和戸川の思い

443

「世界の中の日本」の視点がない国葬反対派

2022年9月11日

ウクライナ侵攻から分かるように、世界から好意と支持を得ることが、国の生き残りのために重要な時代になってきました。特に、隣国の中国、北朝鮮、ロシアからの脅威に直面している日本は、あらゆる機会をつかまえて、世界を味方につけなければなりません。

法律がどうとか、予算が大きすぎるなどという理由で、安倍元首相の国葬に反対する政治家や識者。「木を見て森を見ず」で、日本の弱体化に貢献していることになります。この目に余る状況を見た駐日ジョージア大使が、「日本全体の姿が試されている。国民が一丸となって協力すべきだ」と、苦言を呈しています。

国際環境における日本の地位低下が、ずっと継続していました。重要な国際問題で、日本は無視されるようになってしまいました。これを変えたのが安倍元首相です。その功績はQUAD、TPPの誕生など、多くの事例に見ることができます。

今年オーストラリアで行われた、「期待している国」に関する世論調査によると、日本とイギリスが同率で1位になりました。アメリカは4位でした。中国の覇権奪取の動きが、オーストラリア周辺でも活発になっている状況下で、日本に対する信頼度の大きさが証明されました。岸田首相は活発な外交を展開していますが、日本に対するこの高評価は、安倍元首相の努力によるところが大きいと思います。

国葬は、この日本に対する高評価を継続させるための、重要なイベントになります。海外から重要人物が参集するので、日本をアピールするために国葬が大事であることを、岸田首相がもっと強調したほうがいいのです。

エリザベス女王の国葬を、国威発揚に使うイギリスはとてもしたたかです。イギリスよりも危険な状況下にある日本で、内向き思考で国葬反対をする勢力は、日本の安全に負の影響を与えていることになります。

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日本のマスコミは、政治家の足を引っ張ることに汲々としています。これが若者の政治離れに貢献しています。政治に夢を持てなくなるので、政治家になることは勿論、政治に対する興味も失ってしまいます。マスコミは、なぜ日本を没落させたいのでしょうか?

442

株価下落時に必要な心構え

2022年8月28日

ウクライナ侵攻や、インフレに対応した米連邦準備制度理事会(FRB)の相次ぐ大幅な利上げによって、各国の株価が大きく下落しています。

こんなときには株価を見るのは止めて、投資から遠ざかるほうがいい、という助言をする「専門家」がいます。この助言は間違いで、売買をしなくても、株価の動向を注意深くフォローし続けるのが、素人の投資家にはとても大事です。

FRBの政策だけではなく、政治・経済・外交などの多様な外部環境が、株価に影響を与えます。日本と世界の毎日の動きと株価の相関を知らなければ、投資は第六感に頼った単なるギャンブルになってしまいます。プロの投資家は、どういう状況であろうとも、株価に与える環境の影響を注視し続けます。素人が株価下落時の種々の解析を怠れば、同じ土俵で投資を行っているプロに負けることは、間違いがありません。

私は、投資候補として挙げている、日本株と米株各々30~40銘柄のチャートを、毎日チェックしています。全部のチェックに10分もかかりません。ニュースを読むのは、それよりもずっと長い時間をかけています。主要な業種の株を候補に入れているので、業種別の株価動向を推測することが可能です。メディアの報道と業種別の株価の動向との相関が、大局的な投資判断に大きな影響を与えます。

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未来において、過去や現在が繰り返されるわけではありません。未来は誰にも予想がつきません。現時点における種々の解析が、未来における投資の成功を、自動的に導くわけではありません。しかし、株価下落時に無視を決め込めば、今後の株価の動向を予測するための情報に欠落が生じ、損失を出す可能性が限りなく大きくなると思います。

441

知性と感情を獲得するAI

2022年8月4日

知性は、物事を認識したり判断する能力です。感情は、感覚や観念に伴って生じる快や不快の気持ちです。高度な知性と感情を持つのは、人間だけと考えられてきました。No. 440で指摘しましたが、現在の技術の延長線上で、人間と同じ知能を持つAIの作成が可能です。このAIは、特定の人と同じ性格を持ちます。

仮にミライという名の児が誕生したとします。この児の誕生と同時に、AI人間作成のためのデータの収集が始まります。新生児のからだにつけられたセンサーから、情報がAIへ転送されます。泣き声などの生理的な反応や、幼児に対する母や父の身体的な接触、そして会話もデータとして収集されます。収集されるデータは、脳波を含む生理的なものだけではなく、映像が含まれます。ミライが、喜怒哀楽の感情を発現させたときの周囲の状況が、データになります。成長と共に活動範囲が広がるにつれて、入力されるデータが多様になります。

AI自体は記憶を失うことがありませんが、人間であるミライが失う記憶に合わせて、AIは保持するデータを選択的に消去します。すなわち、AIはミライと同じ記憶を持つことになります。こうして、環境との対話で発現される知性と感情が、ミライと同じになるのです。

自分と同一の人格・知能・記憶を有するAIが存在することを、ミライが成長したときに知ると、衝撃を受けるかもしれません。倫理的に大きな問題になりそうです。そのリスクを避けるために、5人か10人のデータを統合して、1人のAI人間にする必要があります。ただし、統合する人の数が多くなると、個性のないAI人間が誕生します。

技術は、人間が善悪の判断をする前に進歩してしまいます。上のような未来が、すぐそこにあることに注意が必要です。

440

死者をよみがえらせるAlexa

2022年7月6日

アマゾンは、開発中の斬新な機器や機能を公にすることが余りありません。AI端末のAlexaが市場へ投入されてから、他社が同様の端末を市場へ投入するまでに3年のタイムラグがありました(「アマゾンの野望」)。アマゾンの成功を見てから、他社があわてて同様のAI端末の開発に走ったことが、この事例からうかがえます。

Alexaのチーフサイエンティストが、自社イベントで珍しくAlexaの次世代機能を公開しました。仮想アシスタントの最も重要な機能は、人間化とされています。イベントのビデオで、女の子が、「おばあちゃん、オズの魔法使いを読み終えてくれる?」とAlexaに話しかけました。亡くなった祖母の声で、Alexaが本を読み上げました。開発者によると、「愛する人を失なって悲しみに落ち込んでいる人に、感情的な快適さを提供します」。

亡くなった人を呼び出すことに、怖さを感じる方がいるかもしれません。しかし、抑圧されていた悲しみの感情が発散されるので、うつ病や悲しみを克服するのに役立つと思われます。「AIは愛する人を失った痛みをなくすことはできませんが、思い出を長続きさせることはできます」と、開発者が発言しています。

声の録音データから模倣した声を生み出すことは、技術的に難しいことではありません。Amazonによると、「1分未満の短い時間の録音データから、高品質の音声を生成する方法を作り上げた」とのことです。音声データの入力と解析、それに音声生成の方法で、技術的なブレークスルーがあったようです。

映像は声よりも模倣が困難ですが、現在の技術でも模倣が可能です。すでに映像のディープフェイクビデオが問題になっています。Alexaに搭載されるのは、最初は音声だけになるようですが、将来的には映像が含まれると思います。

この技術の展開として、生まれたときからの日常生活をデータとしてAIに記憶させ、死後に本人の記憶と感情を有する映像を創出する、という方向性があります。本人にそっくりなロボットの製作が可能になれば、死後もフェイクな本人が生き続けることになります。それを悪夢と感じる人がいるはずですが、技術の進歩には、人間の感情的な判断を超えて進んでしまう、という特徴があります(拙著「サイバー世界戦争の深い闇」)。

アマゾンが本腰を入れて開発しているので、声だけで死者をよみがえらせる機能のAlexaへの搭載は、案外早いかもしれません。Alexaを持っている皆さん、そのときどう対応しますか?

