他国に不信感を持たせます。自国の防衛は徹底的にするが、他国を侵略することは決してない、ということを憲法で明示し、その憲法の条文通りに行動しなければならないのです。
エボラ・ウイルスの感染による死者が、アフリカで急速に増えていて、3300人になりました。アメリカ国内で、最初の感染者が出ました。致死率約50%。オバマ大統領が、緊急事態宣言を発しました。
人間にとっては、1人ひとりの命が極めて大事です。人間社会では、感染者の半数が死ぬことに、注意を向けます。けれども、進化の過程で幾多の絶滅を経験した生物には、1人の命よりも、種全体の生き残りのほうが大事なのです。進化の論理は、「1人が死んでも、他の1人が生き残ればいい」、です。進化にとっては、感染者の半数が生き残ることが、大事なのです。
生き残る人たちは、感染をしても、エボラ・ウイルスが致死的にならないようなメカニズムを、体内に持っています。それは遺伝子によって規定されています。エボラ・ウイルスが広がる環境下で、これらの人たちがより多くの子孫を残します。エボラに対して、より抵抗性のある人たちが増えます。最後には、感染をしても、死亡することのない人間集団が形成されます。
ウイルスの側から見れば、宿主になった人間が死んでしまえば、子孫を残すことができず、不都合です。宿主を生かしておけば子孫が増えるので、宿主を殺さない方向への進化を始めます。専門的な言葉でいえば、エボラ・ウイルスは次第に弱毒になります。
そうやって、宿主である人間と、寄生体であるエボラ・ウイルスの、中立的な共生関係が始まります。
世代を重ねていけば、やがてエボラで発症する人がいなくなり、感染としては不顕性になります。エボラ・ウイルスが、宿主である人間を生かす方向へ進化します。宿主の数が増えれば、エボラ・ウイルスの子孫も増える。相互依存関係に入ります。
インフルエンザ・ウイルスは、比較的最近人類に感染するようになった、と思われます。まだ生き残りのための相互依存関係には入っていないので、時として、大流行が多くの命を奪います。
人類の先祖が、かつてある種のレトロ・ウイルスに感染しました。そのウイルスの子孫が、今人類の遺伝子を運ぶ運搬屋として、私たちの生存の役に立っています。さらに昔、ある種のDNAウイルスが、人類の先祖の生物に感染しました。そのウイルスの子孫が、今では私たちのDNAに完全に組み込まれ、増殖因子と呼ばれるタンパク質を作っています。
増殖因子は、私たちのからだを、胎生期から成長させるために必要なタンパク質です。増殖因子がなければ、私たちは誕生も成長もできません。
地球から月までの距離は一定ではありません。36万キロから41万キロまで変化します(平均38万キロ)。20年ぶりに地球に近づいた月が、9月8日に満月になりました。この日の地平線にかかった月は特に大きく見え、スーパームーンと呼ばれます。
地平線の月は誰にでも大きく見えます。こんな当たり前の現象が、科学的にはまだ解明されていません。大気層を通った光が屈折して、月が拡大されるという説明が、かつてありました。けれども、写真に撮ると、地平線の月も真上の月も同じ大きさに写ります。現在では、地平線の月が大きく見えるのは、錯覚と説明されています。問題は、なぜこのような錯覚が生じるのかです。
仮説はいくつかありますが、「地平線の月を、脳内で拡大する方向へ動物が進化した」、という説を私は取りたいと思います。遠方にいるのが食用の動物なのか、危険な動物なのかの判断は、生き残りのためにとても大事です。遠方の動物の像を、脳内でより大きく拡大できる個体が、生存に適しています。このような個体が、より多くの子孫を残したと考えられます。
ここから先は、私の仮説になります。
モンゴル人は、日本人には見えない地平線の動物を、よく見ることができます。ケニアのマサイ族にも同じような能力があります。一般的には、「これらの人たちの視力は高い」、と説明されます。
「視力が高い」とは、どういうことでしょうか?生活の必要性から、彼らの脳は、網膜に映った像を脳内でより大きく拡大する方向へ進化した(適応した)、と私は考えます。彼らの脳内の地平線の月が、日本人の脳内の月よりも大きくなっているとしても、脳内の月のサイズを調べる方法はありません。認識レベルの物体のサイズを測る機械は、存在しません。
私の仮説が正しければ、個体間でも、脳で認識されている地平線の月のサイズは、異なるはずです。私は、Aさんよりも月を大きく見ているかもしれないし、小さく見ているかもしれません。
昨日、ラッキーが大パニックになりました。こんなことは今までにありませんでした。