439

地球によく似た惑星がたくさん

2022年6月14日

「漆黒の宇宙に浮かぶ青い地球はとても美しく、こんな小さな星の上で、人々が争っているとは信じられません」、という感想を述べた宇宙飛行士が何人もいます。「習近平主席の偉大な力で私は宇宙へ導かれました」、と言った中国の宇宙飛行士はともかく、素直な感想は「青い地球」のようになると思います。

人類にとって宇宙は広大無辺です。 「無数の惑星に生物が誕生」に書いたように、最も近い星は、4光年先にあるアルファ・ケンタウリ星とプロキシマ・ケンタウリ星ですが、最速の宇宙船で飛んでも到着までに4万年以上かかります。その星を周回する青い小さな惑星上に高等生物が住んでいても、人類が訪れることは不可能です。

NASAなどの研究機関による観測結果を、宇宙物理学・宇宙生物学の理論に反映させると、「宇宙は生物でいっぱい」という結論が自然に出てきます。このあたりのことを、拙著「無から湧き出る宇宙」で詳細に論証しました。

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中心星からの距離とサイズを考慮し、地球型生物が誕生している可能性のある惑星が、すでに数多く発見されています。このような宇宙空間に存在する惑星には、液体の水が存在する可能性があり、その宇宙空間をハビタブルゾーン(生命居住可能領域)と呼びます。 ハビタブルゾーンに存在する主要な惑星を、下に列挙します。

◎ 4光年、プロキシマ・ケンタウリ星の惑星
◎ 6光年、バーナード星(太陽系に2番目に近い星)の惑星
◎ 12光年、ルイテン星の第2惑星
◎ 12光年、くじら座タウ星の第4惑星
◎ 13光年、ティーガーデン星の惑星
◎ 15光年、グリーゼ876 星の惑星
◎ 16光年、グリーゼ832星の第1惑星
◎ 41光年、トラピスト1星の3個の惑星
◎ 124光年、K2-18星の惑星、大気から水蒸気検出
◎ 300光年、ケプラー1649星の惑星
◎ 492光年、ケプラー186星の惑星
◎ 1400光年、ケプラー452星の惑星
◎ 3140光年、ケプラー160 星の第4惑星

このような惑星上でも、高度知的生命体が、空を見上げているのではないでしょうか。広大な宇宙のどこかに存在する、青く小さな他の惑星上の知的生命体を、夢見ていると思います。ただし、上に書いたように、人類程度の文明しか持っていない知的生命体にとっては、相互訪問は不可能です。

438

和戸川の小説「遥かなるウクライナ」

2022年5月5日

拙著「ポル・ポト審判」に収録した小説に、「遥かなるウクライナ」があります。もともとは、私のウェブサイト「アニメと小説の工房」に掲載するために書いた小説です。 脱稿したのは13年前の2009年でした。

私は、過去に何かウクライナと関係を持ったわけではありません。ウクライナへ旅行をしたことさえもありません。普通の日本人と同様に、ウクライナは私にとっては未知の地です。そんな日本人が、ウクライナを舞台にした小説を書くことは、まずあり得ません。この小説には、日本人が全く登場しないのです。
私がウクライナを小説の舞台にしたのは、「大平原」が必要だったからです。その必要性が私をウクライナへ導いたのです。

主人公の少年の両親は、農場を経営していました。 ストーリーは、嵐がウクライナを襲うところから始まります。襲いかかる怒涛の風雨から、家畜を安全な場所へ避難させるために、両親が犬と一緒に外へ出ました。それが最後の別れでした。両親も犬も戻らなかったのです。

孤児になった少年は、アメリカに住んでいる叔父に引き取られ、アメリカへ移住しました。そこで過酷ないじめにあいます。その少年の最後がどうなったのかについては、ここに書きません。小説を読んでいただければ幸いです。

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ロシアのウクライナ侵攻、家族の死、人生の急展開。13年後のウクライナを予言したとも取れる内容ですが、私は予言者ではありません。人生の諸状況において、予期しなかったできごとが連関することがよくあります。ウクライナがそうなったことで、ウクライナの人たちへの感慨が深くなりました。

437

日本の危機、軽薄すぎる橋下徹

2022年4月22日

現在、日本を含めて、多くの国がウクライナを支援しています。

国外で亡命政府を樹立することを、アメリカ政府が侵攻直後にゼレンスキーに求めましたが、ゼレンスキーは拒否しました。チェチェンからの暗殺部隊が、大統領暗殺のためにキーウへ送り込まれたことは、ロシアを含めた各国の報道機関によって、報道されています。
一般国民ばかりか、ゼレンスキーやウクライナ軍の兵士が、死を恐れて侵攻と同時に国から逃げ出したとします。ロシアが期待していたように、3~4日でウクライナの政権が転覆し、傀儡政権が誕生。
そのような状況下では、現在見られるようなウクライナへの支援はありません。ロシアが今東部でやっている民族浄化が、全土で進んでいるはずです。

ウクライナの政権トップと兵士たちが、自分たちの命をかけて国を守ろうとしていることを、疑うことはできません。

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遠いウクライナではなく、日本が侵攻される可能性があることは、いくら何でも橋下氏は知っているでしょうね。 中国が日本へ侵攻したならば、橋下氏は逃げられるとしても、他の1億人以上の日本人が、どこの国へどのようにして逃げるのですか?自分の国を守ろうとしない日本人を、どこの国が助けてくれるのですか?日本人は死にたくない。日本を防衛するためにアメリカ人に死んでもらいたい、などというたわ言が、アメリカ人に本当に通用すると考えているのですか?

日本が中国の支配下に置かれたときに、日本で何が起こるか、橋下氏は想像できないのですか? 中国は、「中国の夢(中華の復興)」を追いかける帝国として、拡張政策を取っています。見かけ上の大統一を維持するために、少しでも独立機運を見せる民族を、神経症的な弾圧で「浄化」しています。情け容赦なく敵を殺戮し排除するのが、中国大陸の凄惨な歴史を生き延びてきた、「中華民族」の哲学です。

清を作った満州の女真族は滅ぼされ、歴史から抹消されました。内モンゴルでは、徹底的なモンゴル文化の破壊が進められています。チベットと新疆で苛烈な民族浄化が進んでいることは、誰でも知っています。
さらに、香港と台湾への終わりのない攻撃についても、橋下氏は当然知っているはずです。 中国政府が、日本への憎悪を焚きつける歴史教育をずっと行っていることも、橋下氏は知っていますね。自国を守る気概がない日本人のために血を流すことを、アメリカが拒否し、日本が中国の支配下に置かれたときに何が起こるのか、橋下さん、あなたは全く想像できないのですか?ウクライナと日本がつながっていることに、気づかないのですか?

436

橋下徹とロシア大使のロシア寄り発言

2022年4月19日

橋下徹氏とロシア駐日大使の意見が、一致しました。

橋下氏「西側諸国にも、イラク戦争、アフガニスタン戦争、コソボ空爆など、人道に反する部分があった。 プーチンに対して『人道に反する』と言うのならば、西側諸国の『人道に反する』ところも考える必要がある」

ロシア大使「(ロシアが間違っていると言うのならば)アメリカがユーゴスラビア、イラク、リビアで武力を行使したのは、正しいことだったのだろうか?」

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ウクライナ自身が、アメリカをはじめとする国々に助けを求めているのです。西側諸国に非があるから、ウクライナを助ける権利を持っていない、などという理屈が成り立つのでしょうか?西側諸国に非があることを理由にして、ウクライナを罰することになってしまいます。

誰か(西側諸国)が人を殺したからと言って、他の人(ロシア)も人殺しをしていい、という理屈にはなりません。どういう人殺しであろうと、人殺しを止めるのが人間の常識です。

アメリカの二重規範は、昔から問題になっていました。拙著「 サイバー世界戦争の深い闇 」で、サイバー空間におけるアメリカの二重規範を指摘しました。
神ではない人間がやることには多くの失策があり、完璧に正しい国は存在しません。worstな国、worseな国、badな国へどう対応するのか、現実的な判断が必要です。 まずworstな国の排除が喫緊な課題です。worseな国とbadな国への対応は、その後でいいのです。 worstな国の排除に成功しなければ、周辺国から世界まで、worstな国の攻撃にさらされます。

民主主義が正常に機能している国では、現政権の政策が悪ければ、国民が選挙で政権担当党を交代させることができます。強権主義国家ではそれが機能しません。『人道に反する』批判において、強権主義国家を民主主義国と同列に扱うのは、危険です。橋下氏の論理の危険性について、橋下氏自身が気づかなければなりません。

435

ウクライナの先にある中露の弱体化

2022年4月7日

No.432とNo.434との関連で、国際関係に関心がある知人に、次のようなメールを送りました。

アメリカが対決する主要な相手は中国で、「強い中国+強いロシア」よりも「強い中国+弱いロシア」のほうがやりやすい。そう考えれば、ウクライナを使って、ロシアを徹底的に弱体化させる戦略が浮かび上がります。

上の推測の延長線上で、台湾と日本へのアメリカのあり得る対応策にも触れましたが、そのことはあえてここには書きません。

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アメリカの国家安全保障戦略が、中国を「国際秩序に挑戦する唯一の競争相手」と位置づけています。

米軍をウクライナに投入しない理由は、No.432に書いた理由だけではなく、中国との対決のために米軍を温存させる、という側面があるはずです。本日の新聞報道によると、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が、「ヨーロッパに恒久的な基地を設けるが、米軍を常駐させずに巡回駐留させる」、と言っています。 この戦略は、ヨーロッパに置いた部隊を、欧州方面から中国方面へ短時間で容易にシフトさせる、という視点で見れば納得できます。

バイデンのアドバイザーに、ルーマニア生まれのユダヤ系アメリカ人のルトワックがいます。軍事戦略の専門家です。戦争を長引かせないためには、戦場で徹底的に戦って相手を圧倒しなければならない、という戦略思想の持ち主です。拡大解釈をすれば、平和のために戦争が必要という意味になります。機能不全になっている国連のような機関には、ルトワックは否定的です。

ルトワックの頭の中にあるこの場合の相手は、ロシアではなく唯一の競争相手である中国であることは、間違いありません。 ルトワックには、「戦争にチャンスを与えよ」や「自滅する中国」などの著書があります。交渉をしても実を結ぶことがないプーチンや習近平を相手にするとき、ルトワックの戦略思想が重要な意味を持ってきそうです。バイデンの対露・対中戦略は、明らかにルトワックの影響下にあります。

434

日本の国家予算に匹敵する米国防予算

2022年4月4日

日本の2022年度一般会計予算は108兆円です。防衛費は6兆円で総額の5.6%。10月に始まるアメリカの2023年度国防予算は、95兆円になる予定です。予算総額が718兆円なので、国防費が13%に達します。

日本の国家予算に匹敵するアメリカの国防費が意味するところは、何でしょうか?日本の防衛に直接に関係するアメリカの軍事grand designの裏付けなので、注意深い考察が必要です。

これだけの予算を成立させるためには、支出の正当化が必要です。国益を守るために、世界最大の軍事力の維持が必要という、危機感がまず挙げられると思います。危険なのは、この正当化が逆転して、国防費を守るために世界に危機を作り出す、という方向へ動くことです。イラク侵攻にその気配がありました。戦争がないならば、戦争を作り出す力と意志をアメリカは持っています。この疑念をNo.432に書きました。

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憶測は抜きにして事実だけを書くと、次のようになります。

アメリカからウクライナへの援助として、90トン以上の軍需品と10億ドルの軍事支援が、すでに実行されました。2022年度に、約1兆6000億円の予算がウクライナ支援として盛られ、今年度中にこの予算が消化されます。

EU各国が、GDPの2%以上を防衛費に回す決定を、ウクライナ侵攻後に次々に下しました。EUのGDPが約1907兆円なので、2%は約38兆円です。巨額な国防費が兵器開発にも向けられ、アメリカの兵器の質が世界一であることは、誰でも知っています。EUの防衛費のかなりな額が、アメリカからの兵器購入にあてられることは、間違いありません。それが、アメリカの巨大な軍需産業の維持に貢献します。

このようなアメリカの国家体質が、日本の防衛にとって、プラスになる面もマイナスになる面もあります。日本の紛争解決能力を高め、アメリカへの依存を減らす方向へ動くことが、必要です。それができれば、アメリカのマイナス面を減らすことが可能になります。

433

核シェルターがないノンビリ防衛省

2022年4月2日

ウクライナ紛争との関連で、核戦争の可能性が指摘されています。抑止力として、単なるアメリカの核の傘では心もとないので、ドイツなどのNATO諸国が導入している、「核の共同管理」が検討の俎上に載るようになりました。アメリカの核を国内の基地に置くことになります。

冷静に考えてみましょう。弱いウクライナは2~3日で制圧できると考えて、ロシアは侵攻に踏み切りました。核兵器使用の可能性までちらつかせて、プーチンが脅しをかけました。昨年、中国のSNSが、日本への核攻撃で盛り上がったことがあります。日本が台湾を軍事的に支援するならば、日本全土を核攻撃で廃墟にする、というのです。台湾へ既に軍事支援をしているアメリカについては、冗談でも廃墟にするとは言わないことに注目。

暴力で他国を征服することを意図する全体主義国家は、相手が弱ければ弱いほど、暴力を実行することをいといません。自分たちは平和主義国家なので戦争を仕掛けないでね、などというお願いは、残念ながら無視されます。

殺人兵器は技術的に大きく進歩していますが、それを使う人間の心理には進歩がありません。石器時代の闘争心で行動する人間が、これらの殺人兵器を保有している現実を、直視しなければなりません。

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11年前の2011年5月に、私は市谷の防衛省を見学しました。そのときの自衛官との会話を「不都合なことは想定外、不思議な国日本」に書きました。防衛省に核シェルターが見当たらなかったので、2時間かけて案内してくれた自衛官に質問しました。
「防衛省に核シェルターがありますか?」

その答は「ありません」でした。さらに説明が続きました。「核シェルターを持つ必要がないのです。私たちはミサイル防衛システム(BMD)を持っていて、東京へ飛んでくる敵のミサイルを、全て空中で破壊してしまいます。ミサイルが東京に落ちることはないのです

この自衛官(防衛省)の判断が現実逃避になっていることを、「不都合なことは想定外、不思議な国日本」で指摘しました。

ウクライナ紛争からも分かるように、侵攻してきた敵は、まず最初に軍事施設を破壊します。防衛省が最初に破壊されれば、日本の防衛力が一気に落ちます。核シェルターは敵基地攻撃兵器とは違いますから、何の問題もなく建造できます。膨大なコストがかかるというわけでもありません。危機的状況下で日本の防衛力を保全するために、この程度のことはすぐにやってほしいものです。

432

バイデンの失言か、深謀遠慮か?