川沿いの公園の一角で、近所の飼い主たちが、犬をリードから離して遊ばせます(エッセイ36)。午後5時過ぎのことでした。誰かが近くで爆竹を鳴らし始めたのです。最初の「バン」で、ラッキーが川沿いの道へ飛び出しました。暗くなったり雨が降ったりすると、家へ帰ろうとして、よくこの道へ出てしまいます。
ビーチ沿いにある野球場で、ナイターが終わる前に、いつも花火を打ち上げます。またマンションの前の空き地で、保育所の夏祭りのあと、親が花火を打ち上げます。ラッキーは、ハッピーには見えないとはいえ、決してパニックにはなりません。花火には耐性があると思っていたので、爆竹が原因で「家へ帰ろう」になったとは、思いませんでした。
ところが2度、3度と爆竹が鳴り、パニックになったラッキーが、2メートルの高さがあるコンクリートのがけから、舗装された道路へ飛び降りるようなことまでやったのです。家へ戻ろうとする行動の中で、一番心配していたのが、このジャンプでした。足をがけに引っ掛けながらのジャンプだったので、幸いにもけがはありませんでした。
さらに「バン」。パニックが止まらなくなり、「家へ帰る」が問答無用になりました。
家までは2キロほどあります。私の耳には爆竹の音が聞こえなくなっても、ラッキーにはまだ聞こえるらしく、全力疾走は家へ入るまで止まりませんでした。時々私の目を見上げました。「大丈夫、大丈夫」と言って落ち着かせようとしましたが、全く効果なし。
帰宅後、しばらくの間ラッキーは激しくあえぎ続けました。ラッキーと同じ速度では走れない私との引っ張り合いが、ラッキーを心底疲れさせたのです。勿論、私も疲れてしまい、汗びっしょりになりました。
他の犬に比べると、何事にも動じないように見えるラッキー。爆竹がこの世で一番怖いものであることが、分かりました。公園にいた他の犬たちは、ラッキーのようにパニックにはなりませんでした。
先月、車を買い換えました。そのときに、ちょっとした事故がありました。この事故から、日本人の民族的な特性が見えました。
ディーラーが、納車前日に、車に長さ10センチほどのかすり傷をつけたのです。私は、傷を修復してから納車することを求めました。私の判断に、妻は完全に同意しました。修復に2日かかり、納車が2日遅れました。
ヨーロッパ系オーストラリア人の妻が、ヨーロッパ系の知人にこのことを話しました。反応は、私たち夫婦がお人良し過ぎるというものでした。
こういう場合は、日本化している妻以外のヨーロッパ人は、ディーラーに厳しい要求をするのです。慰謝料を払わせるか、別の車を工場から取り寄せさせるのが、当り前なのです。
同じような問題に、他の日本人がどう反応するのかを、ネットで調べました。ほとんどの日本人が、私のように反応します。工場から納車するまでの過程で、車に傷がつくことは珍しくない、と日本人は考えます。そこで、すり傷を修復して、見かけが元通りになればそれでいい、と判断します。
この事例を検索していて、日本人の特性が明瞭になりました。日本人のディーラーは、納車前の直せば分からなくなるすり傷でも、顧客にきちんと報告します。そういう正直さに対して、顧客の日本人は寛容で応えます。
ヨーロッパ系のディーラーは、修復すれば分からなくなる傷について、わざわざ顧客に報告しません。修復した車を、知らん顔で顧客に渡します。そういうやり方を知っている顧客は、納車前のトラブルを知ったときには、ディーラーに対して、最大限の要求をすることになります。
お互いを信用して性善説で動く日本人。これは、世界の民族の中では珍しい特質です。世界を平和にするために、世界へ広めたい日本人の特質です。
「親ばか」の私から見れば、バセンジーのラッキーは間違いなく天才犬。このことを、いくつかのエッセイに書きました。天才犬であることの証拠になる実話を、追加します。
普通の犬は、インターフォンの「ピンポーン」に対して、「ワンワン」と反応します。音がいやなだけではなく、警戒しなければならない侵入者が、「ピンポーン」の直後に現れることを学んだためと、思われます。
ラッキーの先代犬モンタも、「ピンポーン」に対してとても口やかましかったことを、モンタ関連のエッセイに書きました。
天才犬ラッキーは、他の犬とは全く異なる反応をします。
ラッキーのように、精悍に見えるばかりか、動きが激しい犬が突然目の前に飛び出せば、宅急便の配達人は間違いなく驚きます。そこで、「ピンポーン」が鳴ったときには、ラッキーを玄関から一番遠い居間へ呼んで、居間のドアを閉め、ラッキーを居間に閉じ込めることにしました。
ラッキーは、自分に求められている行動パターンを、すぐに理解しました。「ピンポーン」と鳴ると、私たち家族が何も言わなくても、自分から進んで居間へ入るようになったのです。
古代エジプト王朝の崩壊とともに、死に絶えたと思われていたバセンジーが、200年ほど前にイギリスの探検隊によって、コンゴで発見されました。