2022年3月8日

アメリカが情報機関を総動員して、ロシア軍の動きを正確に把握していたことは、今では明確になっています。バイデンなどの米政府高官の指摘通りに、ロシア軍がウクライナへ侵攻しました。まるで米政府が作ったスケジュールに沿って、ロシア軍が動いたように見えます。

プーチンの意図も、侵攻を準備している軍隊というハードウェアの動きも、正確に把握していたバイデン。12月8日に、「ロシアが侵攻した場合に、米軍をウクライナに派遣することは検討していない」と、明言しました。私は、この言葉にとても驚きました。侵攻の準備をしていたプーチンが、「ゴー」のサインを最終的に受け取ったと理解したことは、ほぼ間違いがなかったからです。

米軍は、NATOのような軍事加盟国ではない、ベトナム、イラク、アフガニスタンなど多くの国へ派遣されました。ロシアの侵攻を本気で止める気があったならば、「米軍の派遣は状況によって判断する」と言わなければならなかったことは、外交経験が長いバイデンには自明の理だったはずです。

このバイデンの「失言」は、内外のニュースキャスターによって、現在まで指摘され続けています。私は、全く異なる理解が可能であると、現在では考えています。上の発言は、バイデンの軽はずみな「失言」などではなく、深謀遠慮の声明だったのではないか。

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ロシア侵攻の直前まで、アメリカはウクライナ軍に武器を供与し、数百人の米軍兵士がウクライナ軍の軍事訓練にあたっていました。バイデンは、ウクライナ軍の能力を正確に把握していました。能力も志気も低いロシア軍が侵攻すれば、軍事的な支配が一時的に成功しても、長い抵抗運動で確実に疲弊します。バイデン自身がそう言っています。

すなわち、バイデンは、ロシアを泥沼の戦争へ引き込むために、わざと隙を見せたと考えられます。ひるがえって台湾では?中国を泥沼へ引き込むために、わざと隙を見せる可能性を否定できません。結果として中国の弱体化につながるとしても、戦場になる国では多くの人たちが死んでしまいます。

日本が情勢判断をするときには、世界を動かしている冷酷な国際政治を、直視する必要があります。

431

独裁者が正当化のために持ち出す過去

2022年3月4日

今は21世紀です。技術も文化も産業も交易も、さらに人間の心理も、19世紀(帝政ロシア)、15世紀(明)、そして紀元前1000年(イスラエル王国)の時代とは、完全に異なります。

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現世人類が、誕生の地アフリカを出て世界へ広がったのは、約5~6万年前でした。この間に、アフリカを出た現世人類が、地球上の異なる自然環境に適応し、先祖のニグロイド(黒色人種)から、コーカソイド(白色人種)とモンゴロイド(黄色人種)を生み出しました。

5~6万年よりもさらに短い、数百年あるいは数千年という時間。この程度の時間の歴史を、自分の権力維持の正当化のために使う、強権国家の指導者がいます。自分の権力に「永遠不変」の意味づけを行い、最高権力をずっと維持したいという、ナルシズムを満足させるための権力者のエゴイズムが、顕現しています。

心理的には、サル山のボスザルと何も変わりません。ボスザルは、敵を殺すためには、自分の体力を最大限に使う以外の選択肢を持っていません。場合によっては、自分が殺されるかもしれません。人間の権力者がサルよりもはるかに危険なのは、大量虐殺が可能な技術を、行使できる立場にいることです。自分の身を安全地帯に置いたままで、他の人間をいくらでも虐殺できます。
心理的にサルからほとんど進化していない人類が、このような技術を行使できることの危険性は、いくら強調してもし過ぎることはありません。

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強権国家の為政者は、自分に都合のいい歴史の一端を、人類全体の歴史がそこにしか存在していないかのように、吹聴します。
1900年代に、日本は中国の広大な地域を支配下に置きました。だから、中国の一部は日本に属するなどとは、中国人は勿論、日本人自身が考えていません。それが人類の普遍的な常識というものです。アフリカを出てからの過去の5~6万年の歴史の一端が、今を規定するのではなく、今が今を規定するのです。

430

私のSFが予想したブタ臓器のヒト化

2022年2月21日

私は、SFでストーリーに科学の衣をまとわせる理由を、虚構に現実味を与えるための手段と考えています(拙著「黒のアンドロイド」の後書き)。SF作家が使った科学の衣が現実化すると、SFが予想した未来が現実のものになった、といわれます。

私のウェブサイト「アニメと小説の工房」に、「人間になったブタ」という小説があります。掲載日は13年前の2009年2月19日でした。このSFから、次の文章を引用しておきます。

山極が案内してくれたベッド・ルーム。小さなベッドの中に、丸々とふとった健康そうな赤ん坊が、横になっていた。その子は、かしこそうなよく輝く瞳で、ベッドの中から、部屋へ入って来た田中をじっと見つめた。

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先月、遺伝子操作でヒト化したブタの心臓を患者に移植した、というニュースが世界を駆け巡りました。この移植手術は、米メリーランド大学医療センターで実施されました。臓器移植の最大の問題点は、臓器の提供者が少ないということです。ブタ臓器のヒト化が、この問題の最終的な解決法になる可能性を、否定できません。

その先の未来にあるのが、私がSFに描いた世界です。このSFの作者としては、私のSFが現実化することを望んでいません。

429

外国人の義父が感動した尾崎豊

2022年2月5日

昨夜のテレビの歌番組で、尾崎豊が取り上げられていました。紹介された曲は「僕が僕であるために」。尾崎は1992年に26歳で突然死しました。死の原因は明確になっていません。

義父は随分前に亡くなりました。義父が日本を訪れたとき、尾崎は存命で人気が沸騰していました。 テレビで尾崎の歌を初めて聞いたとき、日本語を全く理解できない義父が、とても感動しました。魂の奥底へ響いたようです。「こんなにすばらしい歌を、今までに聞いたことがない」という感想を述べました。日本滞在中に、尾崎の歌を聞くのをとても楽しみにしていました。

日本滞在中に、義父は「8時だョ!全員集合」も楽しみしていました。この番組は、日本語を理解できなくても、アクションを見るだけで笑ってしまいました。

昨夜、歌番組を見ながら妻と義父の思い出を語っているうちに、妻が涙を流してしまいました。

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私は、地元でナツメロクラブの世話人をやっています。歌を歌うことが好きですが、なぜ人々が歌を歌い、歌を聞くことにそんなに入れ込むのかに、とても興味があります。 歌を思う心理を解析して、このサイトにエッセイを載せたいのですが、なかなか歌を思う心の解明をできません。歌は、理屈を超えた本能と関係しているのかもしれません。

428

アマゾンでコストゼロの紙書籍出版

2022年1月4日

出版界には以前からオンデマンド出版があります。本をデジタルデータ化しておき、注文があるたびに、必要な部数だけを印刷・製本して販売する方式です。出版社にとっては、在庫を持たずに小口の注文に応じられる利点があります。利便性が高いとはいっても、そもそもオンデマンド出版に対する需要がなければ、市場として大きくなりません。

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アマゾンは、1995年に、ネット書店としてベゾスによって設立されました(「アマゾンの野望」)。それから30年近くが経過し、超巨大企業になったアマゾンが、本格的なオンデマンド出版に乗り出しました。

既存の紙書籍をデータ化して、必要に応じて印刷するのではなく、個人が出版社を通すことなく書籍を作成し、販売できるようにしたのです。昨年10月に始まったこのサービスを使って、普通ならば100万円以上かかる自費出版を、コストゼロでできるようになりました。書籍はアマゾンで販売されるので、書店の店頭に並べるための費用負担がありません。書籍が売れた時点で、1冊1冊の印刷費などをアマゾンが回収します。1冊も売れなければ、著者にはコスト負担が全く発生しません。

本の原稿作成を著者自身ができるように、本の体裁に関して、「Kindle ダイレクト・パブリッシング」のサイトで詳細に述べられています。版型、カラー、白黒、光沢紙、普通紙など、自由に選択でき、価格も著者が設定できます。印刷費や税金などのコストを上回る価格を設定すれば、ロイヤルティ(印税)を得ることができます。