バセンジーは2000年以上も、アフリカの厳しい生活環境下で生き延びたことになります。
ラッキーを観察すると、バセンジーは、肉体的にはとても弱いことが分かります。短毛で、腹部には毛がほとんど生えていません。潅木のとがった先が当たっただけで、皮膚に傷がつきます。毛がまばらにしか生えていないので、いろいろな病気を媒介するカの格好のえじきになります。
それでもアフリカで生き延びた。生物は、肉体的に弱ければ、知恵を使って生存する道を選びます。人類がそうでした。過酷な生活環境下で生き延びるために、バセンジーは知能を発達させたのです。
先を見通して今の行動を決めることを、ラッキーはよくやります。すべての物事には、正と負の側面があります。先を見通していれば、余計なエネルギーを使わずに、生活を無駄なく送ることができます。けれども、意外性に賭けないので、大きなチャンスにつながる挑戦を避けることに、なってしまいます。天才にはそれなりの弱点があるのです。
久しぶりに新しいアニメをアップしました(アニメ52「アダムとイヴの深刻な現実」)。
「アニメと小説の工房」をまだ訪れたことのない皆さん、私のアニメは、「アニメ」という言葉から想像されるようなものとは、少し異なります。人物が日本アニメのキャラとは違うだけではなく、ストーリー展開に独自性があります。
「見ているうちに、ストーリーを自分の身に重ねてしまい、ついクスクスと笑ってしまいました」、という感想を述べてくれた女性がいます。この女性は、私が望んだとおりの反応をしてくれました。私の手のひらの上に素直に乗ってくれた女性。作者としてはうれしい限りです。
アニメ52でも、おとなの皆さんに「クスクス」と笑ってもらうことを、意図しています。「クスクス」で日頃の疲れを少しでも忘れてもらえれば、アニメ制作にかける時間とエネルギーが報われます。
もしよければ、他のアニメもご覧ください。全部を見るには2~3時間かかると思います。長編アニメ1本分くらいの時間になります。
佐世保で、女子高校生が、仲のいい友だちの同級生を殺しました。首や左手首を切断するという、猟奇的な殺人だったために、社会にショックを与えています。また、殺した女の子が、「人を殺したかっただけ」、と平然としているという報道が、ショックに輪をかけています。
2人の間に何らかのいさかいがあった、と警察が推測しています。また、殺した子の家庭環境が複雑だった、という指摘があります。
上のような表面的な問題が、殺人の直接の引き金になった可能性を、否定できません。私は、日常生活の場で発生する表面的な問題が、容易に殺人の引き金になってしまう心の問題が、この殺人事件の裏側に横たわっている、と考えています。この深層心理の問題は、時代状況によって生み出され、若い世代ほどより多く抱えていると思われます。
私のエッセイ11「ペットが命の重みを教えてくれる」で、この問題に少し触れました。
要約すれば、『1.核家族化で、身近な人たちの死を眼前に見なくなった世代ほど、死の本当の意味を理解できなくなっている』、と『2.生き返るのが当り前な死を、小さい頃からゲームで体験しながら育った世代は、軽い死が心に刷り込まれている』、となります。
このような深層心理を抜きにしては、無差別殺人や、友人をいとも簡単に殺してしまう、上のようなケースを理解することができません。
きちんと理解したとしても、対策を立てるのは極めて難しい、という時代状況があります。それでも、本質を理解しなければ、対策が完全に見当違いになってしまうので、まず本質を理解するところから、始める必要があります。
某所で雑談をしていて、「死」の話題で盛り上がりました。私には2回ほど死に近づいた経験があり、その体験談を話しました。
一度は、健康診断で便鮮血検査が擬陽性になったことから、死に近づいていたことが分かりました。「擬陽性」なので特に問題はないだろうと考えましたが、虫の知らせかどうか、それまでにやったことのない大腸内視鏡検査を受けることにしたのです。
直径2センチほどの見事な大腸ポリープが見つかりました。ポリープの上端に毛細血管が発達していて赤く見え、すでに癌化していると思われました。切除したポリープの病理組織検査で、癌化していることが確認されました。
内視鏡検査が何ヶ月か遅れていたならば、がん細胞が大腸粘膜へ転移していた可能性があります。大腸がんは治療が困難ながんです。ここで命拾いをしました。
もう一度は、まだオーストラリアにいたときのことです。住んでいた街の美しいビーチの沖合い2キロのところに、ペンギン島と呼ばれる小さな島があります。野生のペンギンが住んでいるので、観光客が大勢見に行きます。その島までは砂の浅瀬伝いに歩いて行けます。ただし左から右へ流れる潮流が速く、右側は急に深くなっているので危険です。
その日は満潮だったので、海水は胸の下くらいまでありました。私たち家族は、ペンギン島までの海中散歩を開始しました。二人の息子たちは、左側を気ままにふざけながら歩いていました。私と妻(二人ともカナズチ!)は手をつないでいて、妻が私の右側にいました。
中間点で妻が潮流に流され、からだが浮いてしまいました。妻に引っ張られて、私の足も浅瀬から離れてしまったのです。
その瞬間に死を感じました。「このまま死ぬんだな」と、妙にはっきりと考えたことを思い出します。そのときの気持ちは、「底なしの寂莫」といえるものでした。それまでに経験したことがなく、その後も経験したことがないほどの深い悲しみを、伴っていました。今まで生きてきて、とてもなじんだ世界の全てが消え去り、自分が完全な無になる。それがとても悲しかったのです。不思議なことに、恐怖を全く感じませんでした。
たった1~2秒間の間に、上の経験をしたと思います。左側にいた次男に、反射的に「手をつないで」と叫びました。何が起こったのかよくわからずに、次男が私の左手をつかみました。引き寄せてくれたおかげで、私の足が浅瀬につきました。
そのビーチのみやげもの屋で働いていた日本人店員が、言いました。「ここでは毎年5~6人亡くなっています」
No.162で、日本がW杯で勝てなかった理由を書くつもりでした。海外生活が長かった私には、それは自明の理のように思えたのです。けれども、「負けた理由」を書くのは気が重いので、違うテーマで162を書くことにしました。
エッセイにしろアニメにしろ、私の一つひとつの作品へのアクセス数は、ちゃんとカウントされています。アクセス数がコンスタントに多いのは、「宇宙論」、「犬」、「日本人の海外生活」を記述したページです。最近では、時の人「小保方晴子」のエッセイへのアクセスがかなりあります。
「宇宙論」、「犬」、「日本人の海外生活」、「小保方晴子」という異なるトピックについて、同じ人が同じように興味を持つことは考えにくいので、恐らく異なる人たちが、各トピックに別々に興味を持ってアクセスしているのだと思います。
昨日、小保方さん自身が理研で検証実験を行うことになった、という報道がありました。エッセイ42に書いたように、この実験には「ヒューマン・ファクター」が入るので、理研の決定がやっと合理的なものになったと思います。
まずSTAP細胞を樹立しなければなりません。同じ万能細胞なので、ES細胞と共通する特徴があることは、容易に想像できます。どこが異なるのかを明確にすることが、大事になります。
通常は、「アニメと小説の工房」よりも「夢と現実のエッセイ評論」へのアクセスのほうが、多くなっています。ところがどういう訳か、最近「アニメと小説の工房」へのアクセス数が、瞬間的に跳ね上がりました。これを知った私は、俄然新しいアニメを創る気になりました。
もう一つ、「作者の思い」のページへのアクセスはいつもは少ないのですが、ここへのアクセスも突然に多くなりました。「作者の思い」は短文ですが、書くとなればやはりそれ相当の覚悟を必要とします。
この短文を今読んでいただいている皆さん、ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。何が「よろしく」なのか意味不明だって?そこは、自由に発想していただいて結構です。
6月23日付けの産経ニュースWestによると、10日に取材に応じた三木弁護士が、小保方さんが次のように言っていたことを、明かしました。
「生き別れた息子を早く捜しに行きたい」
小保方さんは、検証実験に参加したい意向を、このように表現したそうです。
私は、「エッセイ42:小保方晴子が愛するSTAP細胞」に、「覚悟を決めた女」について次のように書きました。
「女という性は、種の存続のために、他の個体である胎児を自分の体内で育て上げる。出産後は、自分から独立して生きる新生児を、自分の身を削って育てる。女は、覚悟の対象を守るために、他のすべてを捨てることができる。命がけの覚悟を本能的に求められている性だ」
もしもこのエッセイを小保方さんが読んだならば、自分の気持ちがストレートに表現されている、と感じたはずです。
ES細胞との関連で関係者から批判が出ていますが、これらの研究者には、最も基本的な認識能力が欠如していると思います。小保方さんが公表した「報道関係者の皆様へのお願い」という声明を、エッセイ42に載せました。当事者であるあなた自身が、「STAP細胞研究はやっとスタートラインに立てた」ばかりということを、認めていました。
STAP細胞の特徴は、遺伝的なものを含めて、まだ確定されていないのは明らかです。ES細胞とどこまで類似性があるのか判然としない現時点において、ES細胞と似ている、あるいは似ていないという観点から、STAP細胞の存在の有無を判断することには、意味がありません。