私は、電子書籍で販売していた「人間として生きた犬」をまずペーパーバック化しました。紙の書籍には電子書籍にはない綴じがあり、全体的なレイアウトの変更が必要でした。ページ印刷個所の細かい設定の要領が分からず、戸惑うことがありましたが、一度やれば要領が分かります。

コストをかけずに紙の書籍を作成し、アマゾンで販売することは、創作者にとって極めて大きな意味を持ちます。どなたでもこのサービスを使うことができるように、私の実体験をまとめて当サイトに載せる予定です。

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コロナウイルスの知恵に負ける人間

2021年12月4日

宿主の体内でしか子孫を残すことができないウイルスにとって、宿主は決定的に重要な存在です。38億年前に地球上に単細胞生物が誕生したときから、ウイルスは宿主である生物に寄生を始めました。進化が、ウイルスと宿主の関係にみがきをかけました。

人に初めて感染したウイルスが致死的であっても、病原性は急速に弱まります。人を生きながらえさせることによって、ウイルスの生存と拡散が保証されるのです。最終的には宿主との共生関係に入り、互いの生存を助け合うことになります。この進化の摂理を「日本でコロナ死者が少ない複合要因」「驚異の生存メカニズム」に書きました。興味のある方は、ぜひ私の論考をお読みください。

新型コロナウイルスが、人との共存の最初のステップにあることは、データから推測できます。現在のオミクロン型に至るまで、ウイルスの変異が進みました。それにつれて感染の速さが増し、感染者の数が増大しています。けれども、重症化率や死亡率は、減少する傾向を示しているのです。

進化が成し遂げてきたことを、人の技術で変えるのは困難です。ドイツの感染病対策や韓国の感染者追跡システムは、完ぺきに近かったはずですが、状況は日本よりも悪くなっています。日本で感染者も死者も少ない理由は、いくつかの客観的データから推測が可能です。私の解析結果を「日本でコロナ死者が少ない複合要因」に書きました。

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コロナパニックになって、人間は自ら、社会にダメージを与えています。経済的な困窮が、多くの人を苦しめています。ストレスと医療停滞がうつ病やがんを多発させ、自殺者が増えています。コロナウイルスが与える以上のダメージを、人間自らが自分たちに与えるという、皮肉な状況が続いています。

426

オーストラリアつぶしに失敗した中国

2021年12月4日

中国は、オーストラリアの政治・経済・社会・教育などへ、広く深く浸透しています(浸透していました)。ハミルトンが、歴史に残る労作「目に見えぬ侵略:中国のオーストラリア支配計画」で、その浸透工作を明らかにしました。興味のある方は、「中国浸透工作の全貌」をお読みください。

胡錦涛時代の2004年に、共産党中央委員会秘密会議で、オーストラリアを属国化することが、公に決定されました。オーストラリアなど何ほどのものでもない、という中国政府の自信が、この決定に端的に表れています。

裕福な中国人が、主要政党への最大の資金提供者であることが暴露され、ハミルトンが著作を開始したのが、2016年でした。オーストラリアの首相は、それまでは「親中国」でしたが、当時首相だったターンブルが方向転換をし、対中警戒の立場を取るようになりました。

「目に見えぬ侵略」の出版後に、外国人による政治介入やスパイ・内政干渉を防止する法案と、中国の浸透を排除する「重要インフラ保安法」が成立。世界で初めて、ファーウェイとZTEの完全排除の決定を下しました。

2018年に首相の座に就いた、モリソンの対中姿勢が、さらに厳しくなりました。2021年1月に、新型コロナウイルスの発生源について独立した調査をすべきだ、と主張しました。「反抗するオーストラリア」に中国が激怒し、以下のような、前例のない大規模な報復措置を取りました。制裁対象にならなかったのは、鉄鉱石くらいです。

デカップリングになるほどの、相手国の経済全体に影響が及ぶ攻撃は、これが初めてでした。ところが、その影響は驚くほど小さかったのです。理由は輸出先国の転換です。オーストラリアの資源を必要しているのは、中国だけではありません。
逆に、デカップリングが中国経済にダメージを与えました。火力発電用の石炭の輸入が止まり、一般家庭の停電や工場の操業停止が発生し、中国経済に大きな負のインパクトを与えました。

2020年11月に、中国大使館が、14項目に及ぶ苦情を、オーストラリア政府に書面で突きつけました。内容は恫喝で彩られていました。

中国による威圧行為は、オーストラリアを黙らせるどころか、逆に立場を硬化させることになったのです。2021年6月に、イギリスで開催されたG7首脳会議で、オーストラリアの代表団は、「14項目の不満」のコピーを配布し、中国による威圧行為を暴露。これが、中国に外交的な敗北をもたらしました。

9月には「クアッド(日米豪印戦略対話)」の連携が強化されました。さらに、米英豪の安全保障協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」が発足しました。オーカスは、中国に対する事実上の軍事同盟です。

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中国にとって政経分離はあり得ません。政治・経済・外交・軍事のすべてが、共産党政権のもとで一体化。日本は覚悟を決める必要があります。デカップリングには痛みを伴いますが、中国が世界覇権を握ったときの痛みに比べれば、大したことはありません。日本が、満洲化、内モンゴル化、チベット化、新疆化、香港化することを想像すれば、容易に理解できます。中国は、長い間世界経済から切り離されていました。デカップリングは、その時代へ戻るという程度の意味です。

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御岳山珍事

2021年11月21日

先日、青梅市にある武蔵御岳山へ行ってきました。標高約1000mの山頂付近に武蔵御嶽神社があり、仏教と神道が入り混じった不思議な寺と神社が紅葉に映え、とてもきれいでした。けれども、自然や神社よりももっと強いインパクトを、人間から受けたのです。

山腹の駐車場と山頂との間を、ケーブルカーが走っています。武蔵御嶽神社が「おいぬ様」を祀っていることもあり、このケーブルカーに犬を乗せることができます。公共の交通機関で犬を同伴することは、ヨーロッパでは普通にやられています。日本ではとても珍しく、愛犬家としてはうれしい限りでした。

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帰り道で「珍事」が発生しました。観光客と犬が順次ケーブルカーに乗りました。私と妻の前にいたシニア夫婦の直前で、先発のケーブルカーに乗る乗客が締め切られたのです。それまでは静かだったおばさんが、突然に怒り狂いました。金切声が、改札口の駅員に何度も何度もあびせられました。要点は次の3つ。

「今、コロナが流行っているのよ。犬をケーブルカーに乗せたら、皆、感染するじゃない」(??)
「私は犬が大嫌いなの。何で犬をケーブルカーに乗せるの?」
「犬を乗せて人間を乗せないなんて、人間よりも犬のほうが大事なの?」

困った駅員は「ムニャムニャ」。駅員はこう答えるべきでした。
「人間と犬は乗せますが、鬼は乗せません」

 改札口を通るときに私が駅員にかけた言葉。
「ご苦労さん」

改札口を通り抜けてプラットホームに降りたとき、夫が御岳山のパンフレットを見せて、おばさんに何かを説明しようとしました。おばさんは夫が何か言う前に、パンフレットを手でたたき落としました。パンフレットはあえなく線路の上へ。それでも静かにしていた夫。よくできた男性です。何十年もお疲れ様。

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南天に停止している謎の光

2021年11月4日

謎の光

上の写真を見てください。東京から千葉にかけての海岸で、東京湾の南南西方向に見える、不思議な光です。水平線からの高さは、10度を切るくらいです。

金星などのどの星よりも明るく、夕方の空に最初に見えます。月や惑星ではありません。数年もの間、空に停止していて、動くことがありません。かといって、静止衛星ではありません。撮影当日に薄い雲がかかっていたことが、写真から分かります。衛星よりもずっと明るく、薄い雲ならば、光がさえぎられることはありません。

私は望遠鏡を持っていず、上の写真は、ニコンのズームレンズで撮りました。ズーム倍率は約5倍程度に過ぎません。この倍率では、惑星が丸く写ることはありません。人工衛星も同様です。月ほど大きくはありませんが、星よりもかなり大きいことが分かります。この完全に丸い物体(?)の表面には、模様が全く見えません。光を反射しているのではなく、発光しているようです。周囲の雲の模様は、はっきりと写っています。

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消去法で光の正体を推理しても、結論が出ません。ネットで検索しましたが、正体を示唆する記述や写真を、見つけることができませんでした。どなたか、この光の正体をご存じの方、ぜひお教えください。

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犬は2年ぶりに会った人を見分けるか?