小保方さんの問題との関連で、日本人のマイナス気質の一面を見た、と思いました。それは、大勢順応気質です。最初の花火が打ち上げられたときには、関係者(とメディア)は、STAP細胞は疑いようもなく存在している、と言っていました。今では、これらの関係者が、STAP細胞の存在に疑義を呈しています。
科学的な事実に即して、客観的に判断しなければならない研究者が、周囲の政治状況に合わせて平気で自分の主張を変えてしまう。あきれた現実としか言えません。
もしもエッセイ42を読んでもらったならば、小保方さんは、私が言いたかったことを明確に理解したと思います。検証実験を行うときに、頭のどこかに留めておいてもらえれば幸いです。
私の宇宙論「エッセイ30、31:量子論が描く驚異の宇宙像」について、3ヶ月ほど前に2ちゃんねるで激しい議論が戦わされていたことを知りました。物理学が専門と思われるAさんの立場は、「和戸川が書いた宇宙論は妄想に過ぎない。間違いだらけだ。そもそも素人が、こんなものを書くべきではない」、というものです。宇宙論をよく勉強していると思われるBさんは、「おもしろい。こんな発想があってもいい」と考えていて、私を支持しています。
熱い議論を戦わせたお2人(少なくとも)に、感謝します。上のエッセイへのアクセスはコンスタントに多く、私の宇宙論に反対にしろ賛成にしろ、多くの方に興味を持っていただいていることは、間違いありません。うれしい限りです。
専門家からAさんのような反応があることは、覚悟の上でした。どのエッセイにおいても、既知の知識をまとめた教科書のようなものを書く気は、私には全くありません。教科書的な知識を必要な皆さんは、教科書を読んでください。既知の知識をおりまぜながら、どこまで想像の翼を広げられるか、私の興味はそこにあります。
皮肉な言い方をすれば、既知の知識に固執する専門家に批判されれば批判されるほど、私の創作は成功したことになります。
アインシュタインの大学時代の物理学の成績は悪く、大学卒業後は特許庁に勤めていました。あのアインシュタインが、物理学には素人だったのです。免疫学分野で世界で最初にノーベル賞を受賞した、「クローン選択説」を書いたバーネット「エッセイ28:天才を育てる楽しみ」が、晩年にこう言っていました。
「人間には全てを知ることはできない。神しか知らない広大な領域が広がっている」
物理学の分野だけに限っても、ニュートン力学、特殊相対性理論、一般相対性理論、量子論などと、存在の概念を大きく変えなければならない、理論的発展が今までに数多くありました。
真の科学者は、「人間が今までに知ったことなどは、全く取るに足りない」ということを、認めます。全てを知っていると思っている専門家がいるとすれば、自分が無知であることに無知なことを、さらけ出していることになります。
Aさんには厳しい言葉になってしまいました。ある分野の専門家である私から、Aさんへの直言と理解してください。
近所の奥さんと打ち解けた会話をするのは、普通は困難です。いつも会っているワンコ仲間は例外。ワンコのおかげで、気楽な話をできる仲間になります。以下は、ワンコを連れた奥さん2人と、私のおバカな会話です。
奥さん1「この間、防災訓練があったんですよ」
奥さん2「人工呼吸って、救急車が来るまで続けなければ、意味がないんだって」
奥さん1「私なんか、オッパイが小さいから胸部圧迫は楽だけれど、オッパイが大きい女性だと大変よね」
Wat「オッパイが大きい女性の胸部圧迫が大変だったら、ぜひ私を呼んでください。救急車が来るまで喜んで一所懸命にやります」
奥さん1「男ってほんとにバカですね。うちの2人の息子(中学生)も、オッパイには夢と希望があるなんて言ってます」
奥さん2「ほんとよね。男ってバカだわ」
Wat「男がそんなふうにおバカなおかげで、妊娠をしなければならない女性が、男性をいいようにコントロールできるんですよ。男がバカなことはとても大事ですね」
奥さん1「・・・・・・」
2日前のことでした。朝の散歩の途中で、ラッキーが坐ったところに4つ葉のクローバーを見つけました。子供のとき以来のことでした。何かいいことがあるかも。。。と思ったのは間違いでした。
公園の一角がフェンスや木々で囲まれていて、ポケットのようになっています(エッセイ36)。そこで、飼い主は犬をリードから離します。
約1才のハスキーくらいの大きさのメスの秋田犬(ラッキーの2~3倍)が、2~3週間前から時々来るようになりました。散歩の途中で他の犬を攻撃するので、飼い主は手を焼いていました。他の犬と遊ばせることがなかったので、社交性のない犬になっていました。