2021年10月9日

一昨日のことでした。ラッキーを連れて散歩していたときに、ロードレーサーが前方から走って来ました。その自転車が、私たちの横で突然に止まりました。乗っていた人は、全身を覆うロードバイクウェアで身を固め、ヘルメットをかぶり、マスクをし、サングラスをかけていました。誰なのかの判断どころか、男女の区別もできませんでした。

そのライダーが「ラッキー」と声をかけたのです。その声で女性であることが分かりました。けれども、私もラッキーも(一緒にいた妻も)不審そうに見つめるだけでした。女性はサングラスを取り、マスクをはずし、ヘルメットを持ち上げました。それで、私が通っていた歯科医院の歯科助手だったことが分かりました。彼女は2年前にその歯科医院を辞め、2年間会ったことがありませんでした。

彼女が歯科医院で働いていたときに、ラッキーとの散歩の途中で、よく歯科医院の前を通りました。患者が院内にいなければ、彼女は飛び出してきて、ラッキーをかわいがったのです。ときにはおやつもくれました。すっかり調子に乗ったラッキーは、散歩のルートに医院を入れることを、いつも要求しました。歯科医院の仕事の邪魔をしないように、私は気遣いをしなければなりませんでした。

女性が医院を辞めてからも、ラッキーの歯科医院通いが2年間続きました。そんなラッキーですが、ライダーの女性を医院にいた女性と気づかなかったのです。見かけだけではなく、恐らくにおいも異なっていたと思います。ラッキーの記憶の中にはない人になっていました。けれども、この女性が白衣を着て歯科医院から飛び出したならば、2年後の今でも即座に彼女を認めたはずです。

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ハチ公のファンには申し訳ありませんが、この偶然の出会いで感じたことがあります。10年近く渋谷駅へ通ったハチ公。飼い主が10年前と同じ姿で駅から現れたならば、飼い主の男性を認めたことでしょう。けれども、この飼い主が全く違った服を着て、駅とは違う場所でハチ公に会ったならば、ハチ公は飼い主を認めなかったと思います。

人も同じです。顔、体形、服装、それに会った場所などが以前と同じならば、脳に蓄積された相手の記憶がすべて活性化され、認知を容易にできます。そうでなければ、気づくのは難しい。

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コロナ偏向報道の実体

2021年10月2日

昨年から現在まで、危機を煽り立てるコロナウイルスの偏向報道には、目に余るものがあります。この1~2週間の間にも、テレビの報道番組でこの偏向を見かけました。

一つ目の報道番組では、ドイツのコロナ対策が、システムとしてとてもよくできていることを、強調していました。それに対して、日本はいい加減すぎるという説明が、長々と続きました。ところが、その番組の最後に、付け足しのように、ドイツの現在までの死者数は、日本よりもずっと多い、という指摘がありました。ひな壇に並んだタレントたちが、一瞬驚きました。コロナ対策を理想的にやっているドイツで、なぜ死者数が日本よりもずっと多いのか?タレントたちのこの疑問に、キャスターは答えることができませんでした。

二つ目の番組では、イギリスをべたぼめしていました。システマティックな医療体制のおかげで、社会的な規制をすべて取り払えたことが、強調されました。それに対して日本は・・・、というお決まりのコメント。上の番組よりも偏向の度合いがひどかったのは、重症者数などに関してイギリスの統計しか示されず、日本よりも本当にいいのかどうかの判断を、視聴者ができないことでした。

新聞やネットを調べれば、誰にでもすぐに入手できる統計を書いておきます。昨日のコロナ死者数は日本34人、ドイツ72人、イギリス137人です。ドイツの人口は日本の67%なので、人口を日本と同じにすると、ドイツの死者数は109人。同じく、イギリスは256人。私が「日本でコロナ死者が少ない複合要因」で書いたように、日本の死者数は、昨年からずっと欧米を下回っているのです。

こんな簡単な統計を、菅前総理が知らないはずがありません。ところが、コロナ対策の弁解にこのような統計を使うことなく、総理を辞めました。

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マスコミは、なぜ必要以上に危機をあおるのでしょうか?国民が恐怖を感じて、報道から情報を得ることに執心するように、仕向けているのでしょうか?それに迎合する医師がいる。政治・行政が、その風に流されてしまっているために、サービス業や小売業が大打撃を受けています。ストレスでうつ病になる人が増えています。自殺者も増えています。
No. 419に書いたように、腫瘍と心疾患で亡くなる人の数は、コロナ死者数の約40倍に達します。報道に流されることなく、自分の身は自分で守る必要があるようです。

421

電子書籍更新版をどうぞ

2021年9月27日

紙の本と比べた作者にとっての電子書籍の利点は、いつでも容易に内容を更新できることです。私の電子書籍全7冊について、レイアウトなどを変更し、読みやすくしました。「人間として生きた犬の心」「無から湧き出る宇宙」は、表紙の絵を描き換えました。「無から湧き出る宇宙」は、No. 420に書いたように、内容を大きく変更したために、更新版を改訂版ということにしました。

iBooksとGoogleでの書籍データの更新は簡単でした。これまでに書籍を購入した方は、無料で更新版を読むことができます。楽天ではアップデートにややつまづき、「サイバー戦争の深い闇」がまだ未更新です。

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問題はAmazonです。Kindleは、ハイライト・ブックマーク・メモなどを頻用する、ヘビーユーザーを大事にしているようです。書籍データが更新されると、これらのマークが消えてしまうので、作者も読者も、更新を容易にできないようになっています。 No. 420に書いたような対策がうまく機能しません。更新版を入手するには、Amazonカスタマーサポートへ電話をするのが、一番確実なようです。面倒ですね。

私は、Kindleダイレクト出版の自分のページで、データをアップデートし、全書籍が更新されたことを確認しました。私が確認できる範囲ですが、サーバー内のデータが新しくなったのです。ところが、上のKindleの方針に従って、今までに購入された読者の皆さんが、更新版を入手できないばかりか、皆さんが目にする Amazonの書籍紹介ページの内容までも、更新されていません。

Kindleヘルプのページに、「内容を大きく変更した改訂版は、新しい本として出版すること」という記述がありました。第1版と第2版を完全に異なる本とするのは変ですが、Amazonの方針にさからうことはできず、改訂版は新しい本として販売を開始しました。 「Kindleストア」で、「無から湧き出る宇宙」の第1版と2版が、並んで販売されています。

以上、読者と作者にとって不都合といえば不都合ですが、よろしくお願いします。

420

改訂版「無から湧き出る宇宙」

2021年9月15日

拙著「無から湧き出る宇宙:量子力学から高次元時空へ」で述べている理論や仮説は、数が多いだけではなく、全体としてとても広範な科学領域を網羅しています。この本の執筆において、1つのストーリーのもとに全体的な整合性を取るのは難しく、第1版の脱稿までに4年弱かかりました。そこまで労力を注ぎ込んだにもかかわらず、読み返して、不都合な点が多々あることに気づきました。

第1版の出版から2年が経ちました。この数か月間、第2版出版のために内容を見直しました。未知だった領域を新しいアイディアで埋め、説明が不十分だった箇所では説明に意を尽くし、削除すべき箇所は削除しました。表紙の絵を変え、イラストを追加し、第2版は単なる更新以上になったために、改訂版としました。

最初から最後まで、全体を通して読みやすくしました。内容の理解が容易になったと思います。容量は400字詰め原稿用紙換算で628枚で、カラーのイラストが68枚です(Kindle版書籍で678ページ)。

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各電子書店ですでに電子書籍を購入した方は、更新版を無料で入手できます。ただし、書店によっては、手続きが面倒な場合があります。アマゾンでの入手法を、私の電子書籍紹介ページの「無から湧き出る宇宙」に書きました。念のためにここにも書いておきます。

改訂版入手法:アマゾンのサイトで「ログイン」>右上の「アカウント&リスト」プルダウンメニューから「コンテンツと端末の管理」を選択>「コンテンツ」をクリック>購入した本のリストが現れ、更新版がある場合は「アップデートがあります」の表示>それをクリックして更新版を入手。

419

自分の命の守り方

2021年8月19日

コロナ関連で、いろいろな思惑を持った人たちが、いろいろなことをテレビで話します。情報の受け手である私たちには、注意が必要です。

まず冷徹な事実を書きます。厚労省の統計では、2020年度の総死亡数が137万人で、前年から1万人弱減少しました。死因別では、悪性新生物(腫瘍)28%(38万人)、心疾患15%(21万人)、老衰10%(14万人)で、この上位3番までで死亡の半数を超えています。厚労省の別の統計によると、8月17日までのこの1年間における、新型コロナによる死亡数は、1万5460人です。最近の死亡数は1日に20~40人程度で、ドイツと同じくらいです。新型コロナが流行する前の2019年に、インフルエンザで死亡したのは3600人。コロナほどに注目されていたならば、死亡数は統計的にもっと増えたはずです。
腫瘍と心疾患で、59万人が亡くなっていることに注目してください。おおざっぱに言えば、腫瘍と心疾患で亡くなる可能性が、コロナの40倍に達します。生活の場における厳しい規制が、ストレスをかけるだけではなく、運動不足や栄養補給の低下を招きます。これらすべてが、回りまわって腫瘍と心疾患を増加させるばかりか、免疫能の低下をもたらすことによって、コロナを重症化させます(「万能免疫系を抑えるストレス」)。

既得権益を守りたい医師会が、危機を喧伝しています。しかし、コロナをインフルエンザ程度に扱ったほうがいい、という良心的な発言をする医師が、少数ながらテレビに登場するようになりました。ベッドのひっ迫が喧伝されていますが、これは日本の医療制度の問題(「教育と医療の重大な欠陥」)で、政治・行政と医師会が一緒になって解決できます。解決しなければなりません。

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私たちが自らできる対策を書いておきます。運動は代謝に影響することによって、免疫能を高めます。勿論、ストレス解消にもなります。公園などで散歩するときには、マスクをはずしても特に問題がありません。熱中症対策が必要。趣味などの楽しい活動が、脳を経由して免疫能を上げることが知られています(「日本でコロナ死者が少ない複合要因」)。

ビタミンCとDが、コロナを含めたウイルス増殖に、抑制効果があることが知られています(「日本でコロナ死者が少ない複合要因」)。感染が心配な皆さんは、どこでも買えるビタミン剤を服用してください。

コロナに効果がある既存の治療薬が知られています。安全が確認された以下のジェネリック薬です。転用には厚労省の承認の問題がありますが、承認が出ている薬もあります。リウマチの治療薬「アクテムラ」、「サリルマブ」、「バリシチニブ」。ステロイド剤「デキサメタゾン」。エボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」。抗寄生虫薬「イベルメクチン」。重症化した患者には、もろもろのいきさつを乗り越えて、積極的にこのような治療薬を使う必要があります。医師が勧めないならば、患者自らが要求してください。

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人に適応しつつある新型コロナ

2021年8月5日

「日本でコロナ死者が少ない複合要因」を書いたとき、新型コロナウイルスが本当に「新型」なのか、確信を持てませんでした。現在は、「新型」であることに確信を持っています。

中国で最初の感染が確認されてから2年近く(1年9か月または1年11か月)が経過し、この間にウイルスの変異が進みました。現在は感染性が強いデルタ型が、世界中に広がっています。この変異は、ウイルスの宿主(コロナの場合は人)への一般的な適応過程をたどっています。

「日本でコロナ死者が少ない複合要因」に書いたように、新しく人に感染したウイルスは、個体内で増殖しやすくなると同時に、遺伝的に異なる多くの宿主へ感染が可能になるように、自ら進化を続けます。宿主が健康で動き回るほうが、ウイルスの拡散に有利になりますから、ウイルスの病原性が次第に弱まります。時間はかかりますが、個体の生存を助けるような役割まで、担うようになることがあります(「驚異の生存メカニズム」)。

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ワクチンの副反応を怖がる人がいます。副反応の主体は、ワクチンとして接種されたウイルスに対する炎症反応です。局所性または全身性の痛みがあり、発熱します。これは免疫反応の第1歩で、巷間いわれるように、免疫能が高い女性や若い人で副反応が強く出る傾向があります。高度な免疫が獲得される前兆なので、心配する必要はありません。

この最初の炎症反応に継続して、「ウイルス免疫誘導のダイナミズム」に書いたように、複雑な免疫反応が惹起されます。コロナウイルスに感染したことのある人が、ワクチンを接種すれば、ブースター効果を期待できます。また、1回でも接種が済んでいれば、コロナウイルスの自然感染でブースター効果を得られます。ワクチン接種と自然感染の協調によって、高度な集団免疫の獲得が加速されます。

オーストラリアは、厳しい隔離政策で国外から入る人の数を制限しています。それでもクラスターが発生しています。隔離政策に頼りすぎたために、ワクチン接種が遅れています。このような状況下では、国民の集団免疫獲得までに長い時間がかかります。それまではロックダウンが繰り返されることになり、経済と健康へのダメージが長期的に大きくなります。

417

虐待された犬が子供の命を救った

2021年7月4日

愛犬を亡くし、ペットロス症候群で涙を流した皆さん(No.409「犬の死、泣いていいのです」)が、涙を浮かべてしまうオンライン記事を見つけました。タイトルは「飼い犬が赤ちゃんを攻撃?!」

原文は英語で、自動翻訳で日本語へ翻訳したようです。とてもたどたどしい日本語になっています。速読ではその日本語を理解するのが難しく、意味を考えながら、ゆっくりと読まなければなりません。それで、より強く胸が打たれてしまいます。たどたどしい表現が、時によっては大事なのだな、と妙に感心してしまいました。

オンライン記事にしてはやや長いので、要点を次に書きます。興味がある方は、写真付きの原文をお読みください。

17カ月令の娘を持つ女性が、娘のために犬を飼うことにした。犬がいると、子供が肉体的にも心理的にも健康に育つ、と言われているからだ。犬の命を救いたいと考え、シェルター(保護施設)から引き取ることにした。同じ理由で、私も保護犬だったモンタを引き取った(「ペットが命の重みを教えてくれる」)。女性は、おとなしくやさしそうに見えた大型犬のドーベルマンを選んだ。引き取った日から、犬と娘は一緒に遊んだり寝たりした。
4日後に事件が起こった。
庭の少し離れたところで娘と犬が遊んでいるのを、夫婦が見ていた。それまでやさしかった犬が、突然に攻撃的になった。娘を脚でたたいて横へ飛ばした。おむつをくわえ、前後に振って娘を放り投げた。驚いた夫婦は、あわてて娘を犬から引き離した。そして見た。草の間を遠ざかっていく蛇の姿を。猛毒の蛇にかまれた犬は、地面にどっと倒れマヒ状態になった。とても悲しそうに細く鳴いた。夫婦は犬の命を救うために、全力をあげることになった。そのおかげで犬は九死に一生を得た。