前回来たときにリードからはずされ、ラッキーを追いかけました。エッセイ中の動画で示したように、危険な相手からはラッキーは逃げます。ところが、この秋田犬はとても執拗で、ラッキーの下半身に3ヶ所のかみあとを残しただけではなく、無防備の肛門周辺を狙いました。ラッキーは、今までに見たことがないほど、とても激しい怒りの表情を見せました。
2日前の夕方に、再びこの秋田犬がやって来ました。ラッキーが警戒しているのが分かったらしく、リードから離されると、最初は他の大型犬と激しいやり取りをしているだけでした。ところが突然にラッキーへ襲いかかり、からみあってしまったのです。ラッキーは珍しく「キャーン」と叫んで倒れました。2頭を引き離すと、ラッキーの右足から血が流れ、足を地面に着けない状態になっていました。
すぐに、行きつけのペット・クリニックへ運んで行きました。秋田犬はとても激しくかんだのです。肉球が割れただけではなく、右足下部に何箇所かの傷があり、合計11針も縫いました。ただしラッキーは忍耐強く、麻酔なしで治療を受けました。いつもラッキーを見ている獣医は、ラッキーの忍耐力に確信を持っていて、今回も期待通りでした。
獣医は、「この間も秋田犬にかまれた犬を治療しました」と言いました。秋田犬を飼っている人は少なく、この秋田犬の飼い主が、散歩途中の問題を話していたので、ラッキー以外の犬もかんでいた可能性があります。
秋田犬はもともとは獰猛な闘犬で、飼い主をかむこともあります。その夜、この犬の飼い主が電話をかけてきたので、私は言いました。「犬が興奮すると、人間にはコントロールできなくなります。問題がある犬を飼っているときは、外では決してリードから離してはいけません。(頭が自由に動くハーネスを使っていたので)頭の動きをコントロールできないハーネスではなく、普通の首輪を使ってください」
拙著「サイバー世界戦争の深い闇」で描いた世界を、現実が追いかけてきています。
アメリカ司法省が、中国人民解放軍第61398部隊の要員5人を、スパイ容疑で起訴しました。5人の顔写真が公開されています。原発や太陽光パネルなどの重要機密を盗んだ、とされています。
これまで、正規サイバー軍の特定の個人が、犯罪容疑で指名手配されたことはありません。司法省がこの5人の名前を公開したということは、NSAなどのアメリカの諜報機関が、人民解放軍の中枢部へ深く潜入できたことを意味します。攻撃者の追跡が極端に困難なサイバー空間で、足跡を残さない技術に長けているはずのプロを、明確に特定できるだけの技術を、アメリカが持っていることが明らかになりました。
中国は逆に、3月から2ヶ月の間に、中国の118万台のホストコンピューターへ、アメリカ国内のサーバーから攻撃があった、と発表しました。中国の技術では、まだアメリカサイバー軍の攻撃者個人の特定までは、できないと思われます。
サイバー戦争では、被害の公表は脆弱性の公開になり、防御側にとって危険です。攻撃者の身元を割り出したことを公表するのも、防御側を不利にします。中国が、アメリカから起訴された5人へ、今までにどのような攻撃があったのかを割り出そうとすることは、間違いありません。アメリカの手口が知られてしまう可能性があります。
それでもアメリカがこのような公開手配をしたことから、サイバー戦争が広く深く急速に拡大していることが、明確になりました。
STAP細胞問題への理研の対応は、誰が見ても矛盾だらけで、混乱の極にあります。例えば、Natureに載った2編の論文のうち、取り下げ勧告をしたのは第1報だけです。第2報と特許には不正がないという結論です。また、理研側の調査委員全員に、切り貼り疑惑がかかっています。疑惑がかかった論文の中には、とてもひどい切り貼りがあります。ところが、既に2人は無罪ということになっています。
こんな無茶をやっていれば、理研自身が大きなダメージを受けます。小保方さんの「不正」は、エッセイ42に書いたように、「不正」というのが難しいようなことです。理研の利益を考えれば、小保方サイドに立って、不正はないとしたほうがいいことは明らかです。
この問題の裏には、何か大きなカラクリがありそうです。
理研にダメージを与えてでも守らなければならない、利益があるのでしょうか?表に出ていない誰かの利益(ある組織の利権)を守るために、理研にしわ寄せが行っている可能性があります。小保方さんを切らなければ、裏の利権者が動いて、理研により大きなダメージが及ぶことを知った理研幹部が、小保方さんを切る決断をしたのではないでしょうか?そのほうが理研へのダメージは小さい。
この推測が正しければ、小保方さんだけではなく、小保方さんと裏の利権者の間で板ばさみになった、理研も被害者になります。このように考えなければ説明がつかないほど、理研の対応は混乱しています。状況証拠から、裏の利権者を推測することができますが、確証がないのでここには書きません。