シェルターに入れられたとき、犬はやせ細り肋骨が折れていました。虐待されていたのです。人間から暴力を受けると、人間に敵愾心を燃やす可能性があります。けれども、虐待されたにもかかわらず、自分を愛する人間を受け入れる気持ちは、失っていなかったようです。引き取られてからわずか4日後、この短い間に与えてくれた愛に応え、自分の命を投げ出して子供の命を守る行動に出たのです。

以上は、オーストラリアで実際にあった話です。オーストラリアには猛毒を持つ蛇がいるので、旅行中は注意してください。特に、郊外にある、草が生い茂った公園では油断をしないでください。

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ラッキーの友達の中に、保健所で保護されていた犬がいました。この犬は、人間に対しては敵意を示さなかったのですが、他の犬が近づくことを完全に拒否しました(「犬たちの愉快な交遊録」)。例外は、ラッキーともう1頭だけでした。保護される前に、他の犬との間でトラウマが生じる環境にいたのだと思います(例えば、悪徳ブリーダーの過密飼育)。

416

結果として生物兵器になった新型コロナウイルス

2021年6月17日

バイデン大統領が、今までの倍の努力をして、新型コロナウイルスの発生源調査をするようにと、情報機関に指示しました(5月26日)。調査期間は3か月とされています。ここに至るまでの伏線をおさらいします。

武漢ウイルス研究所は、遺伝子の機能を増強させる研究を行っていて、コウモリのウイルスを人工的に造り替える実験をしていた(機能獲得実験)。米疾病対策センターの前ディレクターによると、感染能が高まったコロナウイルスが、2019年の9月か10月に、武漢ウイルス研究所の研究員に感染。米情報当局者が、武漢ウイルス研究所の3人の所員が、2019年11月に入院した、と述べた。WHOの専門家チームが2021年1月に武漢に入り、中国当局の監視下で調査を行ない、「研究所から流出した可能性は最も低い」と結論した。米スクリプス研究所の研究者が、問題のウイルスのゲノムの変異は、自然変異によるものとは思わない、という内容のメールを、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長に送った(2020年1月31日)。WHOのテドロス事務局長が、研究所流出説を排除するにはさらなる調査が必要、と述べた(2021年3月)。
今年に入ってから、世界各地の20数人のアマチュアの「探偵」が、インターネット上の膨大な情報をかき分け、断片的な情報をつなぎ合わせている。このグループの名前はDRASTICで、ウイルス研究者も含まれる。分かったこと。武漢ウイルス研究所のデータベースの多くが削除されている。公表された報告書から虚偽が多数発見された。武漢ウイルス研究所は、コウモリ由来のコロナウイルスを長年研究してきたが、安全管理はお粗末で、流出の可能性が常にあった。新型コロナの発生源とされた、武漢の海鮮市場で最初の集団感染が起きるよりも何週間も前に、研究所で既に感染者が発生していた。

海鮮市場でコウモリから人へ感染したならば、不可抗力の側面があり、感染の詳細が明らかになることを、中国政府が怖がる必要はありません。そもそも、中国政府がこの感染の可能性を認めています。しかし、状況証拠は、中国政府が真実を隠していることを示唆しています。

2020年初頭に、米疾病対策センターが、ウイルス研究者を中国へ派遣し、中国の感染対策に協力することを提案。中国政府は、この提案を完全に拒否。2020年4月に、オーストラリアのモリソン首相が、コロナウイルス感染源の独立調査団派遣を申し出ました。世界中の専門家による感染源調査の提案は、至極当然のように思われました。ところが、オーストラリアの提案は、中国政府の激しい反発に会ったのです。

中国政府は、 オーストラリアからの輸入品に高関税をかけたり、輸入を停止するという、信じられないような報復を行ないました。 対象品目は、 石炭、大麦、銅鉱石・精鉱、砂糖、木材、ワイン、ロブスターなど、多種に渡ります。パンデミックを起こしたウイルスの起源調査要請に、このように激しく反応すること自体が、他国に知られたくない秘密を持っていることを、強く示唆しています。

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遺伝子解析装置やDNA合成装置が、世界の研究所で普通に使われています。ウイルスの病原性を高めて生物兵器にすることは、難しいことではありません。コロナウイルスによる死者は、世界で約380万人なのに対して、中国では約5000人に過ぎません。もしも、中国が意図的に強病原性のコロナウイルスを開発し、世界に拡散させたならば、有効な生物兵器の開発に成功したことになります。

この事例から学んだ国が、他のウイルスを生物兵器として開発する可能性があります。そのような意図をくじくためにも、武漢での発生源調査が厳密に行われなければなりません。生物兵器の開発は、理に合わないことを明確にする必要があります。
新型コロナウイルスの感染が偶発的だったならば、この調査は、中国に対する余計な疑いを晴らすことにつながります。すなわち、中国にとってもプラスになる。

415

できることをやらない医師会

2021年6月8日

日本医師会の中川会長、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長、そしてテレビに顔を出している医師の多くの発言が、無責任すぎます。

国民の半数がワクチン接種をすれば、コロナ感染が終焉に向かうことは、イギリス、イスラエル、アメリカなどの事例から明確になりました。これは、私が2020年6月に「ウイルス免疫誘導のダイナミズム 」で指摘した通りの結果です。

日本の病院にはベッドがとても多いにもかかわらず、コロナでベッドが逼迫する理由は、2017年7月に書いた「教育と医療の重大な欠陥 」で述べた通りです。医療保険によって支えられている病院が、国民の医療に貢献するのは当然です。けれども、医師会の関心が既得権益を守ることにあるために、分かりきった改革を今までやることがありませんでした。その結果、コロナ渦で必要以上の不安を日本人に与えています。

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ここでは、ある程度の時間がかかる医療制度の改革には触れません。医師会が、今すぐできるのにやらない問題に触れます。

遅ればせながら、日本は必要量のワクチンの確保ができるようになりました。4日には、124万回分のアストラゼネカワクチンを、台湾へ無償提供したほどです。けれども、ワクチンが十分量あるにもかかわらず、ワクチン接種が加速しているとは言えない現状があります。

ワクチンを接種する医師が不足しているのが、主要な原因です。中川会長が、医師会の既得権益を守るために、医師以外の職業の人がワクチン接種をすることに反対していました。状況が状況なので、さすがに医師以外の人も、接種することが認められるようになりました。ワクチン接種は採血よりもずっと簡単です。医師だけではなく、看護師、救急救命士、歯科医師、獣医師、薬剤師、医学部・歯学部・獣医学部・看護学部・薬学部の学生にもできます。

今、やるべきこと。中川会長、尾身会長やテレビのコメンテーターである医師が、全国の医師にワクチン接種に協力することを呼びかけてはどうですか?感染者や重傷者を減少させることが、ベッド逼迫の最良の対策になることは小学生にも分かります。感染拡大を止めるためにワクチン接種が有効であることは、今や世界中の人が知っています。

日本の重症者と死者をこれ以上増やさないだけでなく、オリンピックを安全に開催するために、日本中の医師がボランティアでワクチン接種をしてはどうですか?今やれば、まだオリンピックに間に合います。経済効果を考慮すると、追い詰められた観光業者などがどれほど助かることか....。中川会長、尾身会長、そしてテレビでコメントする医師が、上のアピールをしなければならない。
中川会長や尾身会長が、率先してワクチン接種を行ってはどうですか?中川会長や尾身会長がおっしゃるように、日本は「緊急事態」にあるのですよ。行動を起こしてください。

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