テレビや新聞の報道によると、テロ攻撃などから国を守っている米国土安全保障省が、エクスプローラーに関する重大警告を出しています。エクスプローラーの脆弱性を突いた、サイバー攻撃が発生しているのです。
金融機関や企業が、主要な標的になっているようですが、個人も逃げられません。パソコンに入っている情報や、銀行にアクセスするためのパスワードを盗まれます。個人のパソコンが、大規模攻撃の踏み台にされる恐れもあります。
サイバー攻撃の多くは認知されず、攻撃で被害が出ても、公表されないのが普通です(拙著「サイバー世界戦争の深い闇」を参照)。上の警告の厳しさから、すでに甚大な被害が出ていると思われます。
マイクロソフト社は、5月15日頃に、脆弱性のない新バージョンを出すと言っています。これだけ時間がかかることから、この攻撃の巧妙さをうかがえます。
攻撃の巧みさと規模を考慮すると、ハッカーのような個人ではなく、どこかの国のサイバー軍による、組織的な攻撃のように思われます。
現在、ウクライナで深刻な紛争が続いています。欧米のロシアに対する制裁に対して、ロシアは報復を言明しています。ロシアは強力なサイバー軍を持っています。攻撃元として、ロシアを除外することができません。
No.146に、モンタの最初の友だち北海道犬ホクの飼い主が、キムタクの実家の犬ハッチの散歩をさせていたことを、書きました。インテリアの仕事をしていた、キムタクのお父さんが足の骨を折ったので、ホクの飼い主がハッチの散歩を引き受けていたのです。
木村さんは、骨折があったためか、長年やっていたインテリアの仕事を止めました。新しい仕事は生け花教室です。話好き(エッセイ23)なだけではなく、いろいろなことができる器用な木村さん。
木村さんが生け花教室を始めたというニュースは、口コミが得意な近所の奥さんたちの間の重要情報として、「アッ」という間に広がりました。妻へも、何人かの奥さんからこの情報が伝わりました。キムタクの話を聞きたくて、ぜひ参加したいという奥さんがとても多いそうです。
木村さんは、参加申し込みを断るのに忙しいのではないでしょうか?教室の宣伝をする必要はないと思います。キムタクはこんなところで親孝行をしています。お父さんのために、無料の宣伝を請け負っているようなものです。
昨日、小保方晴子さんの2時間半に渡る記者会見がありました。細胞関連の研究をやってきた私には、今までの理化学研究所(理研)幹部の記者会見や、調査委員会の報告が、研究者の常識とはかけ離れていたので、とても不思議でした。昨日の小保方さんの説明で、理研が伏せていた研究環境がやや明らかになりました。
実験の環境は、他の研究所と特に変わりはないようです。そこで次のような指摘をできます。
まず実験ノート。特許との関連で、各ページに日付と上司の署名が必要になります。特にアメリカの特許は先発明主義なので、実験を実施した時期の証明になる実験ノートが、極めて重要になります。実験ノートは所属機関の財産なので、研究者が移動するときに持ち出すことはできません。ハーバード大学にも実験ノートが残っていて、調査委員会の2冊という報告とは異なり、全部で4~5冊あるということでした。
実験ノートには、その日にやった実験のまとめを書くことになります。研究者は、他に雑記帳を持っているのが普通で、これにアイディアや細かい実験条件の覚書などを書いておきます。他にも、溶液に加える試薬の濃度などの計算用紙のように使う、紙片があるはずです。
実験にはいろいろな機器が使われ、ほとんどがコンピュータで制御されているので、実験結果の多くが制御コンピュータに残されます。あるいは、コンピュータから打ち出されたデータシートや画像が、手元に残ります。
問題は、若い研究者ほど、実験ノートに手書きで書くことを面倒くさがることです。デジタル世代は、コンピュータに入っているデータと、打ち出されたデータシートや画像があれば十分と考えがちです。小保方さんもそのような研究者だった可能性があります。
数人のメンバーからなるユニットが、一つの実験室を共同で使うので、小保方さんの実験は、同じような研究をやっている部下や同僚によって、日常的に観察されていたはずです。また、パワーポイントの画像を日常的に更新していたと言っていましたが、パワーポイントはプレゼンテーションに使うソフトなので、他の研究所と同様に、理研でも実験についての討論が日常的に行われていることは、間違いありません。毎日の話し合いだけではなく、週あるいはに月1回などの頻度で、突っ込んだ議論が展開されていることに疑いはありません。
即ち、小保方さんだけで実験を進めていたので、他の研究者はつんぼ桟敷に置かれていたような調査員会の説明を、信じることはできません。小保方ユニットのメンバーに聞けば、小保方さんの実験手法、実験結果、材料の保存場所などのすべてが分かるはずです。理研が、以上のことに全く触れないのは不思議です。
マレーシア航空の旅客機が消えた事件について、マスコミは現時点で以下のように推測しています。
『運行システムと通信システムを突然に遮断できるのは、航空機の専門家だけだ。制御システム遮断後、夜の闇の中を含めて7時間も飛び続けた。これは、飛行機操縦の専門家にしかできない。9.11後、客室からコックピットへ乗客が入るのは不可能になった。パイロットが、この事件の首謀者である可能性が高い。現に、マレーシア当局が正副パイロットの自宅を捜索した』
テレビのコメンテーターの一人が、アメリカは国家安全保障局(NSA)などの世界最大の情報機関を持っているので、マレーシア政府以上に旅客機の動向を把握しているはずだ、と言っていました。しかし、残念ながら、ここで思考が停止してしまっています。
マスコミ関係者の皆さん、拙著「サイバー世界戦争の深い闇」を読んでください。
悪意を持った者は、今や、命の危険を冒してまで飛行機に搭乗し、飛行機の乗っ取りをやる必要はないのです。サイバー空間経由で、飛行機を制御することが可能になりました。飛行機の制御システムは、無線で管制塔などと連絡を取り合っているので、ITの専門家がこのシステムへ侵入することは、難しいとは思いません。航空機とITの専門家がタッグを組めば、パイロットが起こったことに気づく前に、飛行機を完全に乗っ取ることが可能です。
もう一つ、マスコミが気づかないらしい、簡単な事実があります。下でも触れたように、衛星回線経由で乗客がインターネットを使えます。消えた旅客機はボーイング777-200型機ですが、中国路線などに使われている同型機で、2008年から携帯などが使えるようになりました。7時間の間に交わされた乗客の交信データを、アメリカなどは把握しているはずです。
アメリカの情報機関は、今回の事件はサイバー攻撃によるもの、という証拠を握っているかもしれません。マレーシア政府へ、必ずしも全面的な情報の開示をしていないように見えることが、この事件の裏の深刻さを示していると思います。
以上の私の推測が、今回は間違っていたとしても、今後確実に航空運輸を脅かす極めて現実的な脅威になることは、間違いありません。
北京行きのマレーシア航空機が、マレーシアとカンボジアの間の海上で突然に消息を絶ってから、1週間が経ちました。自衛隊を含む、各国捜索隊による大規模な捜索にもかかわらず、飛行機の痕跡は発見されません。世界を行き交う電波を傍受しているだけではなく、グーグルアースを見れば分かるように、地上の人影までも把握できる観測衛星を持っているアメリカ(拙著「サイバー世界戦争の深い闇」を参照)が沈黙しているのは、私にとってはとても不思議でした。
今朝のCNNが、私の疑問に答える放送をしていました。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、出所を明確にしないまま、衛星とレーダーから得られた証拠として、驚くべきニュースを報じました。緊急信号を発せずに消えたとされる地点から、飛行機は180度近いターンをしてマレー半島を飛び越え、インド洋上に出たというのです。確認できた飛行時間は4~5時間に達しています。インド洋上でのその後の飛行経路の確認は、できていないそうです。
新聞報道にあわてたらしいアメリカ政府が、すぐに報道を肯定する声明を出しました。ただし極秘情報が含まれているということで、政府の声明は簡単なものでした。
テレビでインタビューを受けたコメンテーターは、一人以上の人間がハイジャックした可能性を指摘しています。コックピットに入り込んで緊急信号の発信を止め、飛行ルートをインド洋上へ変えさせたことから、航空機の専門家がハイジャッカーの中にいた、と推測しています。150人の中国人を含む、239人の乗客を乗せた飛行機は、インド洋上でさらに左か右に直角のターンをし、北のチベット方面か、南の西オーストラリア沖方面へ飛んだとされています。
世界最強の情報機関を持っているアメリカ政府の沈黙は、奇妙です。
コメンテーターがハイジャッカーを疑っているのに対して、私はどこかの国の正規サイバー軍、あるいはそれに近い組織の関与を疑います。航空機とコンピューターの専門家が、飛行機の制御コンピューターの中に入り込んでしまえば、何でも自由にできると思います(「サイバー世界戦争の深い闇」)。
消息を絶ってから4~5時間飛び続けたということは、スマホで外部と連絡を取った乗客がいた可能性を示しています。アメリカだけではなく、中国などの情報機関も通信記録を入手したと思われます。